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オミナス・ワールド  作者: ひとやま あてる
第4章 第4幕 Road to the Kingdom②
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第144話 辺境の領主

 結局、ハジメとエマは彼らと合流した。 彼らは現在三名。 前衛のクレバン、遊撃のヴィライ、そして魔法使いのラフォン。


「ヴィライ、あんたの気苦労は分かるよ……」

「慰めはいらん。 奴が致命的だと、俺もついさっき理解したところだからな。 俺らは、そういう集まりだ」


 クレバンが先頭を歩き、エマが前方の警戒をしてくれている。 後方をハジメ、ヴィライ、ラフォンで追随する。


「で、ハジメ。 ラフォンが使ってたのが上級魔法ってのは本当か?」

「ああ、概ね間違いない。 初級魔法は放出、中級魔法は指向性付与、上級魔法は条件設定を可能としているんだが、ラフォンのそれは指向性付与の数が多すぎた。 中級魔法で説明ができない」

「力量は中級なのに、上級魔法が使えんのか?」

「固有魔法は、本人の力量を無視して発現するからな。 力量の合わない魔法ってのは、往々にして使い勝手が悪いもんだ」

「そんなら納得だな。 お前の魔法もそんな感じか?」


 自然な会話だが、どうにもハジメは腑を探られている気がしてならない。


「……似たようなものだ」

「へー、そうかい。 ま、お前らがいなけりゃ俺らの命もなかったんだ。 変な詮索はやめといてやるよ」


 何気ないやりとりに見えるが、それぞれの心中は穏やかではない。 こうやって行動を共にする直前で、ドーマンという男を埋葬している。


 戦闘を終えた時点で、ドーマンは当然亡くなっていた。 彼の肉体は大半が齧り取られており、個人の判別は困難だった。 遺体はどうしてか、頭蓋が破られて中身を啜られていた。


 川辺ということもあって、岩石などを除去して土の地面を露わにするまでには相当な時間を要した。 そして埋葬の作業は、主にハジメとヴィライが担当した。 女性陣は遺体を直視できず、クレバンは遠目から眺めるのみだった。


「──で、あんたらは魔法使い狩りから逃げるためにこっちに来たのか」


 会話は、魔法使い狩りの内容へ。


「ありゃあ、駄目だな。 真っ当に戦って勝てる気はしない。 逃げて正解だ」

「相手はどんな奴だったんだ?」

「何者でもない奴らだ。 どこにでもいる奴ら。 そんな奴らが力を持ったら、どうなると思う?」

「当然、力に溺れるな」

「魔法使い相手になら、奴らはそれが顕著になる。 見境がない」

「どうやって逃げ切ったんだ?」

「元リーダーのドレイクが囮になったのさ。 その後は知らんがな」

「し、死んで、ませんから……!」


 下を向いたままのラフォンが、そう強く溢した。


「ま、あいつが死ぬわけねぇよな」

「そ、そうです……」


 ハジメはラフォンの様子に少し違和感を持った。 するとヴィライが意味ありげに目配せしてきた。


(そういうことか……。 これはあんま深掘りしない方がいいな)


「こっから道中を共にするんだ。 情報共有といくか。 俺は小賢しいタイプの前衛で、ラフォンは魔法発動の遅い水属性魔法使い。 で、前を歩くのが……前衛のクレバンだ。 お前が魔法を教えるかは好きにしろよ。 俺はお前の情報を引き出したくて話してるわけじゃねぇんだ。 死ななけりゃ、何でもいいってスタンスだからな」

