第二話「俺と喜一と学校へ行こう」
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羞恥プレイは大好きですから。
「…………変な夢…………だったのか?」
龍輝は靄のかかった意識のまま、ボソリと呟いた。
変な夢だったような気がするけど記憶が曖昧で、良い夢だったと言われればそう思ってしまいそうな程、夢がぼやけている。
「良い夢だったんじゃないかな?」
訂正。
こいつに言われて確信した。
絶対悪い夢だ。
「早く起きないと入学式に遅れるよ?もう8時だし」
ウソ!?マジで!?
見てみると、確かに7時55分。
急がないと遅刻だ!
急速に意識がハッキリする。
4月10日・望月学園・入学式・寮・相部屋・そして―――
「なんで起こさねぇんだよ喜一!遅刻したらテメェの所為だぞ!ぶん殴ってヤンからな!」
「目覚ましを粉砕するようなヤツ、怖くて起せないよ。未だ死にたく無いもん」
飄々とした物言いに思わず脱力する。
ってか、目覚まし粉砕って…………
「ワー!寮生活に備えて買ったクマの目覚ましが〜!?」 おっしゃる通り粉砕してあらせられる!!!
「一所懸命に太鼓を叩いてたけど、予想通り殉職したね。僕が起しても良かったけど、頑張ってるとこみせられちゃって見守るしか出来なかったんだ」
喜一がなんかほざいてるがどうでもいい!
熊太郎(今命名)を抱きながら、龍輝は男泣きにくれた。
「さてと、俺が用意してやったからウジウジしてねぇで、トットと着替えろ」
喜一が外向きの顔になった。 釣られて俺も外用の顔になる。
「ウン、分かった。直ぐに着替えるから少し待っててくれないかな?」
初めてオレラを見たヤツが先ず最初に思うのはキャラ逆じゃね?だろうな。
理由は単純明快で俺はひょっとするとヤーサンより怖いコワモテだから。
そんで喜一は絵に書いたような優男だから。
俺は席替えの後、横の女子の世界の終わりみたいな顔がトラウマになって語調や表情を優しくする様になった。
そいつに密かに想いを寄せていたからそれも要因だ。
喜一は中性的で幼い顔の所為で馴々しくナメた口を利かれる。
それが我慢出来ないらしくそれを防止する為に意図的に口汚なく喋るようにしているらしい。
小さく、
「ヒッ」って言われる身としては羨ましい限りだがな。
馴々しい、なんて光年の単位くらい距離があるぜ。
「サッサと行こうぜ、龍輝。マジで時間がヤバい」「ゴメン、お待たせ。走らないと間に合わなそうだね」 身支度を終えて、待たせた事を謝る。 喜一はもう走り出していた。
「ちょっ、僕が謝る間位は待ってよ!」
先を走っている喜一に、龍輝の叫びは届かなかったようだ。
更新スピードは早めを心掛けます。