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4話

また長い…。


 選んだスキルはこんな感じ。



◇◆◇


進化…100点

封印…20点

解放…20点

聖剣…10点

魔剣…10点

操糸術…12点

幻術…12点

腐食…5点

生活魔法…4点

無属性魔法…4点

暗視…3点

幸運…3点

直感…3点

魔力操作…1点

魔力感知…1点

手品…1点

囮…1点


◇◆◇



 よし、これで使い切った。


 最初に選んでいた『進化』に加えて思ったより安価だった『封印』と『解放』、面白半分で検索したらどっちも出てきた『聖剣』と『魔剣』、そしてその他諸々。


 割と充実していると思う。


 これをさらに『進化』できると思うとますます戦略の幅が広がる。


 戦闘狂というわけではないが、魔法のスキルを見た時といい魔物の存在を聞いた時といいかなり物騒な世界らしい。


 身を守るためのスキルは必要だろう。


 少し詰め込みすぎた感はあるけど……。



「おーい!スキル選び終わったぞ!」


「ん?終わった?」


「ほほ、またけったいなスキルを選ぶもんじゃのう…」


「いいじゃん!面白そうなスキル構成だし」



 『聖剣』と『魔剣』のことか?それとも『手品』か?


 剣二つは完全に面白半分だからあまり強いことは言えない。



「で、使徒ってのはなんなんだ?天使みたいなもんか?」


「好きだね天使。天の使いって意味では一緒だけど……。向こうの種族の一つに白翼族と黒翼族ってのがいてね、白い方が自分のこと天使だの何だの言って吹聴してるもんだから困ってて…。だから天使ってのは白翼族のことを指すようになってて、勘違いされるだろうからあまり使徒と一緒にしないでほしいかな」


「使徒になるには条件とかあんのか?」


「条件ってほどでもないけど、僕ら神がこの者は使徒ですって解るように加護を与えれば使徒とみなされるよ」


「上位神になると何人とは決められておらんしの」


「爺ちゃんは僕より下だから一人二人が限界でしょ?」


「ワシは三人が限界じゃな」


「えーこの前既に一人にあげてなかった?」


「ワシはあと二人に加護を授けられるということじゃな」


「そういうことになってたのか」


「僕はあと十人くらいならいけるよ。僕は物にも付与してるから向こうに行ってから探してみるのもいいかもね」



 物?


 剣とか杖とかだろうか?


 それとも場所とか?


 でも場所って『物』とは言わないよな……。



 まあ覚えてたら探してみよう。



「覚えてたらじゃなくてちゃんと探してほしいんだけど……。じゃあこうしよう!僕の加護を付けた人、物を探してくれたらご褒美あげる!」


「またバランスがおかしくなるようなことをホイホイと…。エラーはこれが原因だというのに」


「いいのいいの、そのエラーを直すのも僕だもん」


「それでいつもうだうだ言っておるだろうが」


「頑張れ、未来の僕!」


「阿呆め」



 それはいいとして向こうの世界の説明を頼みたいんだが、いつ終わるんだこの会話。



「はい、今終わったよ!向こうの世界についての説明だっけ?」


「頼む」


「向こうは君が考えている通り科学は未発展だけど魔力と呼ばれる物質があるよ。その魔力によって発展した世界と考えてくれればいいかな」


「魔物と呼ばれる敵対生物は他の動物とは違って魔法を扱うやつも中には出てくる。警戒は怠るなよ」


「わ、わかった」


「男女比は1:1だけど、男性の方が早死にすることが多いこの世界では一般的にハーレムは許されてるよ。貴族じゃなくても何人も侍らせてる人はいるね。ただ甲斐性が無ければキツいだろうけどね。生活的にも人間関係的にも」


「そこは別にいい。男が早死にすることが多いってのは?」


「男性の方が魔物と戦うことが多いからじゃ。寿命が短いというわけではない」


「そういうこと」


「へー」


「基本的に王族、貴族、市民もしくは平民、奴隷で成り立ってる。日本にいた君には奴隷と聞くと抵抗があるかな?」


「いや、そこまでは」


「あれ?じゃあ説明するね。奴隷には犯罪奴隷と借金奴隷、違法奴隷があってね、罪の重さによって奴隷の期間とかは変わるけど、基本的には犯罪奴隷は犯罪を犯した者がなる奴隷区分。借金奴隷はお金を返せなくなった者達が身売り、口減らしなどによって返済しきるまでの間奴隷になるっていう期間限定奴隷。そして最後にこれまた字の如く、違法即ち人攫い、非公式人身売買による違法奴隷かな」


