代わり....
「ねぇ!
お嬢様が!」
撫子がドアを開けるとすぐそこには瑠架が居た。
「っ!
撫子さん!
女性がはしたない!」
そう言うと瑠架は着ていたロンティーを脱ぎ撫子に被せた。
瑠架は半袖でそのまま部屋に入り和を抱え出てきた。
「お嬢!」
向かいの扉が開き蒼羽の声がした。
「これ、拾ってきたから向こうで着替えてきな。」
鷹志が静かに撫子の服を拾ってきていた。
「あ、ありがとうございます。
お見苦しいですよね?ごめんなさい。
直ぐに着替えますね!」
そう言うと撫子はまた脱ごうとした。
すると鷹志が全力でそれを止め、撫子を抱き抱えて自分達が待機していた向かいの部屋へ入った。
「あのな!
男ばっかりのところで脱ぐな!
皆騎士だし、襲われることはねーが女だろ?」
鷹志が少し粗めの口調で言うと撫子は怯えたように頷いた。
「ご、ごめんなさい…
私…」
「ちが、俺顔怖いよな?
ごめんな。
体ってさ、大切な人にしか見せちゃいけないと思うんだ。
だからさ…」
つり目の目がタレ目になるほど狼狽えながら鷹志は声色を優しくし話した。
「もちろんさ、女の子だからって思ったのもあるけどお嬢の代わりになるのならその辺で裸になられると困るしって感じだった。
こんな怖いやつにいきなり連れられて怖かったよな?
ごめんな…」
そう言う鷹志に撫子は首を横に勢いよく振った。
少し落ち込んではいたが少しの間鷹志の授業を聞いていて優しいことを知っていた撫子は怯えて悪い事をしたと思いながら鷹志の目を見た。
「怯えてごめんなさい。
私、脱ぐことが恥ずかしい事っていう気持ちを置いてきてしまって…
教えてくださってありがとうございます。
気をつけますね。」
そう言うと心配そうな顔をして
「どう言う…」
「撫子ちゃーん!」
「撫子!」
ドアが空いた
心配そうな蒼羽が撫子を抱きしめた。
「おい!
いじめるな!」
鷹志に掌から出た小さな小さな果物ナイフのような剣を向けた。
血走った目の蒼羽を初めて見た鷹志は困惑して両手を上げていた。
「ちがっ
待って!」
頬をほんのり赤らめた撫子が少し涙をため止めた。
するときちんと撫子を見て蒼羽も何となく気づいた。
「っ!
悪い!
勘違いだ…恥ずかしい…」
そう言い耳を赤らめ撫子を優しく離し鷹志とハトハとリッツを連れ謝りながら部屋を後にした。