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~最底辺が歩む転生譚~  作者: 月兎
1/5

0話:転生前のアレコレ

つ《初投稿》


-バシャァァ!!


とある高校のとある女子トイレでとある1人の

女生徒がとある三人組の同級生の女生徒にバケツに

入った水を頭からかけられていた。


文章にすればただそれだけ、所謂どこにでもある話し…


三人組の生徒は水浸しにされトイレの床に無言で座り…いや

へたりこんで動かない女生徒にもう興味は無いとばかりに

トイレを去っていった。


「……いけない…片付けなきゃ。授業に遅れる」


水浸しにされた女生徒、〝患 病子(わずらい やこ)〟は

びしょびしょに水を吸い込み滴り落ちる髪を横に掻き分け

ながら立ち上がるとバケツを掃除用具入れへと片付ける。


そのまま洗面台まで行くと中身をぶちまけられ

ぐしゃぐしゃに踏まれた自身の学生鞄を拾い

中に入れてあったタオルで髪や濡れている部分を

拭きあげると前髪で顔を隠しトイレを後にした。



これが、彼女の一日の始まりだ……





~~〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「それでは皆さんおはようございます」



教壇では担任の女教師がクラス全体に挨拶をする

返ってくる返事は様々だが日常的一般的な学生の

ホームルームだろう。


但し、1点を除けばだが……


教室左端最奥、机には既に表面等が見えないくらい

罵詈雑言の文字列が記されその一角にだけ大量の

ゴミが置かれている、座るはずの椅子は無く

初見が見たら頭に疑問符を浮かべてしまう程の惨状である。


たが、誰1人としてこの場の生徒、ましてや教師は

一切口を出す事はなくホームルームは進められる。


むしろ、その席に向って自身で今しがた出したゴミを

自然に投げるくらいである。


その席に座る…否、立っている病子にゴミが当たるが

皆なんとも口を出すものはいなかった。


「さて、皆さんも知っての通りもうすぐ

修学旅行ですが、皆さんお小遣い何かはちゃんと貯めてる?」


「先生!普通は旅行の準備してるかじゃないですか?」


教師の言った事に軽くチャチャで返せば

クラスは笑いに包まれる。


「アハハ…まぁそこは愛嬌よ光治くん」


「先生…貴女、愛嬌とかあったけ?」


またもやチャチャで返す彼の言葉にクラス全体が

笑いに包まれる。〝光治昌福(みつはるまさとみ)〟このクラス

の学級委員であり、ムードメーカーでもある彼。

さらには家は金持ちと言う絵に書いた様な生徒だ。



「光治くん酷いわよー……」


「先生ー、光治くんに甘えた声出してもダメですよ

さっさと先に話し進めて下さいよー」


そんな掛け合いに横槍を入れたのは

金原京香(かなはらきょうか)〟先程女子トイレで

虐めていた1人であった。


京香のその一言にムッとしながら話しを切り替える

教師は腹いせなのか手元に置かれていた消しゴムを

病子に向って投げれば、病子に当たったや否やガッツポーズ

をした、そんな光景を目にする生徒達からは物を大切にや

ナイスシュー等の軽口が所々に上がるのだ。


狂っている、しかしこの場ではこれが当たり前の

出来事として成立してしまっている。


病子は孤児院出身であり父母ともに幼い病子を

産むやいなや失踪、その後孤児院にて育てられた

病子はこの公立進学校に特待生枠の成績で推薦入学

を果たした。


しかし待っていたのは位意識の高い金持ちのボンボン

ばかりのイジメであった。


この進学校は金持ちの、今で言う華族達などが

数多く通うためそういった生徒が大半を占める。


故に、家柄も財力も持たない病子は格好の獲物

だったというわけだ。


更には、金持ち達の集まる学校というだけあり、

そんなイジメの証拠を持っていこうが容易く

握り潰されるのがオチだった。


「(大丈夫だよ……私……頑張れ……)」


皆が話しをする中、病子はただひたすら

