第101話 残党
未開域からモルテヴァまで数キロメートル、一直線に全てを覆い尽くす霧。 そこに存在する者はもれなく霧の被害を受けていた。 数名を除いて。
「やば。 みんなおかしくなってるじゃん」
複数の鏡から町中を覗くレイシは、いち早くその異常性に気が付いていた。
「何のことを言っているのですか?」
「そういや、あんたは影響ないんだね。 鏡の中もだけどー」
「……?」
「万事が好都合ってこと。 こっちの位置を把握してるカチュアも死んだから、不安要素は少ないし」
「本当にあなた一人で片を付けられるのかというのが一番の不安ですが……」
「大丈夫だって。 あと少しで全部終わるから」
レイシが町の全景を俯瞰する。 その中に、ゼラとメイの姿が奴隷区画端にあった。
メイは攻撃を受けず生還している。 ロドリゲスが彼女に接近した時点でゼラの《盗視》が効果を示し、視界を歪められたロドリゲスの攻撃は空振っていたからだ。 ゼラに対する攻撃も同様だ。
ゼラとメイは町の北部に位置する奴隷区画に位置取っていたため、真っ先に霧の被害を受けることとなった。
『んぐっ……!?』
『これは……参った、ねッ……!』
霧に触れたメイが急に挙動不審な動きを示した。 状況に対するゼラの思考が追いつく前に、彼も自身への影響から事態を即座に理解した。
長くモルテヴァに居座るゼラだからこそ、判断は早かった。
『ッ……《鎮静》……!』
濃霧に侵されつつあったゼラ視界が晴れ始めた。 次第に苦痛も緩和されていく。
『ハァ……ハァ……。 メイ!?』
ゼラがようやく正気を取り戻した時、メイは町の外へ向けて慌てふためきながら駆けているところだった。
魔竜の息吹に触れた対象は、手先も見えないような濃霧に取り込まれた感覚へ陥る。 音も無く、暗く冷たい霧の世界は孤独感を殊更に感じさせる。 なおかつ背後から得体の知れない何かが迫るような恐怖も生じさせる。 結果として、孤独と恐怖に耐えられなくなった者は狂ったように逃走する。 その向かう先は魔竜の口内だと言われているが、生存者があまりにも少ないため、その実態には謎が多い。
『チッ……』
ゼラは慌ててメイの後を追い、なんとか領域範囲内ギリギリで彼女を捕まえた。
『わァあ!? やだ、やだッ! や、やめ……ぎゃあァあッああっ!?』
メイはどうにも、狂ってしまっている。
『メイ、落ち着け! 《鎮静》!』
ゼラは暴れ回るメイをなんとか抑え込みながら、彼女の頭部に魔法を撃ち込んだ。
『やだァ!? 逃げ、逃げないとッ!』
ゼラはしばらく待ったが、魔法の効果が全くといって表れていない。 というより症状が悪化している様子さえある。
ゼラは一瞬だけ思惑してから、メイの首を締め付けた。
『あぐ、ぅ……ッ……』
『ああ、くそ。 これからって時に、とんだ予想外があったものだよ。 メイ、君はここで退場だ。 大人しく寝ててくれ』
ゼラはそう言うと、メイの心臓に向けてマナを押し込んだ。
『ッ……ぁ……』
ドミナの毒が起動し、即座にメイの身体から力が抜けていく。 ドミナの魔法が想定通り機能していれば、しばらくは仮死状態が維持されるだろう。 しかしながら即席の魔法のため効果のほどは怪しく、また長期的に安全性が担保されるわけでもない。
『すまないがメイ、少し試させてもらうよ』
ゼラは仮死状態となったメイを領域範囲外に設置。 少しだけ様子を見た。
『なるほどね。 仮死状態であれば追加制裁は行われない。 仮死も死亡判定されているわけか……』
ゼラはメイを範囲外の安全な場所に移動させ、濃霧の中を静かに走り出した。
「なーんか、色々やってるね」
「何を見ているのですか?」