「違法奴隷と分かった場合どうするんだ?」


「違法奴隷は摘発とかで簡単に解放出来たりするよ。でもやらなくてもいい。君の好きにしなよ」


「まあ解放するかどうかはその時の気分にするわ」


「そうするといい。違法奴隷にしろ一般奴隷にしろ解放はできる限りしないことをお勧めするのぅ」



 なんでだ?


 つーか解放するのにお勧めとかあんのか?



「金持ちならよいが、何をするのも料金が奴隷か平民かで倍ほど変わってくるぞよ」


「やるなら金が溜まってからってことか」


「そうじゃ」


「あとは例外として戦争奴隷ってのがあるよ」


「戦争の兵士とかになるのか?」


「大きい戦争ならお偉いさんは捕虜になるけど、一般兵士や奴隷にまで面倒見れるだけの国庫はどの国にもないと思う。だから兵士たちのモチベーションにもなるし自由にしてるんだ」


「捕まえて奴隷にすると殺し以外は殆ど何でもありだからのぅ」


「成程な」


「あとは?」


「食べ物はどうなってる?」



 旨味調味料や添加物がない世界だと味は料理人の腕にかかってくるわけだが、俺は料理できないけど旨いもんは食いたい。


 日本と比べると厳しいかもしれんが、どの程度なのか知りたい。



「日本と違って科学は発展してない代わりに、魔力があるお陰で食材そのものの味が濃縮されてるよ。長い年月を生きてた方がおいしいんだって」


「一度向こうに日本人を送ったじゃろう。その者が日本と変わらんような食文化を広めていたはずじゃが」


「そうだっけ?」


「忘れたんかい」


「わかんない」



 この天パすごい適当だよな。



「分かってくれるか」


「ちょっとー失礼なんですがー!それはおいといて、日本と違うところは種族の豊富さもあるね。エルフ、ドワーフ、竜人、獣人、小人、巨人など様々だよ。君の世界から来た者は何故か異種族と結婚する節があるね」


「知らんよ」


「まあ説明はこんなもんでいいでしょ」


「大体わかったよ。ありがとう」


「えへへ~照れるじゃん」


「照れてないではよ準備せんか」



 準備?


 俺を異世界に送る準備か。


 あと忘れていることと言えば……?



 名前!!


 俺名前ねーじゃん!



「心配せずとも考えてあるわい。ワシからはティト」


「僕からはマコト。やっぱり元の名前って愛着あるからさ」


「俺の名前はマコト・ティトになるわけか?」


「またティトって……。爺ちゃんも人のこと言えないじゃんか」


「よかろうに。これも何かの縁じゃ」


「そこは『世の摂理じゃ』じゃないんだね」


「ほっとけ」



 いいのか?


 なんか深い意味がありそうな感じだが。



「爺ちゃんがそれでいいならいいよ」


「さてもう送るぞい」


「はいはい」



 俺の立つ地面から魔方陣が出てくる。


 一定の速度で回ってる。


 これを見ると異世界に行くことを改めて実感させられる。



「何から何までありがとな」


「どういたしまして。最後に、君はこの世界で自由に過ごしてね。僕はここから波紋の広がり様をみてるから」


「異物を放り込まれたら水面は広がるしかない。どんな波紋かは人それぞれじゃが、あまり退屈な波紋は見せんでくれ」


「まあ欲望には忠実にね」


「お、おう」


「そこは即答してよ。そうだ自己紹介がまだだったね。僕の名前はシン・ティト。欲望の神だよ」


「ワシもせねばならんか。ケイオス・ティト。混沌の神じゃ」


「僕ら家族なんだ」


「そんな大事な名前俺にやって良かったのか!?爺さん!!」


「いいんじゃよ」


「っ!ありがとう」


「気を付けていってこい」


「いってらっしゃーい」



 視界が真っ白になる。



 次に目が覚めたら異世界だ。



 やることもやりたいこともいっぱいある。



 ホントにあの二柱には感謝しないとな。



誤字報告、感想待ってます。

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