自分の心に語りかける、自身の心が壊れないためにも。


それ故に周りから聞こえた声に気付くまで病子は

クラス全体に起こっている状況に気づかなかった。


「なっ、なんだ!?身体が動かない!?」


「ちょっと!?なんで!」


周りのこの人達は一体何を言ってるのだろう、

そう思いながら目線のみで周りを見渡す病子も

驚愕する、確かに自身の身体がピクリとも動かせないのだ。


そして、クラス全体が混乱と喧騒に包まれる中、

クラス全体を眩い光の爆弾が爆発した…………














〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



うっ、うーん………此処は一体?


そんな思考とともに私の意識は浮上した

目をゆっくりと開けば辺りに広がる光景は凄く

幻想的だった、天井床、全てが水晶に包まれたこの

空間は言葉に表せないくらいのものだ。


状況を確認も兼ねて辺りを見渡せば自クラスの

生徒が全員いて既に数名は頭を抱えながらだが

起き始めていた。



数分後、全員が起きた後話し合いは始まった。


此処は一体どこだ? さっきの金縛りと光は?


帰れるのか? そもそも日本なのか?



などなど、話しは解決など見せるはずもない、

こんな時は冷静に辺りを見渡し尚且つ慌てず行動する

慌てふためき我欲優先の彼等にそんなこと無理に決まってる

まぁ、私が口を出しても返ってくるのは鳩尾パンチくらい

だろうから地蔵のように隅の方で固まっていることにする。



『良くぞ来た、異界の勇者の子らよ!』


と、私がクール地蔵ライフに入ろうとしたら

それはそれは神々しく、まるで自身を誇示するかのような

仰々しい羽を広げながら女神と名乗るこの事件の主犯が

現れ私達を呼び出(誘拐)した経緯を話し出した。


曰く、私達を呼び出したのは自身の世界を救って

欲しいとのこと、曰く、女神(仮称)の話しだと

この世界には自身を信仰する女神派と、

自身こそが最強と唱える魔王派が存在しており

対立し合っている、そしてその魔王を倒すために

勇者である私達を呼んだみたいな。


とりあえず、ありがちな異世界召喚とかだよね…コレ。


っていうかあの馬鹿共(誠に遺憾ながら同級生)は勝手に

OKしてるし、なぁにが〝俺に任せろ〟だ…


なになに、この用意された職業から選ぶと、

用意されたのは21、クラス人数+教師ねぇ……




・勇者・聖剣士・魔術師・吟遊詩人・錬金術師

・召喚術師・騎士・魔法剣士・武術家・軍略師

・回復術師・薬師・呪術士・鍛冶師・神官・旅芸人

・服飾家・細工師・賢者・菌







うわぁ、とりあえずファンタジー王道の

ものばかりだ……そして一番下の何?



・菌



菌っていうと……あの菌だよね…。


あっ、やっぱりあっちも困ってる入れた覚えのないもの

だったみたいだけど、へぇ、変更は不可と……




そして、私はすぐさま端に見えていた出口らしき

入口へと走った、足とかボロボロだったけど

絶対にこれだけは不味い。


しかし待っていたのは非常な残酷。

クラス全体の奴らに捕まえられて石版の前に

連れていかれる私……



嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ



暴れる、とにかく菌だけはだめだ。

人間ですら無くなるのは嫌だ、絶対嫌だ!!


しかしこの馬鹿どもはあろう事か

私に向って全員が全員、本気で蹴り殴りを

行った。


砕ける骨の痛みに絶叫する暇もなく顔面に蹴りが

入れられる、ふざけるな私だって女だぞ……


力ない、というよりも既にバキバキに骨を折られた

私の指は自身の意志とは関係なく無理やり菌の項目に

当てられた。










私の人生が終了を告げた瞬間だった…………








一週間投稿を目標とします!

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