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Hurt dolly

作者: 有朱

もしかしたら、この躰はかつて人形だったのかもしれない

そうすれば、全てに説明がつく気がしたんだ

歪に曲がった関節も

上手く回らない舌も

左右ずれた目元も

拙い心も

全ては昔私が彼女らと同じだったからなのではないか

そうすれば、全てに説明がつく気がしたんだ

人形

物言わぬ愛おしい少女達は死体を連想させる

動かずじっとして私の眼差しを受け止め

言葉に耳を傾けてくてる

私が一番望む事をしてくれる

私もそうだった

みんなの感情のゴミ箱であるかのように

自分に寄せられた感情を黙認していった

自分の魂が無いかの如く、そんな姿でいるのなら

私は未だに人形だろう

人間は、自分の心を知って知らせて初めてなる者じゃないだろうか

自分の心どころか他人のことも解らない私が人間だなんて

解らない

なんで笑うのか

怒るのか

嬉しいのか

寂しいのか

その真似事しか出来ない

なんでこれをいえばみんな気味悪く思うのか

にんげんは、きかいじかけのにくにんぎょう

他人の意思が解らない事を哲学的ゾンビという

人形はそんな意味で私のゾンビだ

歪に曲がった関節が痛む為にない事も解ってる

上手く回らない舌が後悔する為にない事も解ってる

左右ずれた目元は人間を軽蔑する為にない事も解ってる

拙い心が苦しむ為にない事くらい解ってる

じゃあなんで私はこんな不器用な心体を抱えて生きなきゃいけない?

苦しみで成り立った人形は、

空っぽのあまり苦しみで心を埋めた人形は、

どうすれば良い?どうやって生きたら良い?

教えて、私でおままごとをする

愛しく滑稽なお母さん


これを読んでいる方々に心があるかは知りませんが、読んで頂きありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] はじめまして。 心はあれど、人生のさまざまなことをロールだと 割りきってしまう面のある、くろすけです。 私には、彼女の想い、わかる気がします。 あなたの書く文章の味、好きですよ。 では、…
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