010:彼の思い…
ーソラの家ー
「どうかしたのそんな顔して…?」
「あのさ…」
「うん?」
彼女はまだキョトンとしている。
それぐらい俺にはわかった。
「俺のこと好き?」
はっきりいった。
「いきなりどうしたの!?」
「答えてくれ…俺はマイといつまでも一緒に過ごしていたい。マイはどう…?」
マイはうろたえていた。
「う〜ん…私も一緒にいたい…ソラと一緒にいたいよ…急にどうしたの?」
その言葉を聞くと一安心した。
「うん…2人でこの町から抜け出したいと思うんだ」
「なんで?何でこの町から出て行かなきゃいけないの?
ここにいたら一緒にいられるし、それに出るとしてもどうやって?」
「俺たちは上級生物のペットだってことはわかってるよな?
ここにいたんじゃ、いつ飼い主に何されるかがわからない。
もしかしたら、俺たちが引き離されるかもしれない。
でも、町の外なら上級生物といえども、外に出るためのパスを持ってないと思うし、
安全だと思うんだ。」
「でも私達だってパスを持ってない!それにこの町から出た後は?」
「パスは何とかなると思う…それにこの町から出た後は”約束の地”を探してそこに住む」
「ホントに成功するの?それに”約束の地”があるかもわかんないんだし…」
「成功させてみせるよ。それにあるよきっと、”約束の地”は…」
作戦は明日の4時決行ということになった。
明日成功しなかったら…俺たちは終わりだ…
今日は明日のためにもマイをここに泊めることにした。
◆◇◆◇◆◇◆
――翌日…
◆◇◆◇◆◇◆
ー町門前ー
「大丈夫?」
「…多分」
俺はピッキング作業、つまり、プログラム上のハッキングに入っていた。
まずダミーのパスカードを差込み、更にそのカードとパソコンをつなぎ合わせ、ありとあらゆるデータを打ち込んだ。
「ホントに成功すると思う?」
「わからない。でもこれにかけるしかない…」
急にパソコンの画面が赤くなり、すぐにやめるようにと警告画面が出てきた。
「やめられるわけねぇだろ」
次はキーが押せなくなった。
「大丈夫かな…?」
「すぐに外に出してやる…だから心配しないで」
警備ロボがやってきた。
「来た!」
警備ロボはパソコンを握りつぶすと俺たちの服をつまみ持ち上げた。
<シンホウ248634452条ノ不法改造、マタ500532998条ノ不正脱出、更ニ……>
警備ロボは罪状を読み上げると、警備ロボが監視する警備施設に連れて行かれた。
◆◇◆◇◆◇◆
――数時間後…
◆◇◆◇◆◇◆
ー警備施設ー
<今カラコノ者タチノ処刑ヲ開始スル。…コノ者タチニハ砲死デ死ンデモラウ。>
そして処刑の幕は下ろされた。