「いや、それは悪いだろ。 俺は接触型の魔法使いで、触れた魔法的なものを操作できる。 エマは体現型の魔法使いで危険予知が可能だ」


 ヴィライは反応に困った。 魔法的知識は一般人以上に持ち合わせているが、その有用性を判断できるほどではない。 なので、ラフォンに投げた。


「ラフォン、お前の感想は?」

「あ、はい。 えっと……ハジメさんは、属性の範疇から外れた魔法使いなので、貴重です。 エマさんは、もっと貴重、です」


 魔法使いは、基本属性に近しいほど魔法に応用が効く。 そして派生先の属性に向かうほどピーキーな性能を発揮するため、応用の幅が狭まる。


 ラフォン曰く、ハジメは属性の性質が見えないほどの派生先にいるらしい。 そのため属性が読めないそうだ。


 エマはもっと特殊で、体現型はスタート時点で属性の概念の外側にいるため、応用どころの話ではない。 鍛錬も既存の方法が適応できないため、結果的に独自の魔法が花開くという。 そうなった時点でようやく属性の括りに戻ることができるため、体現型魔法を極めた魔法使いは、そこに加えて属性魔法を扱うことができるという。


(やはり、仲間の存在は重要だな。 何でも一人でできると思ってたけど、情報の有無は生存に直結する)


 ハジメはラフォンの説明に感動していた。


「つまりラフォン、お前の結論は?」

「仲間に欲しい、です」

「だとよ。 俺も同意見だがな」

「それはありがたいけど、俺らの目的地は王都だぞ?」

「こっちは……どうだろうな。 行き先なんて無いようなもんだ」

「どうしてだ?」

「活動拠点を失ったからな。 逃亡劇もそうだが、新天地が必要な状態でもある」


 ベルマリット率いる魔法使い組合という看板を失った彼らは、魔法使いを抱えているというだけで追われる対象となった。


(ヴィライとラフォンは仲間意識が強いようだけど、クレバンはどうなんだろうな。 不和を抱えたパーティと行動するのは危険かもしれない)


「ここに俺たち魔法使い二人が加われば魔法使い狩りの標的が増えるだけで、結果的にヴィライの生存確率を下げるかもしれないぞ。 なんか矛盾してないか?」

「確かにな。 だが、バランスの取れたメンツだけでは難しいみてぇだぜ。 お前とかエマの支援を見て、そう実感したな」


 人間の在り方が少しずつ変化している。 個人の時代が終わり、集団が重視されている。 では、魔法使い狩りが集団化した現状は? いかに多くの人員を揃えられるかが鍵となるだろう。


「次はここを登るのか……」


 ハジメらが遡上してきた河川は、四日ほどで行程を終えることができた。 ひたすらに真っ直ぐの道中は、河川を左右から挟む断崖絶壁が永遠に続き、終わりなき旅にも思われた。 後に聞いた話によると、この河川は主に南方への内陸水運として使用され、南下としての利用しかされないらしい。 それを徒歩で踏破することは、南下するルートだとしても危険。 北上するなど以ての外だった。


 ハジメたちは道中、何度か死の際に立たされた。 魔物との遭遇は毎日絶えることがなかった。 天候不良によって河川が荒れて生じた鉄砲水では、ラフォンの魔法がなければ全員流されていたはずだ。 またそれによって荷物の多くが流されてしまったため、後半は飢餓との戦いだった。


 ハジメたちが辿ってきた河川は、これまた広い渓谷へと繋がった。 そのまま北西方向へと続く流れは、遥か彼方の霊峰とも呼べそうな山々からもたらされているようだ。 しかしそちら側の渓谷は河川の流れしかなく歩めそうな地面がなかったため、北東側の緩やかな岩壁を登る必要があった。


「ここは、まさか……」

「ヴィライ、知ってるのか? でも、これは俺らが全員で頑張っても対処不可能じゃね?」

「……だろうな」


 岩壁を越えると、一気に景色が変わった。


 先頭を歩いていたハジメとヴィライの期待は、一瞬で不安に塗りつぶされた。


「ハジメさん、何が──え?」


 遠く地平線の先。 河川の側に町が見える。 しかし遠目には分かりづらい。


 カンベルド要塞都市。 そこは大瀑布ミルナ流域に居を構えるヘムズワース領の要所。 都市から伸びる交通路は東側のみで、北側と西側は踏破困難な山脈がひしめいている。


 町の南部とハジメたちの間は、単に真っ平な大地ではない。 荒涼とした岩場で起伏が多く、各所に大きく迂回する必要性が目立つ地形だ。 森林地帯や湖畔、断層、そして小高い山も散財している。 これを見れば、確かに水運が必要だということが理解できる。 徒歩での移動が困難なのは明らかだが、それ以上に懸念すべき事項がある。