「全員の動き。 みんな鏡が近づいてるのに気付かないところを見ると、必死みたい。 というかさ、やられるくらいなら自害するって結構本気じゃない?」
「レイシあなた、そんな覚悟でここにいるのですか!?」
「ハンターとして、いつ死んでもおかしくないとは思ってるよ。 ただ、諦めて後に託すのは早いかなって」
モノは動けず、ただただ情報を聞かされるだけのため状況が把握できていない。 もしかしたらユハンはもう死んでしまったのではないのかという疑念さえ湧いてくる。
「とにかく、ユハン様の動向を逐一教えなさい。 それが、私があなたに協力する条件です」
「だからユハンは大丈夫だって。 霧に飲まれても平気そうだし」
「他の面々は?」
「えー、いちいち全部説明するの? 生き残ってるのはゼラとユハン、エスナ、フエン、ロドリゲス。 あとはここにいる二人かな」
「……は? それだけしか生き残っていないのですか?」
「そ。 ここ数分で、状況は目まぐるしく変化してるのよ」
▽
霧が到着する直前、エスナは瀕死の境地に居た。 ロドリゲスによる絨毯爆撃も《断絶》を使って何とか凌いだが、そこで体力が尽きてしまった。
「継戦は……無理、ね……。 このまま死んだら……もしかしたら、領主の手柄に……なるかもしれない。 そうなると……色々勿体無いわね」
エスナは殺される前に可能なことを考えたが、思った以上に手札が少ないことが判明するのみだった。
「あれは私の霧じゃない、別の存在のもの……。 記憶が正しければ……って、あれ? これは誰の……?」
「エスナ、何やってるです!?」
記憶の混濁によって平常心を失いつつあるエスナの元に、フエンが駆けつけた。
「──ああ……フエンちゃん?」
「もう限界です?」
「多分、ね」
「諦めるですか?」
「まさか、それはないわ……。 レスカを、私たちをこんな風にした元凶は、絶対に許さない」
「今の状況で言っても、虚勢にしか聞こえないですけど」
「先代の王国勇者テシガワラ。 その人物が領主と繋がっていたという情報を得てから、やるべきことは決まったわ……。 そのために手段は選んでいられないのだけれど、流石にそろそろ厳しそう。 だから……あとは、フエンちゃんに頼むことにするわ」
「何をするです?」
「それは──」
《断絶》を纏ったフエンは、濃霧に覆われた町中を移動する。 どうやら《断絶》はこの特殊な霧を無効にできるようで、おかげでフエンは無事に飛行できている。
「ん……?」
フエンは霧の中で座り込んでいる人物を見つけた。 シルエットはロドリゲスのものではないため、近づいて確認することとした。
「フエン、じゃない……」
一つに見えていたシルエットは、実は二つ。
「ドミナ、どうしたです?」
「……見ての通り、よ」
物言わぬリセスを膝の上に抱えながら、ドミナは苦痛に耐えている様子だ。
「外傷死、ですか」
「あの空爆に、この子は、ッ耐えられなかった。 できれば仮死状態で安全な場所に匿えればよかった、んだけどね。 仕方ないわ……」
「ドミナは無事そうでなによりです」
「無事な、わけ……。 激痛を伴う毒で何とか意識を保ってるけど、これも時間の問題。 自殺する前にあなたが来て、よかったわ……」
悲痛な表情は妹の死からか、それとも毒の痛みからか。
「手短に状況を教えるです」
「そう、ね──」
ドミナの毒ではロドリゲスは殺せなかった。 そして恐らくは、毒に対する耐性を得られている可能性も高い。 つまり彼女は、戦力としては役に立てないと言っている。
「あと、本当に申し訳ないんだけど……」
「なんです?」
「霊薬を、失くしちゃった……ごめんなさい。 多分、逃げ回ってる時だと思うんだけど」
「そろそろ手詰まりです。 でもエスナは諦めてないので、邪魔するつもりがないなら、送ってやるから死んで待ってるです」
