表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

スィート ジェミニー

賢二は、続けた。


「すると、何気に青の服の、その人が俺の側に来てな。俺の方から話をすると、気さくに応対してくれて、会話が自然と弾んだ。俺は、そんな中で彼女に魅了されて、オフ会が終わる直前に、連絡先を聞いたんだ。すると、それにも、すんなり応じてくれた。俺は、そのオフ会を去った。しかし、その教えてもらった番号には、結局は、連絡せず、そのままにしてしまったんだ・・」


「どうしてだ?いい感じだったんだろ?何かイレギュラーか!?」

和明が聞く。

「いや・・、あの時の俺の考えというか、気持ちの問題というか・・。こんな例えは、少し可笑しいかもしれないが、昔、俺は、あるカードゲームをしていて、そのカードをコレクションしていた。そういったカードには、必ずレアなカードがあってさ。それが一枚、手に入るとスゴく喜んだものさ。それが、たまたま、もう一枚、同じレアなカードが手に入ったとする。それは、本来、スゴく喜ばしいことなんだが、なんだか、2枚が手に入ったことによって、レアな感じが薄まるんだよ。うまく伝わらないかもしれないが、自分の中の価値が下がるのさ。実際は、そのカードの価値は下がらないのに。話を戻すと、俺は、そのヒトが双子であり、同じような人間が、もう一人いるという感覚、そして、あまりにもスムーズに連絡先が交換できたことに、その出逢いの素晴らしさ、その人の美しさ、その人と俺の相性も決して悪くないことを、曇らせてしまったんだよ・・。俺が考えが浅いこと、世間知らないこと、そんな出逢いは、そうはないことを分からなかったことが、今更ながら悔やまれてさ。一人で最近、それを考えていたんだ。そしたら・・」


「さっきの彼女が、目に入ってさ!その時の双子の青い方だと思ったのさ!」


「マジかよ?さっきの彼女がか?」


和明は、興奮して聞いていた。


賢二は、答えた。


「いや、それがさ、結論から言うと、赤い服を着ていた方だったんだよ。彼女に、3、4年前に、そのオフ会に参加したか、と聞いたら、それは、あると答えたが、俺のことは、一切、記憶にないと・・・。俺は、その時、話した内容を伝えたが、どれに関しても、首をかしげていた・・。」


和明は、まだ興奮して聞いていた。そして言う。

「つまり、賢二が最近、テレビとかを見ていて、双子のタレントが気になっている原因は、そのオフ会で見た双子の女性の影響があり、そのうち、お前と楽しく過ごした方を最近、思い出し、それが、さっき見かけた彼女だと思ったが、その彼女は、双子の赤い服を着ていた方、つまり、お前とは無縁だった人だったと!」

「ザッツ ライト!その通りだ!分かりづらい話だろ・・」


賢二は、また遠い目をして、言った。


和明は、まだテンション高く言う。


「いや、賢二!お前、さっき、よく、あのヒトに声かけに行ったよ!お前が、動かなかったら、何も分からない話だろ!それに、これは、御前の願いというか、何かが、今の彼女との出会いを導いてくれたんじゃないのか?お前が、もし、また今の彼女と再会したら、『あの商店街で、以前、声かけた者ですが・・・』と、言えばいいし、もし、青い方と再会したら、もう一度、オフ会で話したことを覚えているか、聞けばいいじゃんか!!」


賢二は、タメ息をついて言った。


「はーっ、お前、そんな世の中が、うまくいくように思ってんのか?・・」




「それでも、世界は出会いの奇跡に溢れている・・きっと、そうさ!」


和明は、そう言って車のエンジンをかけた。


ざわめく、商店街を颯爽と車は駆け抜けて行く。


(終わり)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