魔人side 6
「いて、、、痛え、、、髪引っ張るなって、、痛え」
俺は!未来のうんこ掃除戦隊マン!22歳
只今、ロン毛をむしられ中!
馬に髪の毛を食べられた。正確には
馬に起こされたのだ。熟睡していたらしい。
髪が馬の唾液なんだか、鼻水なんだか、わからないもので
ベトベトである。
「外に、、出たいのね。。。はい。。はい。。。」
とりあえず、扉を開けて上げる。
外の空気が一気に中に流れ込む。もう、明るい。。。
はぁ。。体洗いたい。頭洗いたい。
馬の奴め。。。まあ、仕方ない。
体を綺麗にする魔法、、魔法、、、もう少し、、寝たい。
洗浄とは、、何かな。。。。眠い。。。
自分のDNAを持ってない物質を
外に弾き飛ばすイメージかな。。。眠い。。。
けど、、イメージしてみよう。。。
「はああああああああああ!」
一気に全裸になった。
赤紫ジャージが粉砕した!
頭のベトベトも一気に無くなった!
全身の皮を薄ーーく、一気にむいた感じだ!
セロハンテープを一気に剥がした感じと、言うべきか。
凄いショックというか、、、衝撃だった。
これは、、、これで、、、いい。
目覚めた。
早速、ジャージ上下をイメージした。
今度こそ、紺色のジャージを出現させたい!
紺色だって、、、ピンクの床が邪魔!
ジャージだって、、、、、
え!なんで落ち武者のイメージが割り込んでくる!?
ガシャンと、日本の武者鎧セットが落ちてきました。
ちょっとだけ、惜しい。
もう少し、軽くて、柔らかくて
着心地良くて、ジャージっぽければ、
ジャージっぽいかもしれない。
褒めていこう。
そう。俺は褒めれば、出来る子なのである。
武者鎧は、なんとなく、消去せずに、端っこに寄せておく。
なんか、捨てるのは、もったいない。
試しに、赤紫ジャージをイメージしてみた
何だ。このやろう。一発で出てくんな。このやろう。
今、手元に赤紫ジャージを抱えている。
よし、おk。落ち着いていこう。
馬は、また、川辺に行ったようだ。
ジャージを着用し、安全靴をはき、
昨晩、気がかりだった、馬の寝床の汚れを確認する。
ああ、、、やっぱり。。。残念賞である。
糞尿でワラの一部がぐちょぐちょだ。
昨晩の清掃魔法は失敗だった。どうしよう。。。
ふと気がつく。
今朝の目覚めの魔法。
あれを使えないだろうか?
床とワラ以外の存在をぶっ飛ばすのである。。
おっと!落ち着け!ぶっ飛ばしちゃダメだ!
飛び散らせちゃダメだ!
危ない、危ない。。。
床とワラ以外を!吸引するのである!
範囲指定もする!
「オオオオオオ!これは、、、いい!」
すっかり、昨日に時間が戻ったかの様に、新鮮である!
今後は、これで清掃していこう!
さて、都庁の2Fにまだ上がってない。
階段下から上階を見上げる。
果てしねぇ。。。明かりとか、持っていかないとダメかな?
そうだ!
視点を飛ばして、とりあえず、偵察してみよう。
視点を徘徊させてみた。最上階まで上がってみた。
ツインタワーも、もちろん両方行ってみた。
一言で言うと、1Fと全く同じ。味気無い。
ワクワクが無い。足をわざわざ、運ぶ気になれない。。。
なんで、こんなもんを建ててしまったのだろう。。。
まあ、おk
そうそう、最上階の窓の外を眺めてみた。
昨日は遠くが霧で見えなかったが、
川側には、遠くに山がうっすら見えた。
反対側には、海がうっすら見えた。
山側も、海側も、一面、木々ばかり。
5分程しか見渡して無いが、住居の気配が無い。
馬を連れてきた人、馬小屋の持ち主。
それらの人々は、どこから来て、どこに今いるのか?
馬小屋だけ、森にポツンと建っているって、どんな理由だ?
そして、何より、俺をここに連れてきた人。
俺の服を剥ぎ取った人。
もしかして、俺はその人に、、、、
おう。。。それは、、それで、、、いいかもしれない。
おk。
頭を切り替えていこう。
窓から見えた海までの距離と、
山までの距離。それぞれ、思い返してみる。
「遠いよな。。。どっちも。」
しばし考える。。。よし。決めた。
俺は、決めた。
視点を飛ばせる魔法があるのならば、
この魔法もきっと使えるはず!
まず、第一の課題は、山の頂上を望遠で見る!
第二課題は、山の頂上まで速攻で行く!
第三課題は、山の頂上から周囲を見渡す!
以上である。
とりあえず、外に出る。
馬は川辺にいるのは、わかる。
馬に向かって、望遠鏡で見るイメージ!
「ほぉあああああぁぁぁ!」
頭に力を入れると、馬が見えてきた!
もっと、遠くも見えるかな?
川の向こう岸を越えて見えるが、
木が邪魔で奥がわからない。
視点を高くしてみる。都庁と同じ高さまで上げてみる
そこから、望遠魔法!いざ!
「コホォオオオオオ!」
おおお、、、山の頂上見えるよ。。。
岩だらけだ、、、生き物は、、、いなさそうだ。
火口になっているのかな?
ここからの視点では、山の真上からの映像は見れない
え、、ちょいまって、これ、視点をもっと、高くしたら
いいんでないかい?
三つの課題とか、もう、どこかに吹っ飛んだ。
ドンドン進めよう!
視点を上げてみよう!。。。もう、怖くなんか、ない!
なるほど。。。火口は深くまであるが、
噴火は止まっているようだ。
周囲を見渡してみる。
山を中心にした島のようだ。
山の向こう側は森では無いな。。。林というか
木が多く立っている程度だ。
人が、いるかもしれない。
むしろ、いないとおかしい!
周囲の気配を感じる魔法でも、さすがにこの島全体にまで
サーチを広げる事は出来ないようだ。
山の向こうまで行ってみるか。。。
どうやって行こう。。。遠いしな。。
海に出て、島の周囲を見渡してみるか?
船とか作れそうだな。。。
豪華客船か?
空母か?
大和か?
YAMATO作っちゃうのか?
。。。懲りないな。。。俺は。。どんだけデカいのが好きなんだ。。。
とりあえず、海に向かって「びっちり木壁」で
挟まれた道を作っていく。地面も固く固めつつ、進む。
夜になろうとしてるのだが、まだまだ、終わりそうに無い。
すっかり、夕日が落ちている。
寂しくなる。夕方を見ると心が悲しくなるのは
不安のせいなのだろうか。。。
何が不安なのだろう。。。
理由が分からない。。。
ここで、何をしようとしていたんだろう。。。
思考回路が停止してしまったようだ。
頭を掻きむしりながら、ふと、思いだす。
そうだ。。。
今日の木壁建設はここまでにして、我が家に戻ろう。
都庁1Fの鉄の扉は開けたままである。
馬もそろそろ、戻ってくるだろう。
馬の気配を探るが、、あれ?いないぞ?
とりあえず、視点を川辺に飛ばしてみる。
川向こうにでも、行ったのか?泳げるのか?あの川。
川辺をキョロキョロ、探した。
馬が、、、、、、死んでいた。
俺は、無意識に、、馬に向かって、走り出していた。