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魔人side 1


「。。。痒い、、、え??馬?臭っ!」


俺は!オンボロアパート在住、22歳。

ロン毛の落ち武者ロックのバンドマン。

ただいま、戸惑い中。



ここは?俺のアパートじゃない?は?

俺は周囲を見廻し、茫然とした。。。


薄暗い馬小屋に、全裸で放置されていたのか?

なんでだ?しかも全身が痒い!!

ノミ、ダニがいそうな古さの小屋だ。


俺は寝そべったまま体を掻きながら、ふと、自分の手を見て固まる。


手が、、、光ってる!


しかも照らされた皮膚から、あっという間に痒さが引いてゆく!


「おお。。。。。」


痒いのは全身だ!手で引っ掻く程度では間に合わない。


右足を左足の爪で掻いてみる。左足指が光ってる。。。


「おお!」


痒くもないのに掻いてみる。


光らない。


「おぅ。。。」


。。なるほど。魔法だ、、、俺は痒み止めの魔法が使えるようになった!


人間、ピンチになると思わぬ力を発揮できるものなんだな。。。


でも、ここ、どこなんだ?


それより、全裸は不安だ。


衣服、、、になるものを、、、探したい。


そう思った直後、目はすぐ暗闇に慣れた。。。


あれ?これも魔法か?


いや、そんな事より俺は今、王様状態だ。


服はどこだ。。。と考えていたら、妙に一つの服のデザインが頭をよぎる。


赤紫ジャージ。しかもダサい方のやつ。


だんだんと、手に取れるほど詳細に、イメージが頭を侵食して来た!


その詳細に目に浮かんだジャージ上下が、床に落ちた。


え、、、、、


これ、何?マジック?


とっ、とりあえず、全裸の上から着た。王様モード終了だ。


ドキドキが止まらない。悪い事をしてしまった気分だ。

いや、無くしたはずの給料袋を見つけた時の気分だ。


呆然としながら、顔を上げると馬が目に入る。


もしかして?俺にはこれもできるのか?


馬をじーーーっと見つめた。


この魔法も、、、イケるか?!


「おい、、、声、、聞こえてるだろ?」


「ブルルッ。。」

馬は尻尾がユサッと揺れた。


。。。分からねぇ。。。


通じてるか?会話できているのか?


馬は首を一振り。あら、手綱が柵につながっているらしい。


「。。。取ってやろうか?。。。噛むなよ?」

「ブルッ。。」


馬は蹄を一度鳴らして、一歩下がった。


取って欲しいのか?いやなのか?わからんぞ!

馬は人間の友なんだよな。。。犬だったか?


ゆっくり手だけを伸ばし、手綱をほどく。

馬が近い!馬、怖え。


馬を初めて間近で見たが、馬ってこんなにガリガリなのか?

キレてるというか、、、、ガリガリだ。


手綱がほどけかけた所で、馬は首を一振り。

嗚呼、、、しまっちゃったジャマイカ。。。


「ちょ。。待てよ。。ドウドウドウドウ。。。」

馬は前脚をパカパカと落ち着かない。


やっと、手綱がぶらっと垂れるな否や

早歩きで外に馬は行ってしまった。


「っぶな!轢かれるかと思った。。」


馬どこ行っちゃったんだろ。。。。


馬の後を俺は目で追って、気がつく。


外はどうなってるんだ?

その直後突然、背が伸びた様に、視点が高くなった


「え!恐っ!」

足元を見ると、裸足に自分の紫ジャージ足が

変わらずある。気のせいだったのか?!

いや!今確かに背が伸びた?いや、なんだったのだろう?


。。。また魔法か!?魔法なのか!?


よしもう一度、試してみるぞ!


外を見渡そうと意識をすると

視点が再度高くなる。

「オオウ。。。」


どんどん真上に上がる

見下ろすと自分がいる小屋の屋根が見える。


「オウ、オウ、オウ。。」

声が出ちゃう。だが踏ん張る!


