中間テスト終了!
キーンコーンカーンコーン。
『うーん!』
長年の疲れを取るように大きく伸びをする。
テスト、終了!
この調子ならまずまずかな、
と言った手ごたえだった。
まだ高校一年生、中学の時の貯金がある分、
ベンキョーにそこまで時間を割かなくていいのだ。
しかし塾への入塾が決まっていて、
いよいよハピモンアンチのためのスキル習熟
に割ける時間が減ってしまう…と悩んでいた。
『とはいえ・・・』つい独り言が口から出る。
ゲームにのめりこんでも将来は不明瞭だ。
ゲーム実況とか攻略wikiのライターに
就けるという保証もない。
親からは理系を勧められているけど、一番得意なのは日本史なんだけどなぁ・・・。
なーんて考えているうちに、放課後だ!
久々に部活に顔を出せるぞ!
立花とはすっかり仲良くなり一緒に帰宅する仲だし、彼女が誘ったおかげで部長とも帰っている。
こんな進路の話をするのも、
成績だけはまずまずな部長が進路については
早めに考えておけ、と釘を刺してきたからだ。
しかし、個人的にはそんな将来のことよりも、
女の子と仲良くなれたことがめっちゃ嬉しい!
しかも俺の・・・げふん!
嫌いなゲームについて語り合うこともできる!
ぐふふ・・・いつかは俺にも彼女が出来て・・・
と考え事をしながらHRまでの合間に手洗いまで
歩いていると、
『キャッ!』『うわっ!』
すっかり油断していた、廊下の曲がり角で
人とぶつかってしまった。
『す。すみません!』こちらが謝る。
『い、いえこちも前が見えなくてつい・・・』
こんもり積まれたチェック済み課題を持った彼女は
クラス委員の望月さんだった。
(うわエッロぉ・・・)クラス一のふくよかなバストに
大きなお尻をしている彼女は、男ならつい目をやって
しまう太ももを露わにして
尻もちをついていた。
『あっ!僕も半分持ちますよ!』そういって床に散らばった提出物を拾い集める。
最初はとっさの善意からの行動だったが、
振り返ってみるとお近づきになるチャンスでは!?
と、鼻の下が伸びそうになるのを
我慢して平静を装う。
『い、いいですよ西田くんにも用事あるでしょ?
仕事だし気にしないで!』気を使ってくれる
彼女に感謝!
責任感が強い彼女に心打たれ余計に手助け
したくなる。
『気にしないで、大した用事じゃないから。
それよりこんな量の荷物を女子に持たせ
続けるほうが心が痛むよ』
『そ、そう?ありがとう!』
ハキハキとした感謝の声にますます心が晴れやかに
なる。(望月さんマジ天使!)
その後二人で教室まで運ぶと軽く手を振りあい
互いの席に着き、先生が現れた。
『ハイじゃあ帰りのHR日直の高田ヨロシクゥ!』
元ヤンなのかいつもジャージ姿の先生が元気よく(?)
号令の合図をする。
こんなんでも顔だけはいいんだよなぁ、
ちんちくりんだけど。
担任の大山田直子は名前に反して低身長。
テンションと身長のギャップに萌える生徒もいるとか
いないとか。
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『ハイというわけで今日から部活解禁!
ガンガン勤しむように!』ダミ声だがよく通る声で
HRを締めくくる。
じゃあいつもどおり部室に行くか。
(一体どこにいるの、アンチ・ハピラー神!)
クラス委員望月は、荷物をまとめながら悶々としてい
た。
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『おーす、みんな~』部室に入る。
『よっ、聡チャン!私だーれだ!』
後ろから胸まで押し付けて抱き着いてきたのは
佐々木だ。
『なんだよ瑞希?』『おっ、せいかーい』
いい感触でした。ありがとうございます!
『私のこと忘れてたらどうしようかと
不安で不安でな・・・』ヨヨヨと言って見せるが
明らかに嘘泣き、ふざけてるな~さては。
『立花も、よぅ!』『あっ、はい!』
手を掲げハイタッチする。
立花もノリがよくなったもんだ。
ゲーム機を立ち上げハピモンをプレイする。
『いやー高校に入ると忙しくなりそうでな、
アンチ活動もいつまで保つか』
『聡チャンもアンチなんて陰気なことやめて
みんなで明るく話せばいいのに』
うっ、と突かれたくないところを突かれる。
『い、陰気ちゃうわ!』
『なんで関西弁wまー聡チャンのこと分かってる
うちらは良いけど~。勘違いされても知らないよ~』
『わかったよ・・・ほどほどにするって』
『うーん?うん』不思議な返答だ。
佐々木はアホそうに見えて意外と賢い、
参考にしとくか。
『今日は何をするんですか?』立花が問いかける
『今日はゴールド集めとハピモンガチャからの
育成だな』
ハピモンは分岐した各マップ上でしか手に入らない
ハピモンがおり、入手方法はハピモンショップでの
ガチャだ。
アイテム集めなどに備え、
レベル上げもこなしておく必要がある。
『私はレベル上げですかね~。
技も開放しとかなきゃですし』
『おっ立花も対戦デビューか!?』
『はい。もう何度かしていまはBランクです』
なるほどな、リリースされて日が経ってないのに
Bとはやりおる。
『たしか聡介くんはAAランクでしたよね。やっぱりスゴいです!』『いやーそれほどでも?』
『そこは謙遜するとこだろ』茶化していると部長が
丸めた雑誌で頭をコツンと叩きツッコミをした。
『あははそうですよ~w聡介くん~』部室内は笑顔で満たされていた。
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カタカタカタ『ハピラー神アンチスレPart2 オワコ
ン』
カタカタカタ『結局リヴァースも神ゲー評価じゃん、
逆張りばかりのしょーもないやつだ』
カタカタカタ・・・