【ガウッ】
新キャラ登場の予感…
*****
どどどどど…
「…なあに?」
同時刻、啓太のいるところから少し離れたところにある少し大きめのお城にて。
とある少女が地響き…もといモンスターたちの足音を聞いた。
その横ではピアノを弾いていた少女の母親が窓から草原を見ていた。
「また、足音…?」
「最近よく聞くね。この音。」
「そうね、モンスターたちに何かあったのかしら。…もしかして、天変地異の前触れ?…なんて、あるわけないわね。」
その音に疑問を持ちつつ、少女は再開された演奏に耳を傾けたのであった。
*****
「…っ、痛っ…」
はい、普通にこけました。こけました。
あまりにも普通で間抜けであったため特に特筆することもございません。お恥ずかしい。
いや、そんなこと気にしてる場合じゃなかったな。
モンスターがすぐさま追いかけて…
「グルルル…」
「…」
柏木啓太、終了のお知らせ。
「ガウッ!」
「いや、勝手に殺すな!!」
あ、でも本当に死にそうだな。
いつの間に追いつかれていたんだろうか。いや、こけた時だな、うん。
それにしてもモンスターたちに囲まれてるし、俺本当に生き延びる術がないんじゃないか?
あぁ、どうせなら死ぬ前に可愛い彼女がほしかったなぁ…俺。
こんなちっぽけな願いぐらい、叶えておくれよ。神様。なぁ?
そんなくだらない…くだらなくはないはずなのだが、そんなことを考えていたらもうモンスターの手と爪が目と鼻の先じゃないか。
引っかかれるのか、痛そうだな。猫の何倍痛いかな。猫でも十分痛いんだがな。
「ガウッ」
「っ!!」
――来る!