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~最底辺が歩む転生譚~  作者: 月兎
5/5

3話:病子、初魔法を使う

今回はヤコの進化回&その他の説明回になります。

〝ズズンッ…ズズンッ…〟


ようやく何処かへ行きましたか。

あっ、どうもミラト風邪菌に進化を果たして

2日のヤコです。


あれから私は、風に運ばれながら生き物の

いる地域目指してのらりくらりと旅をしていました

ところ、何か凶暴極まりない猛獣蔓延る

ジャングルへと到着していました。

やったね!(涙目)


ともかく、今現在私は気の陰から(と言っても

菌なので目には見えないのですが)何かいように

でかくて凶暴な魔物さんの戦いを見ていて

今勝敗が決した様なのでフワフワと負けた

巨人魔物の死体の前に出てきています。


種族-ギガストロル


称号-


スキル-



結構この鑑定&解析先生にも慣れてきました。

風に揺られながらも辺りを見渡しながら

色々と鑑定解析しまくった賜物ですかねぇ…


それにしても、ギガストロル…かなり強かった筈ですが何で称号もスキルの欄も真っ白何でしょうか?

元々大したことない魔物だから?


〝ギガストロル……ゴブリン種の進化種に辺る

トロル種の最上級個体。力強く知能が

低いのは下位のトロル種と同じ基本だが

特筆すべきその力は巨岩程度なら

苦もなく砕き飛ばす程のものである。


ランクAA〟



違ったよ……AAって……かなり上じゃないですか…




この世界の魔物には皆ランクが付けられる

下からF、次にE、そしてD、と、この辺りに分類

される魔物は下級冒険者が1人でかつかつ

倒せるレベルであるが、次のランクからその強さ

危険度は跳ね上がる。

C、CC、CCC、B、BB、BBB、A、AA、AAA、

そして、S…。Cクラスは村程度に被害があるくらい

であり、Bクラスは村程度なら簡単に壊滅させてしまう、Aクラスにでもなれば街規模に影響を与え

てしまう程であり、此度のAAAクラスのギガストロルは下手すれば街程度なら壊滅させてしまう

程の強さを持つ。そして、最後に出したSランク、

これは国規模を滅ぼす魔王クラスに与えられる

ランクであり、現在ミラトリアにはこのクラスが

最低5人は存在すると言われている。




えっ、でも尚更おかしい。そんなに強いなら

スキルの1つや2つあってもいいような気がする

んだけど……先生方分かりますか?


