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魔人side 7


「助教授くん。。。助教授くん。。。なんで、、、助教授くん」


俺は!覗きが得意なランニングマン!22歳

ただいま、猛烈に走っています!


望遠魔法で馬の周辺を見ながら、ひたすら走る。


さっき見た馬の目には、矢が刺さっていた。


走りながら、思い起こして、考える。


馬は狙われたのだ、まだ、敵はいるかもしれない。

馬を狩って食べるのか?なぜ、死体を放置してる?

なぜ、殺した?どいつがやったんだ?まだ、近くにいるのか?


頭の中がぐるぐる回る。


気がつくと、通常の視力でも見えるところに

馬が見えた。


腰を落とす。息を潜ませる。周囲に注意を走らせまくる。

自分の気配を消すようにイメージする


自分が希薄になったような感覚が湧いてくる。


まず、、、馬は生きているのか?口から舌が出ている。

息はしてない。


近づき、馬の腹あたりに触れてみる。。。


外気温と同じ体度だ。

体中が濡れている。。

川にでも入ったのか?


夜風にさらされて、冷たい。。。硬い。。。

何時間、放置されていたのだろう。


ふと、気がつく。うっすらとだが、

触れている手が、、、、光っている。。。!!!


チャンスがあるかもしれない!なんだこの魔法は!

凄いぞ!できるかもしれないぞ!

行けるのか?

治せるのか?治すぞ!生き返らすぞ!


力いっぱい、目に刺さった矢を引き抜く。


矢には矢尻がついてないタイプのようだ。


目からぬるぬると、流れ出てくる血の涙が

痛々しい。だが、気持ちを振るい立たせる!

俺にはできる!蘇生できる!

必ず、できる!


手の光が最も強く光る部分を探した。

周囲の異音にも、聞き耳を立てながらの施術だ。


やはり目の辺りと心臓が最も強く光が増した。


「来い。。。来い。。戻って、、来い!」


頭に力を入れた。猛烈に力んだ。

貧血を起こした時のように、体が痺れて気が抜けてくる。


でも、イキんだ。

手に、ボタボタっと血が垂れた。

鼻血が出たようだ。鼻呼吸が出来ない。


でも、頭に気合を入れまくった。必死だった。


ビクッ!っと、馬が一瞬震えた。


目の上から手を退けると、血だらけだが、瞳が治っていた。


馬と目があったような気がする。

どこ見てるか分からん。

馬が、、、起きようとしてるが、無理なようだ。

撫でた。。。ひたすら撫でた。


また、手に滴がポタリと落ちた。

泣いていた。

馬のピンチを気がつかなかった。

失う所だった。


俺がもっと、俺がもっと。。。俺が。。。


俺は何も言えぬまま、、ひたすら、光る手で

馬を撫で続け、じっと、、泣いた。



しばらくすると、馬はおぼつかない足取りで

我が家に向かって歩き始めた。


よし、いい子だ。がんばれ!がんばれ!


俺はひたすら体を光る手でさすりながら、

馬に追従した。


後ろから狙われてないか?矢が飛んできたら、どうやって守ろう。

俺は、早く、安全な場所へ連れ戻したいという、

焦る気持ちと、

馬の体が心配でたまらない気持ちで

心がバラバラになりそうだ。


やっと、都庁ビル1Fの入り口が見えてきた。

後ろを望遠でみる限り、敵はいないだろう。


馬を後ろから押すように支え、ワラの上まで導いた。


馬はワラの上に横になって寝転んだ。

死んだのか!?あ、息してる。

半目開けて、寝たのか。。。いい子だ。。。いい子だ。。

良く、頑張った。


ゆっくりと、おやすみ。

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