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【恩人だと認めたくない】


もうだめだ…!


ちょっと待ってなんか走馬灯っぽいものが見えてきたんだが。


俺の可愛くもない妹。いっつもツンツンしてやがったな。

優しい母さん。俺の好物をよく作ってくれたよな。妹が酷いから家での癒しは母さんだったよ(マザコンとか言うなよ)。

厳しいけど我儘をかなえてくれた父さん。…なんかこの言い方だと父さんがツンデレみたいだな。…やめよ。

学校の友達、一緒にバカ騒ぎしたよな。たしか今度先生のチョーク全部へし折って使えなくして授業の進行を妨げようぜって話もしたっけな。花火で火事起こしそうになったのはスリルがあった…っていうかガチで怖かったよな。

そういえばみんなでゲームもよくしたよな。オンラインゲーム。あれ楽しかった。みんなでボスを協力プレイで倒したときの達成感ってテストで平均点上回った時より嬉しかった。


…俺の人生もなかなか捨てたもんじゃないよな。


みんな。また、さ。生まれ変わったら会いたいよな。



――さようなら。











「バッカ!!アンタ死にたいわけ!?」



なんか強気っぽい女の子の声がした。


目を開けてみると…うわっ、眩しい。目を瞑ってたから太陽の直射日光が眩しい!!

いや、そんなことより声の主を見なければ。


目の前には赤みのかかった髪のポニーテール女子が立っていた。黒いリボンで結んでいて黒白の大人っぽい服だ。特に下は真っ黒のミニでもう少しでパンツが…いやいや、いかん。何を考えているんだ。俺は。


とりあえず深呼吸だな。よし。



「ちょ、アンタ何もたもたしてんの!?また襲われたいの!?Mなの!?」

「失礼だな!初対面の人にそういうこと言うとかどんな神経してんだ!」

「五月蠅いわね!命の恩人でしょう?助けてやったのに意味わかんない!」

「え?」



後ろを見るとさきほどのモンスターが仰向けになって倒れている。

…え?まさか、こいつがやったとか?ありえない。だって女の子だぜ?いくら強気であろうと…なぁ。俺より背小さいし…ついでに言うと胸も小さ…ゲフンゲフン。



「ほら、ここを離れるよ。この仲間がかたき討ちに来るかもしれないし、他のモンスターだっているかもしれない。とりあえず、町に行くよ。」

「…は?町?こんな大自然の中に、町?」

「なんかデジャヴを感じる返し方ね。アンタも知らないうちにここに居たって感じなのね。」

「何言ってんだよ、お前」

「お前とか言われたくないわね。ホント。アンタ、名前は?」

「…啓太。」

「誰が名前を言えと言った!?苗字よ、みょ・う・じ!」

「名前でわかるか!柏木ですけど!?」

「かしわぎ、柏木ね。私は桜木。なんか響きが似てるのが不服。…やっぱ名前で呼んで。美帆。」

「…桜木美帆、か。オッケー。美帆、よろしくな。」

「なによ。そのいかにもこれから仲間になりますみたいな言い方。」

「違うのかよ」

「少なくとも私は町につくまでだと思ってるわ。」

「冷たい奴」

「冷たい人で申し訳ないわね。」



そういうとプイッと振り返ってスタスタと歩き出した。


…なんか前からじゃ気付かなかったがこいつ、後ろに槍を背負っているんだが。なにあれこわい。



「…お前、なんでそんな槍持ってんだよ。」

「何言ってんの。モンスターにやられるばっかでどうすんの。戦うためでしょ。」

「いや、お前のはでかい」

「うるさいわね。アンタだって弓持ってんじゃない。」

「は?」

「まさか…気付かなかったの!?あきれた…」

「しょうがねぇだろ!気づいたらモンスターとご対面していたんだから。」

「それは災難でしたね」

「棒読みだなぁ。お、服もかっこいい!うわ、白衣とか先生かよ!!でもいいな、これ。」

「はいはい」



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