無論、異世界百科事典な訳でもない鑑定,解析

からは返答はない。彼等はヤコが捉えたモノに

対してのみ回答を示してくれるのだ言うなれば

パソコンの検索エンジンみたいなものである。

前記の危険度ランクは漂う途中に調べた魔物の

下記部に記載されていたから知れたのだ。




「まぁ、とりあえずそろそろですかね。」



まぁそんな疑問は追々突き止めようと

ヤコは頭の片隅に投げおいて目の前で

既に事切れて数分が経とうとしているギガストロルの死体をじっくりと解析(・・)する。


〝赤血球、白血球活動停止、免疫力弱〟


そんな解析先生の言葉を聞きながらヤコは

うむうむと頷くとギガストロルの死体の傷口

へと降り立った。


彼女が待っていたのは死体の免疫力が低下する

ことであった。


そもそも死んでしまえば免疫力なんて

全部消えるでしょうと言う人がいるだろうが

それは違うのだ。生物が活動を停止した後でも

ある程度であるならば赤血球,白血球はまだ

活動しているのである。これは遺体の死亡法にも

よるのだが体内に含まれる血球は主に空気に含まれる固体分などと結合することによって酸化等をし

死滅に至るみたいなのだ。つまるところ今回の様な

傷が比較的に少ない場合はまだまだ生きている

血球は多い筈なのだが温度や環境何かによっても

色々と死亡速度も変わるらしい。



傷へと降り立ったヤコは内心ゲンナリと

したような顔をする。辺りには自身と同じ

様なサイズの雑菌何かで溢れかえっており

それが無数にうじゃうじゃと蠢いているのだ。


今でこそ同類に転生したからだが人の身で

この光景を見せられたら卒倒ものである。



「えっと……まず、細胞変化Ⅱで身体を少し

槍型に変えて……」


ブツブツと呟くヤコの真ん丸っぽい体の側面から

まるで手の様に槍型の手腕(?)が生えてくる。


すると、ヤコはその槍腕を周りにいる菌に向けて

突き刺し始めた。


勝敗は言うまでもない、ただ一定の菌本来の

宿主に寄生する事しか分からない下級菌達に

考える菌ことヤコにとっては格好の餌なのである。


菌の身体に槍腕を突き刺すと同時にすぐ抜き

次のターゲットへと突き刺す、その行為を延々と

繰り返すヤコ。


時間にして数十分。彼女の作業に近い食事は

終了した。顕微鏡出ないと目視は出来ないだろうが

ギガストロルの豪腕の傷口付近には平穏があった。

まぁ、またすぐにでも菌が湧き出すだろうが…


ヤコはフワフワと空中を舞い上がると近くの

木の葉へと降り立つ。微生物がいたが槍腕により

瞬殺したヤコは下方のギガストロルを見る。


茂みからそいつ等は現れる。


アーミーウルフ……別名軍狼、過酷な環境に

生息する魔狼。名前の通り自身達特有の

通信魔法等、多彩な魔法を操り獲物を

追い詰め捕食する。固体のランクはそれほど

高くはないが群れのランクは最低でも

Aランクにあたる。


ランクBBB



アーミーウルフ…固体ランクBBBってことは

群れの最低ランクAでしょう?どれくらい強い

群れなのでしょう……



見る見るうちにギガストロルはその遺体を

消していった、数秒後には遺体のあった場所は

綺麗な地面があるだけになっていた。

数にして数十はいた群れにより食い散らかされた

のだ。アーミーウルフ達は茂みをガサガサと

鳴らしながらその姿を林の中へと消したのだ。



「うわぁ、死体の匂い嗅ぎつけてハイエナみたい

なのが来たと思えば凄い危険なのが来ましたよ…」


せいぜい来るのでBランクくらいだろうと

タカをくくっていたヤコは悪い方面で予想が

外れて青い顔をしながら戦慄している。


そして数ヶ月後、自身がいた場所の

危険度に生きててマジ奇跡と安堵するのだが

それはまた先の話し。


ヤコは改めて葉の上にて一息吐きながら

自身のステータスへと意識を向けた。





名前-ヤコ

種族-ミラト風邪菌


称号-同胞喰らい,雑菌魂,


スキル-鑑定,解析,細胞変化Ⅱ,憑依,増殖Ⅰ

蝕みⅠ


《ステージアップ》可能




どうやら、ステージアップが可能みたいです

ね。スキルレベルが上がって無いのはまだまだ

熟練度が足りないからでしょう、と言うのも

どうやらこの世界では進化・称号・スキルを

上げたり増やしたりするのにどれも一つ一つが

異なる経験値が必要となるみたいです。


例えば、称号。これはある程度の行いをすると

それに応じて与えられるみたいで、所謂行動

が必要になります。


次にスキル、これも称号と同じく行動何かで

身につくものもあれば種族の体質によるものも

あるみたいで、経験値によって手に入るモノが

多いとされるみたいです。


で、最後にステージアップ、長いのでステアップ

と私は略してますが、このステアップがかなり

曲者で、普通RPGみたいなゲームだったり、

育成ゲームだったりすると戦うことによって

戦闘の経験値を獲て、ある程度貯まるとレベルが

上がって一定にでもなれば進化をするみたいな

モノが普通です。


ただ、この世界では生物の進化=経験値、ではなく

進化=生命エネルギー、即ち生物を殺すことで

獲られる魂を取り込み貯めることで上がっていく

みたいです。


早い話が沢山殺して進化をしましょう、と、かなり

物騒な法則が働いているんですね、コレが…


しかも、生物によって持っているエネルギー値も

違うらしく、かと言って強い生物ほど値も高い

訳では無いようです。


先生方曰く、この生命エネルギーは魂の強度

何かによって決まるらしく、一般人の中にも

それなりに強い値もいるようなのです。


話しが脱線しましたが、どうやら運よく

さっき倒した菌群の中に値が強いのがいたみたいで

運よくステアップに漕げつけた訳です。



《負精体》《ミラトアメーバ》《魔素》

《魔細菌》《ミラト酵母》


ふむ、今回は5つですか、て言うかミラトアメーバ

って前にもありましたよね?風邪菌とアメーバ

の繋がりって何でしょうか一体……菌についてなんて

勉強したこと無かったから全く知識皆無ですし。


まぁ、深く考えても仕方ないですよね、

異世界だからってことで!それで後は、

酵母はあれですよねパンとかに使う、イーマ菌?

イート菌?まぁ、いいですとりあえずボツで。


候補はこのよくわからない3つですね。


〝《負精体》……闇精霊が発生させる残香。

早い話が闇精霊の垢。一応良質な魔素のため

闇魔法を術者が放つ際に外から取り込まれる

魔力エネルギーである〟


却下!詰んじゃいます人生ならぬ菌生!?

近くに魔法使う人いたらエネルギーにされちゃい

ますよ!?却下却下、次です。


〝《魔素》……名前の通り空間に浮遊する魔力の

粒子。魔術師や魔法を扱う者が取り込む

エネルギー。魔素が濃い場所だと魔力に抵抗

のない人であれば取り込みすぎで

魔素中毒になる恐れがある。〟


あぁ、前者の劣化版ですねようは…却下、

ラストですがまともなやつであって下さい。

(菌の時点であまりまともではないが……)


〝《魔細菌》……魔力と生命力を餌にする菌。

宿主に取り付いたり魔素の濃い場所で

産まれる。普通の菌とは違い大気中の

魔素を吸収したり前来の菌のように生物に

取り付きながら成長したりする。

ミラトリアに存在する危険な病気は大概

ここから発生するため、感染しないように

注意が必要である。〟


おっ、おうふ。ラストで当たりきましたよ!

