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オミナス・ワールド  作者: ひとやま あてる
第3章 第3幕 Apostles in Corruption
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第80話 実験

「……アンドレイもグルか?」


 リヒトは貴族区画に至り、瓦礫の廃墟となった町並みを俯瞰していた。 そんな折、アンドレイの仕業だと断言できる事態が勃発した。 モルテヴァ全土が太い木の根──もはや大木の幹にも等しいそれらに覆われ、日差しが遮られた結果、町はどこも暗黒の世界へと成り果てている。


「《焼夷弾ナパーム・バレット》!」


 リヒトは試しに魔法を打ち込んでみた。 しかし、根は焼き切れるどころか表面を多少焦がす程度に被害を抑えた。


「儂の魔法を弾く、か。 明らかに天候影響が強すぎるのう。 雨を降らしておる輩はかなり力量を持っておるし、上級相当の実力者が複数関わっていることは明白じゃな」


 リヒトはこれ以上は無駄と見て、魔導書の具現化を解いた。 そのまま壊される前の町並みを思い出しつつ、目的の場所へ歩を進める。


「領主は儂らを遠ざけた上でこの状況を狙っておったとは思うが、どうにも思惑通りに進んでいないと見える。 わざわざ町全土をここまで蹂躙する意味はなさそうだしのう」


 とある地点で足を止めたリヒト。


「若には申し訳ないが、こちらの要件を先に処理させてもらおうか。 《溶力ディゾリューション・フォース》」


 リヒトの左手が赤熱し始めた。 雨が振れるたびにジュウジュウと音を立てる様は、さながら熱せられた鉄板のよう。


 各属性に存在する上級魔法──《フォース》。 強度にリソースを全振りしたこの魔法は、触れたあらゆるものに対して防御困難な魔法影響を押し付ける。 近接戦闘において無類の強さを発揮するのはこのような強度の高い魔法で、規模を最小限にすることで効果を高めることができる。


「確かこの辺りのはずじゃが……」


 リヒトは思い当たる場所に手を触れ、瓦礫を熱で溶かしながら撤去してゆく。


 しばらく同様の作業が続いた。


「これじゃな」


 破壊された事務机らしき構造物の下に、金属製の重厚そうな扉が埋められているのが見つかった。 そこにはご丁寧に魔法陣が彫り込まれていたが、リヒトほどの力量であれば《溶力》を以てして破壊も容易だ。


 そこはロドリゲスの執務室に相当する場所。 隠匿すべき何かがあることは明白。


「……厳重じゃのう」


 数十センチの分厚い金属板を溶解させれば、そこには地下へ至る階段が一本。 元々は薄暗い通路だったそれも、今では漆黒が口を広げて不気味さを滲ませている。


「《灯火ランプライト》」


 リヒトは手元に光源を抱えながらと階段を下る。


 コツ、コツ──。


 石段を叩くリヒトの足音は、流れ込んできている雨水を含んだ水音を伴う。


 ゆっくりと永遠にも感じられる降段を雨水とともに続ければ、光源だけでは網羅し切れないほどの大きな空間に出た。


 リヒトは空間内を巡り、複数生み出した光源を各所に配置してゆく。


「なるほど、ここがある種の魔法実験場というわけじゃな」


 階段から接続された広大な四角形の空間には幾つかの扉が設置されており、リヒトが中を覗くと書架や机、物置などが見受けられた。 そこぬ生活感はなく、あくまで作業のために設置された空間ということが伺える。


 中央の大部屋には、壁面から床面、天井に至るまで様々な魔法陣が刻まれている。 誰が見てもまともではない様相を呈しているため、リヒトでさえも本能的な嫌悪感を拭えない。 魔法陣の内容を読むことができたなら、それはさらに増悪していたことだろう。


「こんなものは若には不要じゃな。 立派な為政者たる条件として、このような悍ましい実験の痕跡は毒にしか成り得ない。 さて、どこまで精査して処分できるのやら……」


 ここには文書だけでも相当量が保管されているため、全てを網羅するためには要する時間も膨大なものとなるだろう。 とはいえロドリゲスが禁忌を犯す実験を秘密裏に進めていたのは間違いなく、そのようなものを見逃せるほどリヒトは魔法使いとして狂ってはいない。


「一昔前の魔法は、全ての人類に恩恵を齎す奇跡の産物であった。 いつからこのような邪悪な用途ばかり追求するようになったんじゃろうな……」


 現代は魔法黎明期から中期へ移行する期間にあたる。 長らく魔法の発展が進まず、魔法を恩恵的な方面で発展させようとしていたのが黎明期であり、リヒトが全盛期を誇っていた時期に相当する。


