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冷たい息吹2ー1


 その日以来心霊体験? をすることもなく、撮影は順調に進んでいきました。

 

 撮影隊と一括りに言っても、様々な種類があります。報道、バラエティ、ドラマ、映画、CM、MVなどなど、私は主に映画とドラマを主軸に活動しています。

 今回は映画ですが、映画でも規模によって大きく異なります。学生の自主制作があったり、人気俳優を主演にした大規模の作品もあります。

 今回のは低予算の作品で、シネコンではまず上映されないし、単館の映画館で短い期間だけ上映されるような規模です。

 そういっても、スタッフの人数はそこそこいました。30人前後でしょうか。

 それくらいの人数がいると1人や2人は霊感のある人がいたりするものなのです。ましてや今回の作品のジャンルはホラーです。普段はオカルト話をしない人でも、怖い話しに花が咲いたりするものです。


 これは撮影も終盤に差し掛かった時期のお話しです。



 地下一階の廊下の突き当たりの部屋は広い部屋でした。そこに椅子とテーブルを並べ、食堂として使っていました。

 撮影隊の食事は主にお弁当で、肉か魚の2種類が用意され、どちらか一方を選ぶというのが通例です。今回も例に漏れない方針で、食事の時間になると食堂前の廊下にスタッフたちは並ぶのでした。

 

 その食堂前の隣の部屋があることが、スタッフ間で少しだけ話題になっていました。


 その部屋は他の部屋に比べると異様に寒いのです。廊下に並んでいると、その部屋から冷気が漂ってくるのです。

 隣の部屋を食堂として使っているので、本来であれば、多少温かくてもおかしくはないはずです。食堂内は人が多く集まっていますし、それに暖房器具を効かせているので、室内は他の部屋よりも温かくなっています。

 ということは、もしかして、隣の食堂との温度差でそう感じるだけなのかもしれないと考えました。ですが、食堂もそれほど温かいわけではないのです。結局のところ、コンクリート剥き出しの構造だし、おまけに角部屋です。つまり、いくら温めようとしても、高が知れているのです。

 さらに、その部屋はやけに暗く感じるのです。部屋の形は他の部屋と同様なので、窓はあるのですが、昼間でも暗く感じるのです。その部屋は日中でも直射日光が入ることはなかったですし、夜でも月明かりが入ることはありませんでした。

 部屋の前に立っても室内は異様な暗さで、目を凝らさないと窓を見ることすら出来ないのでした。

 

 私はその部屋の前に立つのが何とも怖かったかったのです。しかし、その時ばかりは大人数でいるので、恐怖心は紛らわせていました。



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