大学⇒逃亡
「ようトクさん。おはよう。」同じクラスのやつが声をかけてくる。
「…おはよう。」
「なんかお疲れの様子だな。」
「ああ。今朝、出がけにちょっとゴダゴダがあって気疲れしているだけだ。気にするな。」
「そうか。それよりトクさん、明け方起きていたか?」
「いいや。どうかしたか?」
「4時くらいだったかな?レポートが一段落ついたんでふと空を見ると流星が見えたんだが、それが1点より放射状に流れていく流星だった。確かこの時期に見られる流星雨はなかったはずなんだが。」
エレムの言っていたデコイをばらまいた結果だろうか。
「お?その顔なんか知ってるか?」
ちょっと顔に出てたか?誤魔化さないと。
「いや、もしかしたら隕石が何らかの理由で爆発したのかもしれないぞ」
「そんなこと…あるのか?」
「さあな。」
「さあな…って、オイ。」
「それより先生が入ってきたぞ。おしゃべりはここまでだ。」
何とか誤魔化せたか。
講義も終わり廊下に出ると、美少女が駆け寄ってくる。フェアだ。
だが、俺はフェアの顔を知っているが、彼女は俺の顔は知らないはずだが…俺に抱き着いてきた。
「トク!! ▽☆■♂π!」
名前を呼ばれたことは判るが、後の言葉が聞き取れなかった。
「トクさん。誰だいその美人さんは?」
「いやなにって…」
とっさに言い訳を考える。
「遠い親戚の娘だよ。今朝がた急に訪ねてこられたんで、講義が終わるまで下宿で待っておくよう言っていたんだが…」
こいつ。なにニヤニヤしてやがる。そんな疑われる関係じゃないぞ。
「よーし解った。ここは俺様が手を打とうじゃないか。次の講義の代返とノートを受けおったる。そうだな、謝礼は学食のスペシャルA定食。」
足元見やがって。
と、視界の向こうにМ.I.Bの一団が見えた。大学構内では違和感ありまくりなんだが、周りは気にしていないようだ。
エレムが離れた事でフェアが見つかったんだろう。というか、エレムはどこだ?
ここは話に乗っておくか。
「デザートも付けちゃる。あとは頼んだ。」
俺は フェアの手を取り、駆けだした。




