7話
お久しぶりです。
背中が痛い……。
地面か?
俺は何で地面に寝そべってるんだ?
そうだ!進化したんだった。
恐る恐る瞼を上げる。
景色は変わらず今にも降りそうな天気。
ゆっくりと起き上がり体を確かめる。
名も分からん『進化』したから手が異形化してるとか考えたんだが、これと言って元の身体とは大差ない結果となった。
早速鑑定だな。
◇◆◇
名前:マコト・ティト
種族:****
性別:男
スキル:毒化・不毒・武神格闘術・笛吹術・鎧装骨格・高速再生・通常保持・鑑定・看破・言語理解・収納・展開・進化・封印・解放・聖剣・魔剣・不糸術・夢幻・浸食・生活魔法・無魔法・暗視・強運・直感・魔力操作・魔力感知・曲芸・囮・自爆・創作
◇◆◇
おい、『鑑定』さんよ。
種族分からないままかよ!!
くっそ!!
俺何者か分からねえじゃんかよ。
こういうのって普通『進化』先が不明の場合って『進化』した後把握できるようなもんじゃないのか?
それがどうだ?蓋を開ければ不明のまま。
どーすっべ、これ。
しかもスキル何個か進化してるし。
種族進化に伴ってスキル進化も行われたのか?
中には物騒なやつもあるけど気にしないことにする。
次はスキルの『進化』だな。
何個か既に終わってるものもあるけど、その更に先があるのかも気にはなる。
◇◆◇
スキル:毒化・不毒・武神格闘術・笛吹術・鎧装骨格・高速再生・通常保持・鑑定・看破・言語理解・収納・展開・進化・封印・解放・聖剣・魔剣・不糸術・夢幻・浸食・生活魔法・無魔法・暗視・強運・直感・魔力操作・魔力感知・曲芸・囮・自爆・創作
◇◆◇
まあ先ず多いよな。
スキルの派生は出来るのに統合は出来ないものか?
派生ってのは『鑑定』の後の『看破』や『囮』の後の『自爆』とかだろう。
『進化』ってわけでもないし、かと言って言葉の意味から察するに全く関係がないわけでもない。
だからスキルの派生先として考えた。
で、俺が見やすくなるためにもできる限り統合とかしたい。
ステータスでスキルドラッグしたら統合とかできないかしら。
出来なかったわ……。
そもそもこのステータス念じるだけで身長と体重の項目消せたよな?
なら念じれば行けるんじゃね?
むむっ!!
………。
…………。
◇◆◇
種族特性によりスキルの統合を開始します。
◇◆◇
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!
俺の種族ありがとう!!
ディスってごめん!!
でもまだ名前は分からない。
これ如何に。
まあ統合してくれるんなら話は早い。
何と何が統合できるんだ?
『鑑定』と『看破』はどうだ?
◇◆◇
統合対象外です。
◇◆◇
ダメか……。
じゃあ『囮』と『自爆』は?
◇◆◇
統合対象外です。
◇◆◇
これもダメか。
何ならできるんだ?
それとも派生は対象外なのか?
◇◆◇
スキル統合対象は『進化』三段階目以降となります。
◇◆◇
それを早く言え!!
じゃあ今の俺のスキルじゃ出来ねーだろうが!!
この時間は何だったんだ……。
じゃ、じゃあ気を取り直して『進化』の選択を……。
◇◆◇
種族進化
スキル進化
武具進化
**進化
**進化
◇◆◇
お?『武具進化』が増えたか?
前見た時はこんなの無かったよな?
あったっけ?
進化するたび次の奴が解放されるとかか?
解放で思い出したけど、俺『解放』持ってたよな?
これで残り二つ分からないか?
「ステータス『進化』先に対して『解放』!!」
すると眩しくない程度に一瞬ステータスが光って表記の米印が取れた。
◇◆◇
種族進化
スキル進化
武具進化
眷属進化
概念進化
◇◆◇
出た。
残りは『眷属進化』と『概念進化』だった。
後者の方はなんとなく分かるが、前者はこれなんだ?
後者はクソ強いこの『封印』や『解放』といった概念の進化だろう。
それに対し前者は……『眷属』?
『眷属』ってあれか?
吸血鬼なら真祖とその下みたいな感じか?
伝わってるか分からねえが、吸血鬼が血を与えるとそいつも吸血鬼になる、みたいな。
その場合真祖の眷属になるのだろう。
勝手な想像だけど。
米印が『解放』で消えたってことは種族も分かるんじゃないのか?
俺天才かもしれん。
「俺のステータスの種族に『解放』!」
◇◆◇
名前:マコト・ティト
種族:毒の悪鬼
性別:男
スキル:毒化・不毒・武神格闘術・笛吹術・鎧装骨格・高速再生・通常保持・鑑定・看破・言語理解・収納・展開・進化・封印・解放・聖剣・魔剣・不糸術・夢幻・浸食・生活魔法・無魔法・暗視・強運・直感・魔力操作・魔力感知・曲芸・囮・自爆・創作
◇◆◇
あー、これ知らない方が良かったやつじゃねえ?
なんか諸悪の根源みたいな名前が出てきたんだが。
〇〇エルってことは悪魔の一人か?
なんで悪魔の一人が俺なんだ。
なんで人間から進化したんだ。
なんでこいつなら統合できるんだ?
分からないことを考えてても分からないままだ。
止めだ。
よく考えたら俺昼めし食ってねえ。
また捕ってくるか。
毒魚。
ラドだったかレドだったか忘れたが。
先ずは『魔力感知』。
沼にいくつかモヤッとしたものが映る。
そのモヤッとしたものに狙いを定めて掴みに行く。
「捕ったどー!!」
前の魚じゃない。
ウナギっぽい。
すかさず『鑑定』!!
◇◆◇
ダダラ
……ミートッド沼地に生息する肉食魚。毒袋を持ち牙の先に毒袋から抽出された猛毒を吐き出す器官が存在する。咬まれたものは最長三日で死に至る。元は淡水魚であるが600年前にミートッド沼地と川が繋がり生存するために進化した個体。
◇◆◇
こいつもか。
どんな奴も毒しか持ってねえ。
ウナギの捌き方は腹か背中からってしかわからないが、ウナギみたいな身体であるとはいえヌルヌルはしていないから普通にまな板に置いて捌ける。
前と同じで岩塩振りかけて手づかみで口に運ぶ。
毒があるのは気にしないことにした。
どうせ効かないし。
これで効いたら笑えるけど。
「うまあ!!」
なんだこれ、なんだこれ。
どう表そうか?俺食リポ下手なんだよな。
ウナギとは違って小さな骨もない。
身は相変わらず白身だけど、レド?とは違って炙ってないのに口の中でホロホロと壊れてなくなる。
こりゃ日本にはないわ。
つーか地球にはないだろう。
これも炙ってみる。
あっダダラはダメだわ。
歯で噛み切れないぐらい固くなった。
味もなくなった。
タイヤ噛んでるみてえだ。
無理だ、これ食うの。
生活魔法で燃やし尽くして処分する。
すまねえ。
腹が膨れたら眠たくなってきた。
『進化』は後回しにしてちょっと寝るか。
おやすみ。