「悪い空気……」


 ラフォンがそう呟いた。


 町の南部に、黒紫色に染まる一帯があった。 瘴気を漂わせる異界は、到底人間が触れて良い環境ではない。 快晴にも関わらず、そこだけがやけに薄暗い。 当然、強力な魔物は多いだろう。 また、それらの発生母地にさえなっている。


「お前ら、何が見えてる?」

「ヴィライ、あんたは見えないのか?」

「魔法使い特有の視点だろ? 俺には、単にドス黒い環境にしか見えねぇな。 そんだけでも十分危険なのは分かるがな」

「じゃあ、見てる世界はほぼ一緒だな。 湧き上がる瘴気の濃度で、危険度に違いが出る程度だしな」

「結局、進めるのか進めないのか」


 こうやっていつも水を差すのはクレバン。


「お前なぁ、話聞いてたのか?」

「聞いた上で、踏破可能かどうかを確認している。 魔法使いなら、どうにかする手段があるのだろう?」


 直線的に進むなら、あの瘴気の漂う領域を通過することが必須だ。


「ラフォン、そうなのか?」

「ありますけど……霊薬なんて持って、ないし」

「だとよ? そんなら、大きく迂回してカンベルドの東側から入るしかないな」

「カンベルド……?」


 ハジメには聞き覚えのない名前だ。 そもそも、知っている町の名前などほぼ皆無だ。 せいぜい、王都ギュムリくらいなものだろう。


「ここの誰も知らねぇってことはねぇよな?」


 あいにく、ヴィライの期待に応えられる者はいなかった。


「おいおい、大丈夫かよ? つっても、東側しか道が町に続いてねぇ時点で、辺鄙な場所ってのは分かるよな。 東側以外を過酷な環境に囲まれて、それでも発展を続けてるってのが、あのカンベルド要塞都市だ。 まさか、ここに来られるとは思わなかったな。 俺らは、相当やばい環境を渡ってきたらしい」

「要塞ってことは、何らかの襲撃に備えてるのか?」

「魔物の類だな。 俺も聞いた話しだが、昔っからあそこの領主は魔物に敏感らしい。 だからああやって──」


 轟。


 ヴィライの声は、凄まじい爆音によってかき消された。


「な、なん、ですか……!?」


 ラフォンが怯えて震え始めた。 響き渡る轟音と振動によって、ハジメにも恐怖が湧き上がる。


「地面が、爆発した……?」


 そきは、瘴気が漂う空間の中心あたり。 火薬が関連したような反応ではなかった。 光のようなものが見えたが、巻き上げられた砂煙によって詳細は分からない。


 砂煙が晴れると、そこには数十メートル級のクレーターが出来上がっていた。 抉られた地面には複数の層が見えるが、地面の内部にさえ異界化の色調変化は及んでいた。


「……あの場所を突っ切る選択肢は消えたな」


 全員が同意。 一行は現在立っているカンベルド要塞都市の南部山から、東へと円弧を描く形で山の稜線に沿って進むこととした。 山上から確認したところ、都市まで直線距離にしておおよそ200km弱ありそうだ。 かなり遠回りして進まざるを得ないことを考えると、先が思いやられる。


 食料はもう底を突いている。 にも関わらず都市までの行程は過酷で、どうしても森林地帯や起伏の多い場所を進む必要があった。 魔物の襲撃もこれまで以上に活発化していて、到底人間が住むことができる環境ではない。


