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3話

長い…。


「……で、………だけど」


「……じゃが、………と…では…」



 なんだ……?


 声がする。


 誰の声だ……?


 つーか、俺死んだはずじゃ……。



「あ、目が覚めた?」


「っ!!」



 誰だこいつは。


 金髪天パの子供……?


 その隣はやたら髭が長い癖にハゲてるジジイ?


 ジジイの方は仙人っぽいが、この子供は何だ?



「子供子供と何回も連呼しないでよ!!」


「ほっほ、ワシのことは仙人で間違ってないぞよ」



 は?


 俺今口に出てたか?


 心を読まれた?


 口は動かしてねぇから読唇術も無理なはず。


 なんだこいつら……。


 人間じゃねーのか?



「ピンポンピンポン!正解!!50点を付与するよ!僕たちは確かに人間じゃないね!!」


「ワシは最初から当てられたようなもんじゃから100点を付与じゃな」


「は?点数?」


「あー!!爺ちゃんズルい!!ねえねえ君さ僕は何か判る?」


「ズルいとかないじゃろうに……」



 待て、思考が追い付いていない。


 なんだ?


 この爺さんは仙人で合ってるって言ってた。


 じゃあこの子供は?天使?



「ブッブー!!そんな下位の存在にしないでくれるかなぁ?もっと上だよ上!!」


「上?」


「そう、上!」



 上?


 天使よりも上ってなんだ?


 神か?


 こんな子供が?



「ピンポーン!!大正解!!追加で50点!!また子供って言われて気がするけど気のせいだよね!」


「言ったが」


「グサァ!!折角スルーしたんだからスルーしてよ!!」


「効果音自分で言うのか…」



 金髪天パの神?が一人称は『僕』。背丈は150センチあるかないか位で、無邪気っぽいけどさっきの天使と間違えられた時を見るに、下位の者は何とも思ってないって感じか。


 ハゲ爺さんの方は仙人。一人称は『ワシ』。身長は170センチいかない位で好々爺っぽい。こっちは穏やかだけど、怒ったら怖そう。



「なんで僕と爺ちゃんとの態度に差が出るのー!!」


「世の摂理じゃ」


「いっつも爺ちゃんそればっか!!」



 それで、俺は何でここにいる?


 死んだはずだろ?



「それはこやつがお主の魂魄ごとこっちに連れてきたからじゃ」


「はぁ?魂魄?」


「そ、魂魄。魂と身体。精神と肉体。素と器。言い方は様々だけど、意味は同じだよ?」


「で、こやつがいきなり面白そうなものを拾ったて言うよるからまたかと思っておったところじゃよ」


「ちょっとー!僕に収集癖があるように聞こえるじゃん!!」


「ほ?違うんか?」


「断じて違う!」



 拾った?魂を?



「身体も一緒にじゃな」


「君面白そうだから僕の世界に入れようと思って」


「なんて?」


「君面白そうだから僕の世界に入れようと思って」


「いや、聞こえてるよ。意味が知りたいんだよ」


「そのツッコミ待ってた!プラス10点!」



 その点数もなんなんだよ……。



「意味は簡単だよ!僕が管理している世界に地球の日本に住んでた君を入れたら、どんな波紋が起きるか見たいんだ!暇つぶしの一環だね」


「詳しく言うとワシら上位の存在はそれぞれ管理しておる世界がある。ワシらより上になると何個も管理しておる神もおるぐらいじゃ。で、その神の特権の一つに干渉権がある。基本的に一人の神につき一人の魂魄か概念、技術、欲望、事象なんかを入れることができる。それで管理している世界を発展していくんじゃ。こやつはワシより上位の神じゃから複数の世界を所持しとる。下位の神になると力不足で何柱もの神がたった一人を入れるなんてこともある。ワシは中位神じゃから関係ないがの」


