ラジオ『ミヨシ・クラウン!』〜イベントの反省会〜
〈オープニング『chain』〉
「こんばんは! いつも貴女の側にいるから、たまに構って欲しいミロクです!」
「寂しいって言ってよ。甘えてくれてもいいヨイチと」
「お前のものは俺のもの。俺のものは……お前だけでいい。シジュだ」
「三人合わせて……」
「「「『344(ミヨシ)』です!! よろしくお願いします!!」
「いやぁ、きたね。シジュの横暴っぷりが」
「なんで俺だけ、どっかのガキ大将みたいなこと言わされんだよ」
「この前、俺に向かって『ミロクのくせに生意気だ』とか言うからですよ。天罰です」
「だって生意気だろ?」
「うーん、ミロク君は生意気じゃないよ。天然だよ」
「なんかどっちもイヤです……」
「さてさて、落ち込んだミロク君をさらに落ち込ませる、先日のイベントの反省会が今日のテーマだね」
「この前の『着物イベント』か?」
「うわぁぁぁ……っ!!」
「意図せず飛ばしちゃったからねぇ、ミロク君は」
「意図せず飛ばしたなぁ」
「本当にすみません!! ごめんなさい!! 二度とやらないとは言えませんが、またやったらごめんなさい!!」
「ははは、変なところで正直だよね。ミロク君は」
「まぁ、あれはあれでパフォーマンスとして、お客さんからは喜ばれたな」
「そうそう、視聴者の方で知らない人がいるかもしれないから説明するね。先日横浜で開催された老舗呉服店主催のイベントに、僕らも呼ばれたんだ」
「和楽器とダンスのチーム『カンナカムイ』と共演したんだぜ」
「その時に着物の衣装で、小道具の扇子を使ったダンスをしたんですけど、客席に飛ばしちゃったんです……うう……不覚をとりました!!」
「まぁ、練習不足ってのもあったからな。しゃーない」
「そこで、ミロク君のミスのフォローとして、僕らの持ってた扇子も客席に飛ばしたんだよね。意図して」
「おう。意図した」
「うう……」
「責めてるわけじゃねぇぞ。今回は色々試したくて、直前に振り付け変えたりしたからな。我ながら鬼畜だと思ったけど、案外ついてきてくれたから嬉しかったぞ」
「僕はシャイニーズ時代にそういう急な振り付け変更とか慣れているからね。よくミロク君がついてこれたなって感心してたんだよ」
「うう、シジュさん、ヨイチさん……優しい……」
「でもミスはミスだからな」
「シジュさんの鬼!!」
「いったんCMだよー」
〈CM〉
「さてさて、今日はイベントの反省会というテーマでお送りしているよー」
「まだ反省することがあるんですか?」
「もうねーだろ?」
「何言ってるんだいシジュ。着物イベントに関して事務所あてに喜びの声だけどクレームっていう、複雑な訴えが多数寄せられたんだよ」
「喜びのクレームですか?」
「何でだ?」
「何でって、シジュが脱げって指示を出したからでしょ。嬉々として脱いだ僕も同罪だけどね」
「鍛え上げた筋肉を見せつけてましたね! ヨイチさん!」
「まったく、筋肉つけんなって言ったのに」
「シジュは最近増やしているよね。筋肉」
「ちょっとなー。バランス悪くなってきたから」
「筋肉談義は後日にして、クレームの内容って何ですか? 脱いだからハレンチだーとかですか?」
「ハレンチって……まぁ、それに近いかもね。あの時の映像は無いのか、画像とか残ってないのかって」
「一応記録はとってんだろ。サイバーチームが」
「そうだね。プロに近いクオリティの映像とか残っているよ」
「え? そうなんですか? 今までやってきた営業とかイベントとかも?」
「どこで必要になるか分からないからね。こういうのはしっかりと残しておかないと」
「ミロクのうっかり扇子飛ばしも残ってるってことだ」
「やめてくださいぃぃぃぃ……」
「まぁ、今回のは少し実験的なパフォーマンスだったからね。『カンナカムイ』の協力に感謝だよ」
「実験ってなんだ?」
「半裸ですか?」
「それはまだ秘密、だよ」
「うわ、悪い笑顔だなおい。つか半裸の実験って何なんだよミロク」
「ファンの人たちに、笑って許されるボーダーラインの確立とかですよ」
「今回は笑うよりも貧血になったり、のぼせた人とかがいたらしいから大丈夫だったか心配だよ」
「会場内、暑かったですからね。倒れた方とか大丈夫でしょうか、心配です」
「いや、そうじゃねーだろ……」
「やっぱりミロク君は天然だね!」
「何でですか!」
「そういや、久しぶりに三人のモデルの仕事をするんだよな。ヨイチのオッサン、社長業は平気なのか?」
「何とか落ち着いてきたよ。補佐してくれる人も増えるし、本格的に『344(ミヨシ)』を売り出していきたいからね」
「今までの本格的じゃなかったんですか?」
「マジか。今まで以上に仕事も増えるのか?」
「増えた方がいいでしょ。売れないオッサンアイドルなんて、シャレにならないよ?」
「しゃーねーな」
「頑張りましょう!」
「ではでは皆さん、ご一緒に……せーの!」
「「「『344ミヨシ』でした! また次回!」」」
〈エンディング 『ワルツ』ピアノバージョン〉
お読みいただき、ありがとうございます!
セブンさんの特典については、問い合わせ中ですのでしばらくお待ちください。
色々とご心配おかけしています。
そして書籍版をご購入していただき、本当にありがとうございます。
これからも頑張ります!!