 リヒトら古い時代の人間とされる者たちは魔法の危険性を重々に承知しており、だからこそ時間を掛けてでも丁寧に魔法を研究してきた。 それが今では、足跡の恩恵を得るためと重要な過程が放棄され、恩恵に倍する被害さえ生むようになっている。 その際たるものがコールマジックであり、さらに言えば代償魔法などは必要な過程をすっ飛ばした極地であると言える。


 しかし代償魔法自体はそれほど問題ではない。 予め代償を支払っているからこそ、それ以上の代償を要求されることは少ない。 問題なのは、あまり意識せず雑に使用される大半の魔法であり、それらに何も代償が伴っていないというのが現代の認識だ。 それでも致命的とも言える弊害は全ての魔法使いに共通して降り注いでおり、ゆっくりとだが確実に魔法使いを蝕む病魔となっている。


「魔法使いの魔人化なぞ、空想の話だったんじゃがのう……。 いつの間にやら当たり前の事象として横たわっておるわい」


 リヒトはそうやって現状の魔法界の事情を嘆きながら、目についた文書や書籍を分類してゆく。


『【魔眼召喚魔法】 人間を含む生物から取り出した眼球を媒体に──』


「……不要じゃな、《火花スパーク》」


 誰も来ないだろうということで、ざっと目を通す。 破棄すべき内容のものはその場で消し炭にしながら、大部屋の中に放り出す。 内容に一々感情を動かされていては仕方がないので、直感で要・不要の判断が成されてゆく。


 そうして作業を続けていると、気になるものが見つかった。 リヒトは一旦その内容に集中する。


『【魔人生成実験】 前提として、生物に魔石を埋め込んだ場合は、それが人間であれ動物であれ肉体は必ず異形化する。 その上で理性が保たれ凶暴化を免れる症例は、獣を千体以上、奴隷を百人以上費やしても確認されず──』


 そこまで読んで、リヒトは嘆息して天井を仰いだ。


「儂らが禁忌として避けてきた道を、こうも簡単に踏み外すとは……。 これは気合を入れて読まねばならんのう」


 読解を続ける。


『魔物に魔石を埋め込んだ場合、異形化はほとんど進まず、凶暴性が増す結果となった。 そこから魔石の数もしくは質が一定の水準を超えると外見的な凶暴性は抑制される傾向にあり、これは知性を獲得した結果だと考えられる。 成長した魔物は魔石を取り込むことで高度な思考パターンを獲得する過程を踏み、今回の結果はそこにそぐわない経過を示していた。 実験過程で生み出された魔物は北域へ放流し、更なる魔石成長を促させるものとする』


「……あれだけハンターが出入りして、魔物同士の自然淘汰があってなお高難度の魔物が多いのはそういうカラクリか」


 リヒトは理解を進め、モルテヴァの暗部へと踏み込んでゆく。


『同様の実験を肉体強度の高い人間へ施しても、理性の崩壊は免れなかった。 結果的に凶暴性高く魔人化する症例しか確認できず、肉体強度と凶暴性限界の因果関係を証明する結果を示すだけとなった。 しかし、理性を一定期間保ち続けた興味深い症例を発見した。 交絡因子を排除し続けた結果、その症例の出生村が高濃度のマナ噴出地帯に存在しているということが判明。 肉体の一部を異形化させながらも日常生活が可能な者たちを多数散見した。 最終的には王国勇者が村を焼却処分したことでそれ以上の観察は叶わなかったが、理性保持に長期的なマナ暴露の必要性を示す興味深い知見を得た。 しかし高濃度のマナを持続的に生み出す環境がモルテヴァには存在しないため、別の手段を模索することとする』


 リヒトのページを捲る手が少しづつ早くなっている。 日毎に分けて記載されていた内容だが、そこからしばらくは芳しくない結果を示すものばかりだった


『今回は魔石の性質に着目し──』


 魔石はマナを吸収・放出する性質を持つ。 魔石はその大きさが質の高さを担保しており、強大な魔物は巨大な魔石を保有しているというのが一般的な理解で、概ねそれは間違いではない。 実際は大きさとマナ吸収性能が魔石の価値を決めており、同じ大きさでも保有できるマナに差異があるため質の見極めには時間が掛かる。


