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つばさ  作者: mihiro
3/3

小柴慶人。

「ごめん、遅くなって。今、部活抜け出してきた。同じクラスの奥つばささんだよね?話って何?」

遅れた理由と名前の確認までして、律義な人だな。

30分は待った。

もう来ないかと思った。

わたしは大きく息を吸った。

「貴方が好きです。わたしと付き合って下さい」

「……ごめん。俺、付き合ってる子がいるから」

「知ってるよ。それでも好きなの。友達からでもいい。お願いします」

わたしは頭を下げた。

「頭、上げて。分かった。友達ならいいよ」

「ありがとう」

正直、友達というのが不服だったが一応礼を言った。

「あ、でも1つお願いがあってさ」

「何?」

「俺、今コンビニでアルバイトしてるんだけど、そこ人手が足りないんだ。つばささん、手伝ってくれない?」

「わたし、バイトなんてした事ない」

「大丈夫。俺が責任持って教えるから」

待てよ、これは所謂仲良くなるチャンスだ。

「分かった、やる」

「よし、決まりね。じゃ、明後日からトレーニング始めるよ」

「いいよ。何時から?」

「13時から」

「OK」

「よろしく。じゃあね」

「うん」

わたしたちは手を振り合った。

何だかこそばゆい感じがした。


その日の夜は慶人君と寝た夢を見た。

変なの。

だけど身体は重かった。

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