いいじゃないですか!とりあえず吸収されても

何とか生きれそうな感じですし、多分派生すると

確実に病気系もしくは精霊系になれるかもしれない

希望が出てきましたよ。では!



ヤコの身体がピカっと発光する、菌故に目には見えないのだが彼女は進化したのだ、見えないが。





名前-ヤコ

種族-魔細菌


称号-同胞喰らい,雑菌魂,名も無き菌


スキル-鑑定,解析,細胞変化Ⅱ,憑依,菌増殖Ⅱ

蝕みⅠ,熱耐性Ⅰ,毒魔法Ⅰ,魔力感知Ⅰ



〝《菌増殖Ⅱ》……増殖と違い自身の体積を任意で

分けずとも勝手に増殖していく菌特有の

スキル。任意で止めることも出来、作る

コピーは自身と全く同じスペックを要す

尚、主導権は本体に既存するもの。


〝《熱耐性Ⅰ》……熱さに対する耐性値を上げる

レベルに応じて耐性値に変動有り。〟


〝《毒魔法》……毒を扱う魔法。レベルがⅠなのは

初級と言うことでありレベルが上がること

で使える魔法と魔力のコストも変わる。

主に対象に対してバッドステータスを

付与する系統の魔法。〟


〝《魔力感知Ⅰ》……魔力を感知するスキル。

魔力を識別することで索敵にも使えたり

する。レベルによって感知する範囲も

広がる。〟



菌増殖Ⅱに熱耐性Ⅰ,毒魔法Ⅰに魔力感知Ⅰと

きましたか。何とも豪華なラインナップですね。

熱耐性Ⅰは助かります。今までも移動の際に一番

怖かったのは炎を扱う魔物何かの存在です。

炎とかは菌の天敵に近いものですから、熱消毒

なんてされたらたまったもんじゃないです。


で、菌増殖Ⅱ…これは凄いですね、今とりあえず

増やすに意識を向けているのですがゆっくりと

ですが私と瓜二つの分身が既に数体出来ています。


まぁ、大きさ2分の1くらいちっさいですけど…


これはアレですか、所謂増やせる分身は

所謂、餌となるモノ…つまり私がさっきみたいに

食事していたトロル遺体の上の様な環境があって

こそ使えるスキルみたいですね。


現に、今、増殖していったヤコピー(・・・・)

は小さいままで餌をみつけようとうろうろしてるし

10体程で私の増殖速度ががっくりと落ちたと同時に

何か自分の体力も無くなっていくみたいな……


いけないいけない、とりあえずOFF、OFF。


では、最後は異世界の醍醐味みたいなこの

毒魔法Ⅰと魔力感知ですね。


説明には魔法を使うには魔力を外から取り込む

と出ていましたが、とりあえず魔力がよくわからないので魔力感知Ⅰ使って見ましょう、エイッ!




うプッ……おy



~少々お待ちください~




ふぅ、ふぅ、落ち着きました。とりあえず

何があったか。魔力感知を使った私は周りの

魔力を感知する事に成功しました、が、なんというか感覚的に魔力を感知するとこう、頭の中がフワフワする感覚がしました。


何が言いたいかと言うと酔いました。


まぁ、とりあえず魔力がどんな感じなのかは

確認出来たのでさっそく魔法いってみたいと

思います。でも、私がこの大きさで魔法使ったら

そんなに大したことないのでは?


そんなことを考えながら私は自身の中にある

魔力を感じながら、毒魔法Ⅰを使うイメージを

脳内に浮かべます。


えっ?使い方分かるのか?問題ないです、

あのクラスで唯一、陰ながら助けてくれた

男子の友人がこの手の話しが大好きだったみたいな

ので色々とレクチャーしてもらいました。


つまりところ、使いたい魔法を念じながら

魔力を通す、で、頭に浮かんできた呪文を

直感的に唱えることで大概発動するみたいです。



「〝ポイズン〟!!」


私の口から発せられた言葉を始動として

私の眼前に超巨大な(菌のためでかく見える)

魔法陣と呼ばれるものが発生すると、そこから

紫色のドロッとした液体が玉となり飛んだ。


私は思わずガッツポーズ(相変わらず槍腕だが)

して喜びに震えた。


あぁ、菌に転生して早10年(そんなに経ってない)

辛く苦しい道のり(基本安全重視)だったが初めて

異世界来て良かったって噛み締めた瞬間かも

しれない。


今日から私も、魔法使い《ヤコ》になれたの

ですn「おい、誰だいきなりゲロぶつけたヤツ」



浮かれるヤコの思考を遮ったのは

木の下にちょうど訪れていた、明らかに

強そうで、尚且つ威圧感たっぷりのブチギレした

一匹の土竜(どりゅう)であった。


ヤコ、異世界初ピンチ。



菌についてある程度勉強しましたが

色々と違うよと思うところがあると思いますが

そこは異世界だからで納得してください。

_○/|_ 土下座

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