「というかフエンあなた、この霧で動けるのね」
「エスナの魔法です。 あまり時間がないので、動くなら急ぐです。 そのつもりがないなら──」
「大丈夫よ、邪魔はしない」
ドミナは仕事として死ぬことに不満は無い。 殺し屋が幸せを望むことは間違いだと教え込まれてきたからこそ、死ぬことよりも任務に失敗する方が無念でならない。
「そう言えば……」
「なんです?」
ドミナはフエンに運ばれながら北域の様子に一瞬だけ気を取られた。 そこには分厚い霧が鎮座するだけで、景色の一つすら見えやしない。
「……いえ、何でもないのよ」
ロドリゲス殺害を託して、ドミナは眠る。
「あとは……頼んだわ」
「任された、です」
ドミナの見る最期の景色は濃霧に包まれて白く、味気ないものだ。 それでも──。
「孤独じゃないだけマシ、か」
──案外悪くはない。 そう思った。
殺し屋として凄惨な最期を予想していたドミナは、安心感と共に意識を手放した。
▽
「ほう……。 最後はこの四人か」
満足げに腕を組むロドリゲスの眼前に、三つの人影。
「何もしない人間が、どうして生き残ってるんだか」
「……」
ユハンは黙ってゼラを睨む。
「なんだ元気じゃん」
「……黙っていろ」
ゼラはユハンから興味を失くし、次にエスナを見た。
「君は随分と元気がなさそうだけど?」
「見た通りよ。 むしろ、無事なのを褒めて欲しいくらい、ね……」
「ここまで、みんな中々に役立ったよ。 そう、ユハン以外は。 勝ちたいのか、死にたくないだけなのか。 それすらも分からないよね」
「何でもいいわよ……。 邪魔さえしなければ──っ!?」
三人が飛び上がり、直後彼らの足元が派手に砕けた。
「いい加減、始めるか?」
ロドリゲスが魔弾で地面を撃ち抜いたのだ。 しかしそこからの追撃は無い。 誰かを狙ったものではなく、威嚇射撃だったことが分かる。
「気が短いにも程があるよね。 どうせ誰も逃げられないんだから、待っても損は無いはずだしね」
ゼラたちが逃げられないのは、《死亡遊戯》があるという理由からではない。 霧がより濃密に周囲を取り囲み、町の外側に向かうに従って影響が強くなっている。 現状耐性を得られているとはいえ、どこまで耐えられるかは分からない。
「魔竜の機嫌を損ねる前にケリを付けたいと思っただけだ」
「本当に存在するのか疑問だったけど、この霧の異変を見せられちゃ信じるほかないね」
「魔竜?」
唯一この中で霧の魔竜という存在を知らないエスナが問う。
「太古から人間世界を侵し続けてる、厄災の一つさ。 被害件数の多さから、その中でも一番有名じゃないかな」
「厄災……」
エスナの中に本来存在しない記憶の湖が、厄災という単語を落とされたことで波紋を広げた。
(これは多分、リバーさんの記憶……。 厄災……教会……勇者……神……? それらは、一体──)
「──“争え”」
「……え?」
エスナの思考が、突然の浮遊感によって中断された。 そのまま身体に広がる衝撃に、自身が転倒したことを思い知る。
エスナは即座に起き上がり状況確認に入る。
「ゼラ、どういうつもり?」
「ユハン、どういうつもりだい?」
ゼラとエスナは緊張状態に入った。 ゼラが魔導書を展開しているため、エスナは仕方なくそれに応じる。
「ご、ッふ……。 言った、通りだ。 “死ぬまで争え”」
「ユハン、お前は一体何をしている?」
ユハンは血を吐きながら、手には魔導書を抱えていた。 魔法を発動したのは明らかだが、彼の突然の奇行に誰もが頭上に疑問符を浮かべる。
「君の魔法か……。 犠牲化してまでこの僕を操るとは、いい度胸をしてるじゃないか」
「貴様らは邪魔だ。 父上は、私が始末する」
「何……?」
「なるほど」
