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《那由多》の魔法師  作者: あ
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入学の日のこと

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  各都市に魔導学院はあるが、俺が今から入学するのは魔導学院の中でも中心となる名古屋魔導学院だ。昔は東京が日本の中心だと聞いたのだが、ここになったのには訳があるらしい。


  魔王軍と開闢の英雄 -初代の黎明能力者- が戦い、本州、四国、九州を取り戻したが、防衛が難しくなり、九州そして北海道を放棄し、本州、四国防衛に死力をつくした。その際、本州の中心近くに拠点を置くようになり、結果として現在の首都が名古屋に移ったらしい。人口は1000万人程度、日本全体の人口が3000万人だから、ここは大都市だ。


  そういえば前に昔の日本だという絵を見せてもらったが、あれは絶対空想だ。だって空まで登るような建物がいっぱいあったし。流石に嘘だってわかる。戦争の影響でほとんどの技術や電子なんとかとかいろいろ失ったらしいけど、さすがにあんな高い塔なんて造れないだろ。まあ侵略される前の日本を見た人がもういないから話を聞けないけど。

僅かに残った資料を探してる研究者曰く、今の街並みは1000年前のヨーロッパに似てるらしい。


「やっと着いたー」


 家からだと結構遠いな。暇すぎて建物の話思い出しちゃったよ。


「入学者はあちらです」


  あのでかい講堂行けばいいのかな。


「やあ、君も新入生?」


  うわっ、すごいイケメンだ。


「ああ、そうだよ」


「一緒に行かないかい?僕はラインハルト。よろしくね」


「佐藤雄二だ。俺も1人だったんだよ。行こう」


というわけで金髪のイケメンと仲良くなった。




 入学式も終わり次はクラス決めの試験だ。


「黎明能力者はこちらで試験を行います」


「僕はあっちだから。お互いがんばろう」


「おう!」


..... ってあのイケメン黎明能力者だったのかよ..... 。不平等だよな全く。




「戦闘系能力者はこっちだ。」


「試験は各段階に分かれる。1段階目は魔法の規模を測る。ファイアボールをあの的に撃て。恒常能力以外の能力の使用は禁止だ。」


 《魔力強化》などの常に能力が発揮される能力は封じようにも封じれないしな。


 待つこと数十分。やっときたか。俺の力.....見たけりゃ見せてやるよ。


「ファイアボール!!」


  サッカーボール大の火球が飛んでいく。的に当たるとジュッと焦がす音がして消えた。


「あいつ本当に能力者かよ」

「能力者じゃなくてもあれぐらいのファイアボールなら出せるぞ」


 分かってた。うん。みんな焼き尽くしてるもんな。

俺の魔法すごい弱いんだ。物理系じゃなくて魔法系の能力なのに。


「じゃあお前Fクラス。ここからの試験参加しなくていいから」


「はい.....」


 しゃーない、切り替えていこう。




  1人暇しているともうクラス分けを終えたらしいラインハルトが声をかけてきた。


「君のほうが早かったね。僕はAクラスだったよ。戦闘系の黎明能力者はみんなAだ。君は?」


「最悪。Eクラスだった。1段階目で落とされた。まだ続けられたら俺のかっこいい魔法が

見せられたのに。」


  突然ラインハルトが歩き出した。


「おい、どうしたんだよ」


「僕はもう教室に行く」


「もうちょっと話そうぜ」


「どうして僕がEクラスの君なんかと話さないといけないんだい?どうしてヘラヘラしていられる?鍛えていそうな身体つきをしていたから、君はもっと強い奴だと思っていたよ」


  身体は物心つく前からじいちゃんと体術の稽古してたからだ。

  じいちゃんは今は引退しているが、現役の時は魔族を狩りまくっていたらしい。


「実際魔法弱いしさ.....こればっかりはしょうがないんだよ」


「そうかい。君と僕は友達にはなれない気がするよ。僕は絶対に強くなる。叶えたい夢があるから。じゃあ」


 夢、か..... 。俺だってあるよ。

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