 都市までは数時間で到達できるほど甘くはなかった。 環境変化や襲撃のたびに移動が滞るため、集団としての移動速度は3km/hといったところか。


 一日に数回、どこかで凄まじい轟音が響き渡る。 その度に獣たちが騒ぎ、場合によっては逃げてきた獣の集団と接触することもあった。 食料は、そういった獣をラフォンの魔法で絡め取ることで凌いだ。


 火打石を失ったハジメたちは、木を用いた原始的な方法で火を起こした。 慣れない環境と疲労、そこに受傷などを経て、満身創痍での行軍が継続された。


 メンバーは全員が役割を全うして見せた。 あのクレバンでさえ、当初見せた愚劣さを見せなかった。 というより、全方位が危険な環境では働かざるを得ないという方が正しい。


「本当に誰にも会わなかったな」

「だな。 公道が見えても、誰かが通った痕跡がなくないか?」


 町の様相がはっきりし始めたのは、それを初めて目撃してから二日が経過した頃だった。


 建造物が建ち並び、モクモクと黒煙を発する工業地帯も見え、なかなかに発展していそうだ。


 町の中枢には一際大きな城壁が建てられており、そこを中心として各所へと伸びる道は全て斜めに下っている。 どうにも全体が山型の設計がされているようで、それぞれの家屋や建造物は町の外側への景観を邪魔しない。 カルカソンヌやアビラ、ローテンブルグといった都市に構造は似ているだろう。 円形の町の周囲は城壁で覆われている。


「にしても城門がデカすぎる。堀を作るくらい外敵を警戒してるなら、この大きさはミスじゃないか?」

「門番もいないみたいっすね」

「なんか、チグハグな感じだな」


 真っ直ぐ町に続く公道の先には、巨大な城門が見えた。 城壁の外側はぐるっと堀が形成されていて、城門と繋がる橋は一本だけ。 堀はかなり広く深く、落ちてしまえば死を免れることはできない。


 そうして石畳の大橋に踏み入れた瞬間、城門の上で何かが光った。


「えっ……!?」


 城壁の裏から城門を通り、多数の兵士らしき者たちが雪崩れ出てきた。 それぞれが色とりどりの重装甲で身を固め、手には様々な武器種。 刃もあれば、銃火器を思わせる筒状の塊や、歪な形状の盾など、新装備発表会のような催しにも思える。 到底安心などできない。 彼ら全員が殺気立って武器を突きつけてきており、そもそも十倍以上の人数差をどうひっくり返せるのか。


 城壁の上にも、かなりの数の人間が立っていた。 それらも全て装備を着込んでおり、誰一人として顔を見ることが叶わない。


「どう、する……?」


 ハジメは衣服の下で魔導書を具現化させながらヴィライに問う。


「いや、無理だろ。 全員、おかしな動きは見せんなよ? 何があいつらの攻撃を誘発するか分からねぇからな……」

「ひっ……」


 ラフォンが震えている。 しかしそれ以上に、エマの挙動がおかしかった。


「……エマ?」

「だ、駄目っす……。 逃げ場なんて、無い……!」


 エマは絶望していた。 周囲全てが赤く染まっていたからだ。 それも、数メートルという程度の規模ではない。 数十メートル、いや数百メートル先まで危険区域に設定されてしまっていた。 そこから理解できるのは、相手の圧倒的な武力。 下手な行動などできようはずもない。


