ゲーム実況を始めたい!and来訪者
『と、いうわけなんだ!ごめん香蓮!』パンっと手のひらを合わせ頭を下げる
『そうなんですか…まだ高一なのに勉強熱心なんですね』
『敬語禁止敬語禁止』
『あっそうか、でも今まで毎晩のように電話してた分、急になくなると寂しい(タメ口慣れないな)』
『そこでなんだがさあ、朝も一緒に通わないか?いつも別れてるあのY字路で待ち合わせして』
『それなら、通学の15分間も話せるし』
『それいいね!誘ってくれるなんて意外!その調子でバンバン誘ってくれると嬉しい、いつも私からだったから』
そういやそうだったか、たまにはリードもしなくちゃな
『うーんじゃあ部長も誘っとこっか』
あんなに地味だと思っていた香蓮だが、バイタリティは人並み以上のようだ
『…でも、呼び捨てはいいけど、私の敬語は距離感を表すものじゃないよ』
『みんなに敬語だからあった方が話しやすい。そのくらいのバランスじゃダメ?』
まあその場のノリで決めたことだから、そう話したいと言うのなら仕方ないか
『いいよ、じゃあ俺も立花に戻した方が話しやすいんだが…』
『そこは香蓮でいいんですよ香蓮で、ねぇ聡介』
うっ、そのタメ口と敬語のバランスいいな!
____
______
『と言うわけで部長も集まりましょ』
『ああ、構わないぞ、部員との交流が進み願ったり叶ったりだ』
部長は先輩だし、少し聞いておきたい
『部長はどのくらい勉強に打ち込んできたんですか?将来の夢とかあったりします?』
『私も気になります!私は付属の旭大に内部推薦で行くつもりなんですけど』
そうだったんだ、同じ特進クラスなのに、教員の勧めにしたがって国公立目指したりしないんだ
『私は大阪の準中堅私大を目指してる。先生は地元の国公立をやたら勧めるが、実際入るには相当勉強ができないとダメだぞ』
そうなんだ、模試の偏差値的にはオレはいけそうなんだけどな
『2年時から急に難しくなるからな、しかもゲーム部の実績もあまりないし、指定校も難しい』
『私は大阪に出てゲーム実況とかをしながら事務職に就くのが夢だな』
ん!?今めっちゃ興味あるワードが出てきたんですけど!
『ねぇ部長、僕たちも始めてみませんか?』『ん?』
_____
________
『ゲーム実況ねぇ』顧問の小林にかけ合ってみる
『そうです!僕らゲーム部でチームを組んで、動画投稿や生配信をするんです!』
我ながらいい発想だぞ
『うーん…どうだろうなぁ、朝高の名前を出さないならいいかもしれんが…』
なるほど、炎上や身バレリスクを考えると仕方ないか
『とにかく職員会議にかけてみるよ、ただPCはどうするんだ?この部室には一台しかないが』
『視聴覚室のパソコンとかじゃダメですか?』
『うーん、部室2ヶ所は前代未聞だし、少し古いぞ?』
なるほど、一筋縄では行かなそうだ
『毎回配信するわけじゃないんっしょ?なら一台でもいいんじゃない?』瑞稀が話す
『ウチは恥ずかしいから、パスかなー』
『まあそう言わずに、何事も挑戦だぞ』
『接続端子は私が持ってるから、今度持ってくるよ。よくやってるボウル・ザ3Dの配信でもしたらどうだ?』
『何事も挑戦ねぇ…確かにこう言ったきっかけがなけりゃ始めないけどな』
『私と聡介はクラマスを始めたいと思ってるんです。実況と言えばコレですよね!』
クラフトマスター。ブロックを置いて建物を作ったり、冒険に出かけたりできるゲームだ
『今度量販店に買い出しに行きましょうよ、1人800円もあれば買えますから』
-----
--------
わちゃわちゃと話しているうちにある来訪者が現れた
『たのもー!』
バンっと扉を開ける音と、少し高めの透き通るデカい声が部室に響きわたる
『だ、だれ!?』部長は驚くが、オレと香蓮は誰だかわかる
『も、望月さん!?』




