遭遇⇒保護
彼らの気配がなくなってから
「あいつら、なんだったんだ?」
ただならぬ雰囲気だったので、何のアクションも起こさずにじっとしていたのだが。
「もしかしてこの娘を探していたのか?」
何かよくわからんが、とりあえずこの娘を保護しよう。
彼女を抱き上げると、
『対象の脱出を確認。なおこのポッドは自動的に消滅します。』
えっ?なんちゃら大作戦みたいに、燃えたり、爆発したりするの? と慌てていたら、[シュン]と音がして普通に消えた。
と同時に、周囲の雰囲気も変わった。
「なるほど、認識阻害結界が張ってあったのか。それで奴らはこっちに気が付かなかったんだな」
…
あれ?
俺なに喋ってんだろ?
[周囲の雰囲気も変わった]としか感じてなかったのにそれを[認識阻害結界]として認識している?
俺の中に俺の認識していない記憶がある?
とまどっていると、足に[ポフポフ]と肉球の感触が。
『匿ってくれぬだろうか?』と黒猫
そーだな、ここにこのまま居ても何の解決にもならんし、一度家に戻るか。
「ポチ。今日の散歩は中止だ。ごめんな」
『仕方ないね。代わりに帰ったらハムいっぽんちょうだい。』
「……解った…」
なんでこいつ知ってんだ? 昨日、田舎からハムの詰め合わせ届いた事を。