「“行け”」
ユハンの声は増幅されたようにゼラの脳内へ浸透し、ゼラの行動を強制する。
「《闇弾》。 チッ、意思に反して……! ユハン、後で覚えておくといい」
「……」
エスナはゼラに追い立てられるように逃げる。 というのも──。
『最期は私と父上だけの状況を作らせろ。 他に誰の一人も生き残っていない、そんな状況を』
『いきなり何?』
『記憶を読まれる可能性を考慮して、これ以上は話さん』
『ようやく口を開いたかと思えば、随分と勝手なことばかり言うのね』
『協力は、してやる』
町に送られる直前、ユハンとエスナの間でこのような会話があったからだ。
エスナは一瞬だけユハンを見た。 そこには変わらない彼の佇まいがあるだけだ。
(目配せの一つもない、わね。 これは多分、作戦に変更はないということよね。 いいわ……従ってあげましょう)
エスナはユハンを信頼して流れに身を任せる。
「ここにきてユハンは、単独でロドリゲスを倒し切れると思い上がってるらしい。 君もそんな一人かい?」
ゼラは状況を受け入れてエスナを攻める。
《犠牲化》で無理矢理に可能性を広げたユハンの《君臨》は、彼を上位者として認識していないゼラに対してさえ効果を発揮するようになった。 そもそも《君臨》は限定的にしか作用しないゆえに、作用範囲内での効果は大きい。 今回はそれをうまく起動させた形だ。
(ゼラを残せば、ユハンの邪魔を許すことになる。 ユハンを信用する以上、ゼラの暴挙は看過できない失敗を招きかねない。 ただでさえ霧影響を排除する障壁にマナを割いているのに、ここからまた戦闘なんて……ツイてないわね)
「《断絶》」
エスナは障壁を厚くする。
先程は障壁の薄い部分を叩かれた。 霧は全身に薄く障壁を張っていれば問題は無いが、ゼラの攻撃に関してそうはいかない。
(でも、レスカが傷ついた直接的な原因はゼラだし。 心を痛めることも無いわね)
「ゼラ。 今更だけど、妹を傷つけた代償を払ってもらうわ」
「それが誰だか知らないけどさ、みんなよくもまぁ過去のことで怒ってられるよね。 前見て生きなよ」
「明るい未来が想像できないから、過去に縋るのよ」
「ま、それもそうか」
エスナとゼラによる本格的な戦闘が開始された。
「で、どうする?」
戦闘音を耳の端に捉えながら、ロドリゲスは四本の腕を広げてユハンを待ち構える。
「どうもしない。 奴らは本当に目障りだから、消えてもらっただけのことだ」
「意味が分からんな」
「父上、死ぬ前に話がしたい。 犠牲化して魔法を発動した以上、私の命は永くないからな」
ユハンは魔導書の具現化を解いている。 尚且つ、すでに犠牲化して魔法を発動したということは、彼の命の灯火が消え掛かっていることを意味する。
「……なるほど。 何が聞きたい?」
ロドリゲスは警戒を解いている。
ユハンはゆっくりと話し始める。
「長年、ああまでしてエマを殺したかった理由は何だ?」
「んン? 何故あの出来損ないが気になる?」
「単なる興味本位だ。 父上が執心していたことといえば、研究以外にはそれだけだったからな」
ロドリゲスは一呼吸吐くと、四腕を広げてユハンに身体を見せつけた。
「完全な魔人と成ることこそ、我が究極の目的だった。 その研究過程を、王と通じたフィルリアの阿呆が持ち出そうとしたことが全ての始まり。 自身ではなくエマに封じて情報奪取を計ったが、そのような小細工を我が許すわけがない」
「あの日か」
「ああ。 だがフィルリアの邪魔が入り、情報を抱えたエマを殺害することは叶わなくなった。 それ故に、間接的な方法を模索して被虐民という身分が生まれたわけだ。 結果としてそれも成功には至らなかったが、情報の拡散は免れた。 そのおかげで、我はこうして旧人類から脱することができている」
