011:処刑
ー警備施設ー
俺たちは大砲らしきものに入れられた。
<処刑ヲ開始スル。コノ町ノ安全ノタメ…点火!>
この大砲とつながっている紐に火が点火された。
ものすごい勢いで燃えている。
俺たちは身動きさえとることができない。
「やっぱりあんなことしなければよかったんだよ〜〜!」
「きっと大丈夫…」
俺はそういって彼女を安心させようとした。
そして紐は燃え尽きた。
それと同時に大きな音を立てて≪ドーン!≫という音とともに、俺たちは上空に放たれた。
<射撃用意!…開始!>
警備ロボは銃を構えると俺たちめがけ銃弾を放った。
町を荒らしたものの存在を消し、治安を守るためだ。
◆◇◆◇◆◇◆
ー上空ー
「ソラ〜〜〜!」
「早くこっちに!」
俺はマイの体を掴むと背中に用意していた、ショーツを広げた。
「俺たちは外に出るんだ!」
警備ロボが俺たちに向けて容赦無しに撃っている。
何とか避けているけど、ショーツに数発あたった。
この小さな穴が後々面倒になってくる。
俺たちは風に乗り、急いで外に下りるよう進路を取った。
◆◇◆◇◆◇◆
ー警備施設ー
警備ロボ達は赤く変色していた。
<ナントシテデモウチオトシ、殺セ!>
警備ロボは大砲らしきものを幾つも用意し狙いを定めて撃った。
しかし中々当たらない。
<上空班ヲ向カワセロ!>
◆◇◆◇◆◇◆
ー上空ー
まだ降りることができない。
風が邪魔して降りることができないのだ。
「どうするの?」
「こうするしかないだろ!」
ショーツを一度たたんだ。
すると風なんて関係なしに、どんどん速度を上げて落ちていく。
後ろを振り返ると警備ロボがヘリでこっちに向かってきていた。
<オトナシク降参シロ!>
警備ロボは完璧に怒っている。
そんな中ふと周りを見渡した、そこには外の世界が広がっていた。
木々がうっそうとしており、町とは全く違う…
気がつけば地面から5メートルのところだった。
またショーツを広げ落下は防いだ。
けどまた俺たちは徐々に上昇していく。
そこでまたショーツをたたみ、また広げ、次にショーツの銃弾で開けられた穴を一定の大きさに広げると、ゆっくりと下降していった。
警備ロボの上空班も風に苦労していて、一度あきらめてその場から銃を撃ったりしていたけど、風の勢いが急に出て、銃弾が逆にへリに当たったりしていた。
<奴ラノ真似ヲシテミテハドウデス?>
<ソレハイイアイデアダ!>
警備ロボは一度ヘリのエンジンを止めた、すると急に風が止まり、ヘリのエンジンをかけるまもなく墜落し、爆発した。
◆◇◆◇◆◇◆
ージャングルー
「何とか脱出できたね」
「…うん。」
「これから…どうするの?」
「ここから北へ向かう…この”約束の地”という本が事実なら…北の果てにあるはず…」
何とか監獄から抜け出すことができた。
今の手持ちはゼロに等しい。
この悲惨な状況から俺たちは北に…
”約束の地”に向けて出発した。