戦艦アブソリュート
続編書いてみました。
格納庫はかなり広かった。というよりは戦艦自体が大きいのだから当然といえば当然である。
待機メンバーの機体も勿論格納されており、とても色鮮やかだった。
整備士の人に軽く挨拶をしていると、紅い髪に紅い瞳を持つ少女がこちらに駆けてきた。
「あんたね?さっきのパイロット」
「そ、そうだけど」
「へぇー…(思ったよりカッコイいじゃない)私がカノンよ」
「よろしく頼むよ」「こちらこそよ。あ、忘れてたわ。メンバーが待ってるから、私に付いて来て。ブリッジまで案内するわ」
――なんか違和感がある…さっきのカノンってこんな口調だったっけ?
―戦艦アブソリュート内ブリッジ―
迷路のような廊下を通り、ようやく俺達はブリッジについた。
中には艦長という腕章をつけた長身に紫の髪を腰まで伸ばした少女と、片方の目に眼帯をした緑色の髪を持つ少女。さらには青い髪に軍服を纏った少女。ブロンドの髪に青色の瞳の人形のような少女が……待ちくたびれていた。メンバーのカラフルさに目を奪われていると、各々の自己紹介がはじまった。紫の髪の少女がクリス。口調といい、見た目といいとてもおっとりとした性格の人だった。とても同年代だとは思えない。それから緑の髪の少女は名前をミント・ラドアーゼといって、性格は…かなり落ち着いてるようだ。
青い髪の少女は俺と同じ日本人だった。名前は伊集院沙耶というらしい。軍服を着ている理由は、彼女がもともと新政府直属の治安維持部隊に所属していたからだそうだ。ちなみに当時の階級は少佐らしい。ツンツンしてそうな性格だった。
最後のブロンドの少女は…地球出身では無いらしい。海王星の反帝国軍からやってきたそうだ。しかし、見た目は地球人となんら変わりはなかった。名前は、シオン・ヴィ・ネプチューンというらしい。
俺も軽い自己紹介をした後、ゆっくりできるのかと思っていたら、メンバーからの質問責めにあった。「お友達はみんな助けられませんでしたの?」とクリス。「私達も出撃するべきだったのでは?」とミント。沙耶は「アナタは初めてなのに、RAを使いこなせたの?」
一通り答え終わった後で、シオンが「アナタに不思議な力を感じる…きっと地球を救えるわ」と意味深な発言をしたけれど、俺には何のことやらさっぱりだった。
ミーティングの終了後は、日も落ちてすっかり暗くなってしまったが、甲板に出て一人クラスメイト達の冥福を祈りつつ、これから起こる戦争に不安を募らせていた。
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