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魔人side 4

「電気、、、来てないよね。。。」


俺は!巨大釘使いマン!22歳。

ただいま、入り口探し中。


都庁ビルを出現させ、広場に無事建築するところまでは

うまく行った。


ちょい、上階からガラスが割れる音が聞こえたが

まあ、うまく建築できた。俺はやり切った!


ところが、1Fの自動ガラスの扉が開かない。

どうやって、中に入ろう?割るか?


ガラス扉の内側も見えるのだが、室内が、何か違う。


壁と窓ガラス、天井、柱が無骨に見えているのだ


鉄筋コンクリートである。それしか見えないのである。


明らかに、建築途中なのである。

俺のイメージ力が足りなかったのか。

まあ、良い。中に入りたい。


初めての持ち家に入る気分が、宙ぶらりんである。

馬はどこ行った。一緒に探検しよう。

「おーーい、助教授ーー!」


叫んでも聞こえるはずもない。


馬は、川辺にいるのは、わかる。

視点を馬のところに飛ばす。

草を食んでいる馬を見つけ、話しかける。


「俺の家を一緒に冒険しよう!助教授くん!」


馬は首を上げ、渋々とこちらに戻り始めた様だ。


さて、どうやって入ろう。。。ガラス扉、消すか?


目の前のガラス扉だけ、消す様に念じる。


「消えろ、、、消えろ、、」


目の前の空気の動きを、だんだんと感じる。

ガラス扉が消える頃には、

やんわりと、空気が吸われている感触が

顔を撫でている。


馬がこちらに向かっているのは、わかるが

足並みが遅い。。。


嫌なのか?あ、止まった。今、目があった。

何を見てる。。。こっちこいって。

そうそう、歩いて来いって、、あ、止まるなって!


馬の肩をポンポン撫でつつ、

一緒に都庁ビルの中に入ってみた。


まあ、でかい。広い。天井が高い。


なんせ、何もない。階段を探すが、

鉄がむき出している非常用階段を

一ヶ所見つけた。


「助教授くん。。。これ、俺しか上にいけないな。。」

「ブルッ。。。」


馬は、返事をしたのか、それとも、不機嫌なのか

川辺に戻り出した様だ。

確かに、ここは、、、空気がすごく乾いている。

埃っぽいかもしれない。


外からの日照のみで、うっすらと暗い。


床もコンクリートむき出しかー

内装をザザッと、整えないとな。。。


内装、、、わかんない。やった事ない。

壁紙とか貼ればいいのか?

天井は、どうすれば良い?床はなんだろ?ペンキ塗るのか?


床にペンキか。。。ローラーで

ゴロゴロと塗ってるイメージをしよう。

色は、黒でカッコよく染めよう!


黒っていう色は、案外、イメージしづらい。


ローラーをゴロゴロ動かすイメージをすると

ピンクのぬり跡が思い浮かんでしまうのである。


「ピンクよ、去れ!黒よ来れ!ピンクじゃなくて、、あ、、」




素晴らしいピンク一面の床に染まりました。

そう、俺はきっと、これが好きなんだ。

健康に良いと聞くし。おk。まあ、おk。


なんだかんだで、壁は虹色の壁紙。

気球が所々、書かれている虹色の壁紙だ。


天井は、雲と子供天使が描かれた絵画になった。


諦めた。自分のセンスを諦めた。

どうしてメルヘンなんだ。もっと、カッコよく出来るはずだろう!


そう、、、俺は忙しい。

そう、かまってられないのだ。

メルヘンがどうとか、気にしてられないのだ。


忙しいのだ。時間がないのだ。

これでいいのだ。


そういう事で、外の「びっちり木壁」の

補修である。


都庁ビルから外に出てみると、

もう、夕日が落ちていた。


静かな夕日だ。。。夕日を見つめてしまう。。


不意に悲しくなる。

なんでここに、いるのだろう。。。


俺の名前は、なんだっけ。。。

街の喧騒や、景色は思い出せる。

文字や言葉が、それぞれの名前がふいに、思い出せない。


都庁って、なんだろ。。。名前がわかっているのに

意味が一気に抜けていく。

「ほら、、あれだよ。。あれ!」

5秒で痴呆症になった気分だ。


頭をかきむしる。思いだせ!俺!


かきむしる手が光だす。。。そう、、俺は、バンドマンだ!

バイトで生活をつないでた、バンドマンだ!


呆然としていると、遠くで鳥が羽ばたいて飛び去った。


「そうだ。。。木壁。直さなくちゃ。。」


俺は、顔を上げる。

もうすぐ、夜が来る。


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