「それはヤバいな……」


 膠着、もとい蛇に睨まれた蛙状態が続いた。 永遠にも思えそうな緊張感に、疲労が加速度的に増していく。


 すると、集団から一人の兵士が歩み出てきた。


「そちらに魔法使いは何人おるのじゃ?」


 その声は柔らかく、老いた印象を受ける。


「は? えっと……」

「魔法使いの存在は確定しているゆえ、隠す必要はない。 ほれ、さっさと教えんか」


 他の面々の目配せを受け、応対はハジメがすることとなった。


「三人ですけど……」

「ほっほぅ! それは誠か!?」

「ええ、はい……。 で、これはどういう状況ですか?」

「なんじゃ、おぬしら。 儂らの格好を見て感想はないんか?」

「まぁ、目がチカチカしますね」

「はぁ……。 まったく、最近の若い者は芸術が分かっておらん。 そんなんじゃ、町には入れてやらんぞ?」


 どうにも、意味のある会話をしているとは思えない。 ハジメは億劫になりながら、目の前の男に付き合ってやる。


「入れないと、困りますか?」

「そりゃあ、困るじゃろ。 なにせ、儂らは実験の真っ最中じゃからな」

「実験……?」

「さんざん響いておったじゃろ。 爆発という名の芸術が!」

「あー……。 あれって自然現象じゃなかったのか」

「たわけ。 あんな自然現象があってたまるか。 儂らにしか成し得ない偉業じゃ! そのへんをぼーっと歩いておったら、芸術に巻き込まれて死んでしまうぞ?」

「芸術で人を殺すな。 じゃあ、とりあえず入れて欲しいですね。 俺ら全員、いっぱいいっぱいなんで……」

「確かに、草臥れておるわ! わっはっは。 じゃが、そこまで道中は荒れておったか? 警備兵が魔物どもを掃討しておるはずじゃが?」

「警備兵……?」

「いたじゃろ、漆黒の兵隊が」

「いや、全く見てないですけど」

「……?」

「……?」


 沈黙。 とても無駄な時間が流れる。


「全く意味が分からん。 お主ら、空でも飛んできたのか?」

「いやいや、普通に南の方からぐるっと東へ進んできましたけど?」

「南? どこのことを言っておる?」

「いや、あの山だっての」


 ハジメは数日前に登頂した山を指差した。 直線距離ではそこそこの距離に思えたが、今になるとやはりかなり遠く感じる。


「正気か……? なんとも命知らずがいたもんじゃ! それなら薄汚れていても仕方あるまいな。 ほれ、入れてやるからついてくるんじゃ。 皆の者、解散じゃ解散!」


 男の声を受けて、集まっていた面々が気怠そうに町へ戻り始めた。


「結局、どういう状況か分からん……。 何がしたかったんですか?」

「儂らの歓迎じゃぞ? 感動したじゃろ」

「いやいや、殺されるかと……」

「感性がズレておるのう。 ま、良いじゃろう。 魔法使いは大歓迎じゃ。 最近じゃあ、めっきり訪問者も減っておるからのう」


 男はそう言いながらご機嫌に歩き出す。 ハジメたちは互いに目線でやり取りした後、彼に追随する。


 しかし男はすぐに立ち止まって振り向いた。


「おお、そうじゃ。 おぬしらの名前を聞いておらんかったの。 魔法使いかどうかも教えてくれ」

「俺はハジメ。 っていうか、誰が魔法使いかってことはもう分かってるんじゃないんですか?」

「マナを保有した生命体、というところまでしか確認できてないのう。 現状、そこまで精度の高いマナ監視装置は出来上がっておらん」


 監視装置と聞いて、ハジメは悪い予想をしてしまう。 これこそ魔法使いを狩るためものではないのか、と。


「魔法使い狩りってのがいるから、あんまり誰がどうとか言いたくないんですけど……」

「下らん。 魔法を重用せねば魔導理学の発展もままならぬのに、無意に魔法使いを消費するなどあり得ぬ!」


 男は続ける。


「安心せい。 おぬしら、とりわけ魔法使いの身の安全は、このグリムハルト=ヘムズワースが保証してやる!」


 ヘムズワース子爵領の中核、カンベルド要塞都市。 この場所を治める領主グリムハルトは、高らかにそう宣言した。

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作者の執筆力に繋がりますので、ギモン・シツモン・イチャモンなど、良いものも悪いものもどうかご意見よろしくお願いします。

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