プロローグという名の【ご対面編】
俺は柏木啓太。中学3年生、受験生。好きな教科はダントツで体育。特に好きなのはテニスだ。趣味はゲーム。勉強はある程度はできるが得意でもない。それなりに身長も伸びてきて…まぁ、性欲も人並みにあり、彼女が欲しい年頃である。至って普通のどこにでもいろような男子中学生である。
そう、普通の男子中学生である。普通の。
しかしどうだろうか。目の前に広がるこの世界は。
見渡す限り一面の草原。爽やかな風。異様にきれいな青空。そして――
――モンスターたち。
おかしいだろ?おかしいよな。なんでモンスターなんて架空のものが目の前にいるんだろうなぁ。あ、そうか。これは夢か。なーんだ、ったく心配して損した。よし、じゃあさっさと目を覚まそうぜ。
え?いや、俺もちょっとこの面白そうな世界に居たいんだけどさ、ちょっとさっきからモンスターがこっちに向かって攻撃態勢を整えているから身の危険を感じまくってるんだ。夢とは言え、命は惜しいだろ?それにもしも、ってこともあるしな。そりゃ現実ではないとはいえ怖いものは怖い。じゃあ、この世界からさっさと引き上げるか。
俺は目を閉じて右頬をこれでもか、というくらいつねった。
あー痛い。これは痛い。まぁ、これで夢なら覚めるだろ。
おそるおそる目を開くと目の前にはちょーっとだけ怖いモンスターの顔。
ちょ、ちょーっとだけだからね?ちょっとだけだから!!
あれ?なんでモンスターさん達がいらっしゃるのであろうか。
…あ、そうか。
これ夢じゃねぇな。
そう自覚した瞬間、モンスターたちは息をそろえてこちらへと突進してきた。
わー‘どどどどど’って足音うるさいなー。これが地響きというものか。成程、俺はまた一つ賢くなったようだ。
「ふっざけんなぁあああああああああああああああああっ!!!」
全くだ。