 魔石は魔法触媒として非常に需要が高く、供給を常に上回っている。 高品質の魔石を人為的に生み出す試みは長年行われてきたが、今に至っても成果は挙げられていない。 そのため人類は自然出土するものや魔物由来の魔石に頼らざるを得ず、結果的にハンターの価値を高める一助にもなっている。


 魔石を自然環境に置いたとしても、マナは充填されない。 これは放出が吸収を上回っているからであり、生物体内など常にマナが循環している環境でなければ吸収性能を発揮させることは難しい。


『──魔石のマナ放出機能を活用し、全住民をマナ暴露環境下に置く計画を立案する。 微小な魔石であれば、研究施設で魔物を育成することで生成は可能。 魔石を埋め込んだ魔導具装着を義務付け、定期的に魔石の交換を行う体制さえ整えることができれば、モルテヴァを巨大な実験場として運用することも現実的な域を出ない。 これより、上記内容で実験概要を改め、国王へ打診し指示を仰ぐ』


「……実験始動時の責任者は、あの穏やかな先代様か。 これでは誰も信用でき──」


 ミシミシ──……。


「──……ん?」


 集中しているあまり聞き逃していたのか、いつの間にか自然のものとは思えない異音が大部屋内を這っている。 それに続いて、慎重に押し殺されたような靴の擦れる音も。


「《熱源探知サーマル・ディテクション》」


 リヒトは大部屋を照らしていた灯火へのマナ供給を切断。 空間が一瞬で闇に呑まれた。


 リヒトの目が仄紅く染まっている。 その目で階段方向へ警戒心を向けていると、やや低体温気味の何者かの足先が映った。


 現れた者は大柄な体型で、大部屋内の照明が消えたこととに最大限の警戒をしつつ、それでも屋内に何かを這わせていた。


「何者じゃ……?」


 リヒトの声に、大柄な人物はびくりと身体を震わせた。 そのまま声の方に意識を向けて動きを止めた。


「……リヒト殿、か?」

「その声、アンドレイか。 ここで何をやっておる?」


 お互いが何者かを理解して、緊張していた空気が少しだけ弛緩する。 しかしリヒトは未だ動かない。


「リヒト殿、戻られておったのだな。 我は領主殿に機密資料の破棄を命じられてここに来た。 リヒト殿はどうしてここへ?」

「儂も似たようなもの。 若に命じられてな」

「なるほど。 では──」

「待て」

「──どうされた?」


 リヒトは、徐に動き出そうとしたアンドレイを制した。


「なぜお主は魔法で町を覆ったのじゃ?」

「……それに関しては──いや、誤魔化しても仕方ないか。 緊急時の対応で、領主殿が特定の魔法を発動した際に町を覆う手筈となっていたのだ」

「そうする事情があるということか。 それをお主は聞かされておらんのか?」

「町に入れば見たことのない者どもが彷徨いていたが、恐らくあれらに関係するものだろうという理解で、それ以上は知り得ないのだ」


 アンドレイはポケットに両手を突っ込んだ状態で肩をすくめた。


(この違和感は何じゃ……?)


 リヒトは咀嚼しきれないもどかしさを感じつつ、目の前のアンドレイを見つめる。


「どうされた? ここの資料は膨大だと聞いているし、こちらとしても早急に処分作業に移りたいのだが……。 ただ、今後のモルテヴァ再興に必要な資料くらいは残しておきたいという気持ちはある」

「それなら──いや、そういったものがないかどうか探してみよう。 お主は儂と反対側の部屋を調べてみてくれ」

「了解した」


 そう言って動き出したアンドレイだったが、すぐに動きを止めた。


「ここは魔光灯が機能していないようだ。 申し訳ないが、火を灯して貰えないか?」

「……良いだろう。 《灯火》」


 薄ぼんやりと大部屋が照らされ、リヒトはアンドレイの姿を見た。 濡れそぼっている以外は普段の彼と変わった様子はない。 とはいえ互いに接触が多いというわけではないので、細かな変化までを把握することはできない。


「リヒト殿、こういうものが見つかったのだが」


 二人して作業を続けていると、アンドレイが右手の上に重厚な書籍を携えてリヒトの元へやってきた。 それが魔導書ではないことをリヒトは一瞬だけ確認し、広げられたページの内容に目を移す。