「それ僕が言うセリフーー!で、僕の世界に干渉権を使って君を入れようとしたわけさ」


「あー、なんとなくは解った。だが、なんで俺なんだ?他にもいただろ?」


「魂魄を入れるにはいくつか条件があるんじゃ」


「全部で三つ!一つ、対象者が魂であること。二つ、前世に全く未練がないこと。三つ、本人の意思を尊重すること。一つ目は破ったことになるね!身体ごと持ってきたわけだし…。二つ目は言わずもがな、だよね?三つめは旅立つときに本当に行きたいかどうかの確認かな」


「成程……」


「で、君の世界でいう異世界に行くわけだけど、いいかな?」


「それは別にいい。未練もないしな…。行くに当たって向こうの説明とか欲しい」


「それは勿論!!」


「お主、一つ目はどうする気じゃ?約定を破れば碌なことにならんぞ?」



 そういえば、一つ目の俺が魂であることは破られているな。


 異世界転生とかは身体は向こうで作られるから、そこにはめ込むとかそういうことなんだろうか?


 異世界転移も良く聞くがこれはまた違うのか?



「異世界転移はその世界の中から行うことで、勝手に誘拐してるんだよ。それで僕の世界の一つは滅んじゃったからね。全く勘弁してほしいよ。エラーめっちゃ出るし」



 ちゃんと神なのか。



「それどういう意味!?」


「まあええじゃろ。一つ目の抜け道もあることじゃし」


「抜け道?」


「そう!!身体を持っていくことができないなら、ここで体を作って一緒に入れればいいのさ」


「つまり?」


「身体をここで製作した上で世界にその器を入れ、そこにお主の魂を入れるということじゃ。あの三つの約定は干渉権に定められたものじゃから、転生じゃろうと転移じゃろうと根本は変わらん。ただ、ワシらが行う転移と世界人が行う転移は異なる。先程こやつが言うた転移は召喚と呼ばれておるが、ワシらの行う転移は転移じゃ。そこは間違えんでくれ。のぅ?」


「ソ、ソウダッケ?」



 じゃあ俺はここで身体を作ればいいんだな?



「そうじゃ」


「折角毒の効かない身体になったんだが……」


「心配せずともよい。そこで使うのが先程から言うておる得点じゃ」


「得点の多さによって世界を渡ってからの脅威度が変わったりもするんだ。少ないとすぐに死んじゃったりね」



 じゃあ俺は現時点で200点近くあることになるのか?



「正確には210点じゃよ」


「さあ早速製作しようじゃないか。ステータスって言ってみてよ」



 お約束かよ。



「ステータス」



◇◆◇


名前:木川真(こがわまこと)

性別:男

身長:178㎝

体重:67㎏


◇◆◇



 うおっ!


 項目の下には俺の等身大のCGがでてきた。


 筋肉質で世に言う細マッチョだ。



「それで僕らからの210点分を付与するんだけど、地球にはスキルっていうものは無かったから追加するよ」



◇◆◇


スキル:毒生成・毒無効・総合格闘術・詐術・硬質化・再生・異常状態無効


◇◆◇



 増えた。



「うわ!すごいよ!なんでこんなに持ってんの?」


「殆どが魔物とかが持っとるスキルじゃな。人が持てるスキルの限界は三つが普通なんじゃが……」


「流石僕が見込んだだけはある!僕のお陰だね!!」


「これ!勝手にお主の手柄にするでない!こやつの努力の結果じゃろうが」


「痛い!なにもグーで殴らなくても!!」



 そ、それで210点はどうやって使うんだ?



「そうだった!これ!これを見て決めて!」



 なんだこれ?広辞苑か?


 タイトルは…スキルの書?


 うわ!これ把握しきれないぞ!


 何万とあるんじゃないか?



▽身体

△魔法

 火魔法・水魔法・土魔法・風魔法・……

▽特殊

▽技術

▽禁忌



「説明せんかい!」


「いったい!一々ぶたないで!表紙の裏に検索があるからそこから欲しいスキルを選んでね」



 成程……。


 検索。


 Go〇gleかな?