更に視点を上げる!


森のあけた場所に自分の小屋がポツンとあるようだ。


「オオウゥ。。。」

流石に視点が高い!だが我慢する。俺はやれば出来る子!


小屋の周囲は森。ずっと続く木々の景色。

遠くの景色は、霧掛っているのか霞んでいる。


「オオオオオオオオオォ。。。。」

絶景カナ、絶景カナ。

とりあえず、後ろから押されたら、

いい声出ちゃいそう。


霧の先をもっとズームで見れないだろうか。。。

視点が前進し出した。


「オウ!オウ!オウ!オウ!飛んでるぞ!これ!」

分かってきた!調子に乗った!


左右上下にも飛べる様だ。調子に乗った。

玉ヒュンしたら、馬小屋に視野が戻ってしまった。

「オオゥ、、凄え体験だ。。。」


我に返り思い出す

「あ、馬どこ行ったんだ?」


右?側にいる様な気がした。ずっと遠くだ。

気のせいか?これも魔法か?

視点を飛ばして、追いかけてみよう!

やったるどぉ!


視点が木に、、ひっかかる。視点移動が止まる。

痛くはないが、邪魔くさい!


俺は、木々の合間を高速で回避する練習をしながら、馬まで向かった。


川が、森の隙間から見えてきた所で、俺は見つけた。


まじで感じた通りに馬がいた。もう驚かない。


馬は水を飲んでいる様だ。

茶色く濁った水が緩やかに流れている。

川幅は30Mほどだろう。


川上を見ても川下を見ても森と川しか見えない。


意外と川のせせらぎは小さい。


よくこんな所を知ってたな。この馬は地元の馬なのかな?

馬って餌とか、何食うんだろ?


「おい。。。それ、うまいのか?」


川辺に生えている雑草を馬は食んでいる。

俺が話かけると、馬は咀嚼しながら首をこちらに一瞬起こす。


。。。よく分からん。

それは、食えるんだな。。。。。


「戻ってくるんだろ?」


再度、俺は話しかけてみる。


馬は草を食みながら

尻尾を一度ユサッと揺らした



。。。分からん。。。まあいいや


「まあいいや」の大半は良くない。

けど、今回は諦めた。


肩の力を抜くと、視点が馬小屋に一瞬で戻ってきた。


とりあえず、馬の飯の心配より自分の安全だな。。。

家とか基地とか、安全地帯を作りたい。

そう!この不安を落ち着かせたい!


さっき、ジャージがマジックの鳩みたいにポンと出せた。


「って、言う事は?」


俺は馬小屋の外に出て、まず、一人用テントを強くイメージした。


現れてきた。テントきた。

三角テントをポンポン叩いてみる


おし。。俺はやれば出来る!何でも出来るのか?そうなのか?!


「じゃあ、これは出来るのか?!」


テントを消すイメージをした。実験だ!


テントを消す。テントを消す。。。。


テントが、、、透明になった!

だが、手触りが残ってる。透明になっただけだ。これじゃない。


テントを消す。。。シュッと小さくなった。


これは、きっと消えたんだろう。。。透明だから

分からんが。。


よし!作れて消せる事がわかった!

いよいよ本番だ!


城壁で、小屋の周囲を囲むイメージをしようとしたが木が邪魔だ。


木が邪魔、、、木を切り倒すしたい。。。。木を退かしたい。。。。


ぬーーーん


俺は閃いた!念力が使えるか試してみよう!


木を念力で引っこ抜く事が出来るか?俺のフォーースの力でイケるのか?!


両腕を広げ、念力で握って持ち上げるポーズ!


ってまじか!


木が、、、周囲の木々が、一斉に地面から抜けて空中に浮いている。。。


「おっしゃアアアアア!」


俺!すっかりジ○ダイの騎士じゃん!


フォースを信ぜよ!


人間、、、やれば出来るもんだ。


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