「【神へ至る方法】……じゃと!? そんなもの──が、ァ……」


 どうしてここにそんなものがあるのか。 そう言おうとしたが、リヒトは最後まで言葉を発することができなかった。


 書籍の下のアンドレイの右手が、リヒトの首元を掴んでいた。 尚且つ手のひらは緑に発色して空間を淡く照らしている。


「ッな……《溶──」


 魔導書を展開して魔法を発動しようとしたリヒトを、アンドレイは更に力強く締め付けた。 詠唱できなければ魔法は発動できない。


 リヒトが魔法を使えないのはなにも首を絞められているからだけではない。 アンドレイの発動した《枯力ウィザー・フォース》が勢い良く水分を奪い取り、リヒトは徐々に枯れ木のような状態に追いやられている。 これによりリヒトは最低限抵抗するだけの肉体的な動きさえも不可能になり、喘ぐような声さえも発せない。


「……まったく、資料を消されては今後の計画が台無しになるところだ。 お前はユハンにばかり媚びていたし、ここに来ても我の感情を逆撫でする。 どこまで気分を害させるつもりだ?」


 アンドレイはリヒトを乱雑に投げ捨て、返答を期待せず一方的に問いかけた。



          ▽



『お前のその腕輪には我と同等の権限を与えている。 非常事態には住民の魔導具を遠隔操作して強制的な苦痛を与えることさえ可能だ。 暴動鎮圧など、お前が必要性を感じた時は権限を最大限に行使して構わん』


 ロドリゲスからそう指定を受けていたアンドレイは、魔法で町を覆った後に暴動鎮圧目的に平民区画へと至った。 権限を与えられて以降行使したたことはほとんどなく、先程のネイビス=バルバロイへの行使も数年ぶりといった具合だ。


 町では見たことのない化け物が暴れ回っており、魔導具が装着されていたことから住民の成れの果てという理解はアンドレイにもすぐに可能だった。 これが領主によって引き起こされたであろうことは半ば確信に近かったが、鎮圧という矛盾する指令も生きていたため、襲い来る化け物に対して権限を行使し続けた。


 化け物に対する権限行使の効果は覿面だった。 それが何者であれ、苦痛というものに対する感受性は残されていたようだ。 一時的にでも動きを封じられることは戦闘負担を軽減させ、アンドレイは敵を容易に殲滅した。


『権限を与えはしたが、代償無しに我と同等の力を行使できるはずはないがな……』


 アンドレイが去った後の執務室で、ロドリゲスは怪しく嗤いながらそう溢していた。 その言葉の意味を、アンドレイは化け物と戦闘を続けるなかで体験することとなった。


「──な、んだ……!? 視界が……頭、が……!」


 それは突然だった。


 アンドレイが脳内を這い回る何かしらの存在を感じ、全身の脱力を来した。 徐々に四肢末端から感覚が失われ、それは脳に達する。 思考が白濁し、言葉にならない苦痛が脳を蹂躙した。


 アンドレイが異常な動きを示したのも一瞬のこと。 アンドレイはすぐに立ち上がった。


「……お前は権限を行使し過ぎた。 代償として、この肉体は我が貰い受ける」


 条件を満たしたことにより代償魔法が起動し、アンドレイはロドリゲスによる精神汚染を許した。 その結果、アンドレイの意識は強制的な眠りに就かされ、肉体と精神の操作権はロドリゲスに移った。


 操作されたアンドレイは真っ直ぐに貴族区画へ。 すると、執務室の隠し扉が破壊された痕跡を見つけてしまった。


「これを知る者はいない筈だが。 《操樹コントロール・フォレスト》、《枯力》……賊は殺さねばならんな」


 幾重もの根を従えながら、ロドリゲスは右手をポケットに隠しつつ階段を下る。 そうしてリヒトの存在を確認した。


「有用性の観点からお前を殺しはせんがな。 だが、事が終息するまでは拘束させてもらおう」


 大部屋まで伸ばされた根がリヒトに纏い付き、棺のような外観で彼を覆い尽くす。


 枯れたリヒトは全身を強力な力で雁字搦めにされ、口内から咽頭へ侵入した根は最低限の呼吸を許すのみとしている。


「本体への追手を撒けば、あとは大詰めだ」


 ロドリゲスはリヒトを放置して階段を登る。 彼が昇段するたびにその背後は根で埋め尽くされ、大部屋への侵入は困難なものへ。 そのまま地上に出ると、隠し扉を含めた周辺は完全に根で封じ込められた。


「では挟撃を開始する」


 有能なコマを入手したロドリゲスは、アンドレイの肉体を平民区画へ向けさせた。

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