 検索のバーをタップする。


 何を入れようか。



「そうだ、言葉はどうなってるんだ?日本語じゃないだろ?」


「それもスキルだね。僕が拾ってきたんだし、それは僕が付与しておくよ」


「ワシからは『鑑定』と『収納』じゃな」



 鑑定はわかるが収納とはアイテムボックスのことか?



「『収納』は概念の一つじゃよ。アイテムボックスとなると入れられるものに限りがあるが、概念の一つである『収納』には入れるという意味しかないから限りは無いんじゃ」


「それなら収納したものを出すにはどうしたらいい?」


「『展開』の概念が必要じゃな」


「じゃあ僕から『展開』をあげるよ」



 助かった。


 概念ってことはそれなりの点数消費しそうだし。


 この爺さん食えないな。


 聞かなければ永遠に収納したものを取り出せないとこなのか。



 検索。


 『概念』


▼検索結果

概念…***点


▼付随結果

創造…***点

破壊…***点

滅亡…***点

不滅…***点



 表示されないってことは何らかの条件があるのか?



「そうじゃ。例えば神であること、などじゃな」


「成程な」



 尚更『展開』はありがたかったわけだ。


 概念は手に入れておいて損は無いだろう。


 片っ端から検索を掛けるか。



 『魔法』検索。


▼検索結果

魔法…100,000,000点


▼付随結果

火魔法…5点

水魔法…5点

土魔法…5点

風魔法…5点

炎魔法…10点

氷魔法…



 成程な。


 表示はされても手を出せない得点か。


 魔法だけでも5点は持っていかれるのか。



 ちょっと試したいことがある。


 『進化』検索。


▼検索結果

進化…100点


▼付随結果

▼スキル進化

毒生成⇒毒化…20点

毒無効⇒***…30点

総合格闘術⇒武神格闘術…40点

詐術⇒笛吹術…20点

硬質化⇒***…40点

再生⇒高速再生…30点

毒化⇒毒人化…50点

武神格闘術⇒武神…60点

笛吹術⇒道化術…30点

高速再生⇒傷滅…60点

毒人化⇒毒神化…70点

……。



 概念自体は買えるな。


 これ、『進化』買ったらどうなるんだ?



「『進化』先が書いてあるだろうけど、その通りになると思うよ。向こうに行ってからだけど」


「じゃあ『進化』はいるな」


「単に進化すれば身体の負担が大きいぞよ」


「負担?」


「うん。魔物とかは肉体が変化するから負担はゼロだけど、人の身で行うには厳しいかな?」


「それに耐えるには?」


「そこに書いてある通り高速再生で耐えきるか、人から『進化』するか、『昇華』するかだね」


「昇華?」



 『昇華』検索。


▼検索結果

昇華…***点



 買えねぇじゃんかよ。


 それもそうか。


 仙人とかが使えそうだしな。


 俺みたいな只の人はまだ無理か。



「ワシなら出来るぞい」


「聞いてねえよ」



 じゃあ行って速攻人からの『進化』とスキルの『進化』だな。


 あと、110点は何にしようかな。



「あ、そうそう。君の名前向こうに持っていけないから気を付けてね」


「聞いてねぇよ!?」



 どういうこと!?


 名前を捨てろってことか?



「意味はそれで合っとる。平衡世界ならいざ知らず、二つの世界で同じ人物を存在させるわけにはいかんでのぅ。納得してくれい」


「そゆことー」


「お主から言わんか」


「えー」



 名前自分で決めるのか……。


 恥ずいな。



「ならワシとこやつから授けようか?」


「いいね!」


「いいのか?」


「いいのさ!名付けすれば僕らの使徒ってみなされるしね!」



 一つ喋ったら一つ分からない言葉が出てくるな……。



「使徒ってなんだよ」


「スキルが決め終わってから話すよ。そこで名前も一緒に言うし」



 先ずはスキルか……。



長い…。

多分今まで書いてきた中で一番長い……。

誤字脱字などあるかもしれません。報告お願いします。

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