ユハンは思惑し、次なる疑問を投げる。
「……魔人とは何だ? 人類に取って代わる新人類とでも言いたげな口振りだったが?」
「まさしく、お前の思った通りだ。 これから加速する世界の中で、変化に耐えうる存在が魔人だ。 馬鹿どもは魔人を忌避しているが、なぜそれが進化の過程にある存在だと気付けないのだろうな」
「さあな」
「しかし残念だ。 今回のようなイレギュラーがなければ、お前もこちら側に招聘する予定だったのだ。 阿呆どものせいで急遽計画を実行せねばならなくなったことが不運を招いた。 許せ、ユハン」
「……」
しばしの沈黙。
「早いな」
「ああ」
霧を掻き分けて姿を見せたのは、エスナ。
「ゼラは……殺した、わよ……っ」
エスナは、か細い声でそれだけ言って膝から崩れた。
「相打ちか? くだらん幕引きだな」
それ以降、エスナはピクリとも動かなくなった。 そもそも彼女はロドリゲス戦で限界まで心身ともに酷使しており、動けただけ奇跡なほどだった。
「ユハン、ゼラが隠れているな?」
「死ぬまで争えと命令した。 エスナが生存していた以上、奴は確実に死んでいる」
「なるほど。 結局最後は、我とお前だけか」
「ああ、そのようだ……」
ユハンはロドリゲスが手を下すまでもなく、ひどく疲弊している。 息も絶え絶えといった様子だ。 ロドリゲスはそれを見ながら、ゆっくりと近づく。
「非常に残念だ。 お前が北域に長居してくれていれば、このような形での別れは生じなかったであろうからな」
「何を言うか……。 魔人化に際して、私ごと殺すつもりだっただろうに」
「状況も状況だったのだ、仕方あるまい。 それでも、お前を失うことに対する後悔の念があることは事実だ」
「そう、か。 父上に人間の部分が僅かでも残っているなら安心だ。 獣に食い殺される最期というのは、受け入れ難いからな……」
「獣ではない。 人間を超克した別次元の存在だ。 それにしても、人生何があるか分からんな。 よもや息子をこの手で殺めることになるとは」
「私も……もう少し長生きできると……思って、いた……」
ついに崩れ落ちたユハンから、次の言葉は紡がれなかった。
「どうした。 話は終わりか?」
「そう、だな。 案外、話したい内容など出てこないものだ……」
「そう悔いるな。 お前は父の進化を目の当たりにした。 それを誇りとして、死後の世界に持っていけるのだから」
「ああ」
「では息子よ、達者でな。 我のために死ぬが良い」
「そう言えば、死ぬ前に一つだけ言い残したことがあったな」
「……何だ?」
ロドリゲスは、眼下で弱々しく項垂れるユハンを見下ろしながら問う。
(“空間解除を以て、仮死毒よ反転せよ”)
ユハンは声に出さず、心の中で命令を下した。
「……ぐ、ッ……ぁ……」
ユハンは苦悶の声を漏らしながら、力無く倒れ伏す。
「待て、何を言いたかった? おい、ユハン!」
ユハンの最期の言動があまりにも謎めかしく、ロドリゲスは動揺を見せた。
「……何!?」
円形の空間が、ロドリゲスを覆っている。
突然生じた異変。 360度全方位にロドリゲスの姿が映し出されていおり、これがユハンの魔法で無いことはロドリゲスも即座に看破していた。
次の瞬間、光が明滅。 ロドリゲスの思考を妨げる。
「光、属性──」
ロドリゲスの身体が、瞬きごとに次々と削り取られている。 彼も何が起こっているかは分からないが、途轍もない攻撃を受けていることだけは確かだった。
ロドリゲスが無数の光に蹂躙されていると気付いた頃には、その身は残骸とも呼べない破片へと成り果てていた。
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