事故.....
「お嬢様の影武者をする事になった撫子。
振る舞いが分からないから教えてやってほしい。
これは、鷹志かな。」
家に帰ると説明もせずに簡潔に言い鷹志に向けた。
すると瑠架が眉根を寄せ蒼羽に
「大丈夫か?
顔は似てるがきちんと話は合わせてあるんだろうな?」
と聞くと蒼羽はもちろんと答えた。
そして、蒼羽は通りすがりのそっくりさんを連れてきたと言い張った。
「まぁ、あれだ。
鷹志に任せるが、瑠架もハトハもリッツも出来るだけ助けてやって欲しい。
この街自体が初めてらしい。」
そう言うと4人は撫子を取り囲みマジマジと見ていた。
普通は特別な用事がない限りは生まれた街からはあまり出ないので、4人にとっては他の街の知識を持つ撫子は珍しかった。
「私、瑠架。
撫子ちゃんはどんくらい離れた場所から来たの?」
流すように自己を紹介するとすぐに自分の知りたい事を聞いていた。
「あ、私はうんと遠くから来たの。
西の方から間には街が5つほどあったわ。」
真剣に相槌を打つ。
「ハトハだよ。
こっちがリッツ。よろしくね。期間限定お嬢様。」
ゆったりとにこやかに口を開くと横のリッツが軽く頷いていた。
撫子も軽く頷いた。
「で、俺が側近に選ばれた鷹志だ。
あまり怖がらずに何でも聞いてくれていい。」
怖い顔を近づけ握手を求める。
撫子は少し怯え気味に微笑み1人ずつ名前を顔を見ながら復唱した。
個性的な紹介を終えて明日からお嬢そっくりに動けるように鷹志が指導するとそれだけを決めその場は散った。