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たとえ誰かを殺したとしても、妹を守りたい。  作者: catan
第1章 ヒトゴロシゲーム
4/4

4.融解

やる気が出たのでもう1話投稿

「...起きた?」


「...う...ああ...おはよう...ぐっ!」


「ちょっと、まだ動いちゃダメだよ!」


「そうだった...すまん。」


俺は...戦って、勝った...殺したんだな...

最初の人殺しは単純で、複雑だった。

殺されそうになったとはいえ、殺して良かったのだろうか。

そんな事が脳裏に過ぎる。

刺されてもない胸が、刺すように痛い。

こんなこと、セラに、させたのか...

頭の中には罪悪感しか無かった。


「お兄ちゃん?大丈夫?」


「ああ、大丈夫だ。」


「...そうは見えないけど?」


「正直初めての人殺しに戸惑っている...」


「そう、だよね。

お疲れ様。」


「ああ、ありがとう。」


「さて、まだ寝る?」


「ああ、もうちょと寝ようかな。」


「了解、おやすみ。」


「ああ、おやすみ。」


そう口にすると、またすぐに眠気が襲ってきた。


~~~~~


次目が覚めた時にはかなり身体は楽になっていた。


「あ、おはよ、おかゆ作ったんだけど食べる?」


「...おかゆ作れたのか」


「そんくらいは出来るわ!」


せっせとおかゆを皿に盛って、塩をふりかけて持ってきてくれる。


「はい、あ〜ん♡」


「しねーよ」


セラからスプーンと皿をひったくり食べる、うん、美味しい。


「させてくれてもいいじゃん」


「やだよ恥ずかしい」


ピンポーン


「ん?誰かな?はーい。」


セラが扉を開けるとそこにはセンが居た


「やっほ、大丈夫...ってうわ、ホントに大丈夫!?」


「ああ、大丈夫...では無いな」


「うん...どうしたの?それ...」


「ああ、これは...最近あるだろ?急に人が死ぬやつ、あんな感じのやつだよ。

俺も急に傷がついてな。」


「...!?」


センが大きく目を見開いたと思ったら全速力で部屋から飛び出そうとして...




目眩がした。

でも、そこにはセンが居る。


「なんで!!なんでだよ!?こんな...!!こんな...!!」


「セン...これ...」


センが膝から崩れ落ちる。


「君も...能力者だったんだね...キサツ...」


「そんな...酷いよこんなの...センさん...私...」


セラが顔を覆う。


「なにか...方法は無いのかよ!こんな所抜け出す...方法...はっ...!」


床や壁を必死に叩くが何も起きない。


「無いよ...最後の1人になるまで...ここから抜け出せないんだ...」


「そんな...くそっ!」


皆が絶望し、崩れている。

そんな状況が10分位続いただろうか、その間誰も一言も喋らなかった。

そんな状況の中、センは立ち上がった。


「やろう、キサツ」


「なっ...何言って!?」


「それ以外に方法は無いだろ!このゲームの

ルールに則って、殺しあおう。」


「...やろうか、センさん。」


「お、セラちゃん、乗り気だねぇ」


「お前ら、何言ってんだよ...!?そんな...!そんな...」


「ほら、あとはキサツだけだよ、殺ろう?」


「あ...俺...は...あ...あ...ぁぁああああああ!!」


俺は勢いに任せて、胸からバタフライナイフを取り出して切り付けた。


「おっと、その気になった?じゃあ!本気で行こうか!!」


そういうと、辺りが寒くなる。


「いくよ!!」


氷塊が宙に生成されたかと思うとそれが飛んできた。


それをセラのブリンクで回避二人同時に回避した。


「先に行っておくね、僕の能力は氷を作り操る、アーティファクトさ。」


「私の能力も教えておかないとね、私の能力は透過ブレードとブリンクだよ!」


「俺は無能力者さ!」


「...くっあはは!無能力者って...確かに能力は無いね!!」


足元が一瞬冷える


「おわっ!」


足元から氷が生えてきた!?


更に避けてる隙にまた氷塊...!


左腰の辺りを掠める。


だが、それを気にせず、思いっきりナイフを振りにかかる。


「甘い!」


氷のシールドがナイフを阻止する。


その隙を狙うようにセラがブレードで切り付ける。


「うっ!」


回避されたせいでしっかりは入らず胸を切る程度に収まった。


「はぁっ!」


なっ!?盾から氷塊!?


「危ない!」


セラが危機一髪でブリンクしてくれる。


「助かった。」


「痛いよ...まったく...」


「こっちも昨日の傷が痛む。」


「そもそも2対1ってズルくない?

男らしくないよ?」


「お前の遠距離攻撃もな!」


「じゃあ近接戦でもする?」


「面白い!」


「危なくなったら助けるから」


「ま、任せておけよ。」


威嚇するように、バタフライナイフを回しながら近づく。


センが氷の盾を捨て、代わりに剣を二つ作る。

そしてその1つを投げ渡す。


「それじゃ不利でしょ?使いなよ。」


「冷たくないか?」


「僕の氷は特別性だからね、そんなことは無いよ。」


「どういう原理だよ...」


俺は剣を取り、構える。


「まるでゲームだね。」


「実際ゲームだろ?」


「そうだったね。」


「いくぞ?」


「いつでも?」


一気に近づき、大振りて攻撃する。


勿論それをセンは受け止める、そこに蹴りを入れ、さらにひと凪する。


「わ...わぁ、戦い慣れてるね...」


「忘れたか?いつも格ゲーで負けてたのセンだろ?」


「あはは、そうだったねっ!」


次はセンが突っ込んでくる、同じく大振りな一撃、受け流して一撃入れようとするが...


フェイントかっ!


センは剣を止め、研ぎ澄まされた2撃目を放つ。

それをなんとか受け流すも3撃目の攻撃を食らってしまう。


「ぐぁっ!」


今度は左足にヒットする。


「なんで全部左側なんだよ!」


「あはは、左に嫌われてる...ね...!」


そのままお互いに切りかかっては弾きが続く、互いに弾ききれなかった攻撃が掠め、また弾き合う。


「ここだっ!」


攻撃のタイミングに合わせて右肩でタックルを繰り出し更に斬撃を入れる。


「ぐぁああっ!」


センはそのまま、剣を手放し、倒れ込む。


「センっ!」


何故か俺はセンを抱えていた。


「あはは、敵に何してんの...

まあ、もうすぐ失血死する...だろうけどね。」


「俺...絶対生き延びるから」


こんな言葉しか、浮かばなかった。


「うん...死んだら...許さないから。

それと...キサツ...君の...アーティ...ファクト...大切にして...あげなよ...?」


「何言って...」


「じゃあ...ね...」


「あ...おい、待てよ!セン!」


視界が歪む、それが、死の合図だった。


「セン!センーー!!!」


涙を流して、亡骸を抱え続けた。

最後の最後で男らしくないな...


その後はセラが警察を呼び、怪奇殺人事件のひとつとして処理し、調査が進むそうだ。


いっその事、裁いて欲しかったが、生き残る為にも出来なかった。


罪悪感でまた一杯だが、それでも罪を重ねなければいけない。

そう約束したから。

良ければブックマークや感想よろしくお願いします。

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