001:世界
……世界をいつも回っている……
……俺のことなんか気にもせず……
……俺は一体何者なのか……
……何でこういう世界なのか……
……それは誰も教えてはくれなかった……
◆◇◆◇◆◇◆
ー家ー
今日も目を覚ますといつもの生活が始まる。
朝食はいつもいい焼き上がりの食パン。
この食パンは何もつけなくてもおいしい。
それをものの数分でたいらげると、今日は何をするか考えた。
「…よし!決めた!」
とある場所に行くことに決めた。
それは公園。
俺はたまにそこでのんびりとしていることがある。
今日は何もすることがないし。
そう決めたら、早速向かった。
◆◇◆◇◆◇◆
ー町ー
いつもここを歩くのは嫌いだ。
中級生物がうろちょろしているから。
この世界は大きく4つに分けられる。
下級生物・中級生物・上級生物そして無級生物。
下級生物は俺ら”ヒト”に当たる。
上級生物はまだ見たことがない。
中級生物は”ヒト”でもなく、何なのかわからない地球外生物みたいな生物を指す。
そして最後に無級生物とはこれらに属さない生物のことを言う。
基本的に動物のことと思えばいい。
上級生物の半分は”ヒト”をペットとして自分のモノにしている。
俺もその一人…俺みたいに自由に動ける奴はそうはいない。
中級生物は”ヒト”をペットにすることはできない、というよりしない。
何も考えていないんだろ。
俺は自分の親にも会ったことがない…
そう俺の主、つまり上級生物の俺の飼い主にさえあったことはない…
子供の頃気づいたらあの部屋にいた。
その部屋にあった本を見てこの世界を少しだけ知った。
なぜか文字は読めた。
読めない文字もあった。
お金も毎日500ビルが、俺の電子マネーカードに入金されている。
っと言ったら嘘になる。
実は毎日俺の電子マネーが500ビルになるように入金されているだけだ。
そのお金は主が入れていると思う。
主が目の前に姿を現さないのは、俺を観察していたいからだと思う。
理由は知らない…
俺のただの推測でしかないから…
唯一つ上級生物についてわかっていることは、上級生物は美しいということ。
本を読んで知った。
既に俺は、公園前までに到達していた。
◆◇◆◇◆◇◆
ー公園前ー
公園の周りには大きな壁がある。
といっても、中に全体的に太陽の光がいきわたるような造りにはなってる。
俺は公園の門にあたる場所のカード挿入口に、公園パスを入れた。
このパスカードは他にも種類がある。
自宅パス、遊園地パス等、どこに行くにしてもパスが必要だ。
パスがなければそこに出入りできない。
この町にも…
俺は主がテーブルに置いてあるのを使わせてもらってるだけ。
主は俺に使ってもいいという意味で置いてるんだ。
だからありがたく使わせてもらってる。
公園の門が開き始めた。
≪ゴゴゴゴゴ≫と大きな音を立てている。
俺が中に入ると門は再び大きな音を立てて閉まった。
こういう場所に変な生物を住まわせないようにということらしい。
たぶんホームレスのことだと俺は思ってる。
公園は広々としていて、緑があふれていた。