第十三話「八時だよ!全員集合!」
スイマセン!!!
色々有って更新が止まってました!!!!!
今、読みやすくしようと頑張ってる最中なんです!
もう暫くしたら更新速度がマシになるハズです……………多分。
見捨てずに待っていてくれた読者の方々、アリガトウ!!
安心してサボれます!(オイッ!)
ビシッ!
「という訳さ!分かった?タッチャン?」
喜一はそう言って両手を両サイド一杯まで広げた。
腕は異様に長く、伸ばし切った幅はピエロの身長の二倍はありそうだ。
…………何故にそこまでオーバーリアクション?
俺が冷めた目で見つめてると、見兼ねた喜一が俺の目の前で手を振った。
「おーい、タッチャァン?ビックリしすぎて気絶しちゃった?タッチャンてヘタレな所があるよね、ケッコウ」
「テメェのオーバーリアクション見てテンションが、だだ下がりしただけだっつーの。テメェはもうす…こ……し…………大丈夫か、喜一!?手が骨だけになってんじゃねぇか!!」
振られていた手は骸骨のようで、肉はおろか皮すらない。
「ああ、これ?これは元々だよ?モンスター名を付けるとしたらガイコツピエロ、ってのがピッタリかな?」
よく見れば全身骨だけなのが分かる。
細身なんて生易しい感じじゃない。骨組みしかない、人形劇に使われる人形みたいだ。
露出が少ないから全然気付けなかった。
露出してるのは手首から上と仮面と帽子の僅かな隙間、後は全て服やら帽子やら靴やらで隠れている。
「ジロジロ見ないでよ。恥ずかしいじゃん」
仮面の頬がほんのり赤くなる。
腕を使って臍辺りを隠したり、胸辺りを隠したり。
演技なのが丸分かりで白々しい、つかキモいからクネクネすんな。
仮面が赤くなるって地味に凄くね?
若しこんな体じゃなかったら、拳骨の一発二発カマすんだが生憎この体では頭まで届かない。
そういや羽があったな、俺の体には。
俺が羽の存在に気付いた時に、俺と喜一は話し掛けられた。
「東君と笑田君だよね?私、咲花舞美です」
現実世界と同じ声。
振り仰ぐとそこにいたのは……………。
「うわぁ、可愛い!!東君、ヌイグルミさんみたい!!」
抱えあげられた後、思いっ切り抱き締められた。
もしかしたら思い切りでは無いかも知れないが、今の俺にとってこの締め上げは拷問に等しい。
「ぐ、グルジイ゛」
自然そんな声が出る。
「ゴ、ゴメンナサイ!!可愛かったからつい………」
慌てて力を緩めて咲花が謝る。
「ゲホッ。イヤ良い、次から気を付けてくれ。ゴホッ」
咳き込みつつ、フォローする。
何でこんなに弱いんだ、俺の体?
絞め殺されるかと思ったぞ、マジで。
ヒョイっと喜一が俺を咲花から奪い取る。
俺は物じゃねぇぞ、軽々と扱うな。
でも咲花の姿がよく見える様になったから許してやる。 今一度咲花の見てくれをガン見する。
咲花の格好は、一対の羽の付いた兜。
顔は現実世界と同じ。
一枚布の、古代ローマを彷彿とさせる服。
その上に軽そうな板状の鎧を着ている。
背中には純白の翼が一対。
鎧も兜も虹色に輝いてた。
俺達が見やすい様に咲花がクルリと回る。
兜の下からはみでた黒髪が遠心力でフワリと広がった。
「戦乙女………かな?」
「なんだ?その戦乙女ってのは?」
「北欧神話に出て来る闘う天使…………。でも、こういうのって似たようなのが沢山あるから断言は出来ないよ?」
「肉体派な天使が多いって事か?」
「そう言われると全力で否定したくなるけど………まぁそうだね」
「ハッキリしねぇなぁ。要するに喧嘩が得意で天使で乙女なんだろ?違うのか?」
「……………………ウン、間違ってないよ」
スゲェ間だな、オイ。
俺の表現がそんなに気に食わないか?
こうして俺と喜一が話してる間も、咲花は廻り続ける。
…………目を回さないか心配になってきた。
つーか、そろそろ止まれよ。
何時まで回る気だ?
俺の心配を余所にまだまだ回り続ける咲花。
アハハ、何て明るい笑い声上げてやがる。
「それくらいにしとけよ咲花。気分悪くなるぞ」
俺がそういうと漸く止まった。
ニッコリとこっちに笑いかける。
「フゥ、楽しかった。…………あの笑田君、もう一回私に東君を抱かせてくれませんか?」
咲花が喜一へ遠慮がちに言った。
俺に言えよ。
何で喜一なんだよ。
「良いけど………力加減に気を付けてね?」
何か、胸の辺りがスッゲェもやもやしてきたんだが?
「俺を物扱いするな。そういう事は俺に言え」
俺がそう言うと慌てて咲花が言い直した。
街中を彷徨い空野を探す。
「探す相手がどんな姿をしてんのか分かんなきゃ、探し様がねぇな」
「多分有ると思うんだけどなぁ」
「そうだねぇ、名前叫んだりしたらプライバシーの侵害だしね」
「テメ!俺のプライバシーはどうした!?」
「何処をどうしたら出るかなぁ?」
「タッチャンは良いんだよ。どうせ色々と有名だし」
「それとこれとは話が別だ!!」
「ウ〜ン、そういう機能無いかなぁ。人を探す、みたいな」
「オイ、咲花。さっきから何ゴソゴソやってんだよ?」
俺は喜一の頭の上から言った。
俺は今、喜一の帽子の上にいる。
こうでもしないと、人が探せねぇ。
「ああ、人捜しが出来そうな機能を探して…………あった!!」
急に立ち止まる。
喜一まで急に止まったから、俺はずり落ちた。
俺が落下しない様に支えながら喜一が言った。
「何が見つかったの、咲花さん?」
「エヘヘェ。マップ連動型のサーチですよ。ホラ、今設定します。………名前・生年月日・ログイン地域っと。出来ました!この緑色の点が空野さんです!」
「ヘェ、こんな事出来るんだな。スゲェな咲花」
「この真ん中の白い点が私ですから丁度この通りを真っ直ぐですね」
古ぼけた紙にはかなり詳細なマップが書いてあって、緑の点は通りをフラフラとしている。
「こんなのどうやって出したの、咲花さん?」
不思議に思った喜一が尋ねる。
「聞いて無いんですか?お婆ちゃんが教えてくれましたよ?……………先に空野さんと合流しちゃいましょう。その方が二度手間にならないと思うし」
そう言って茶色味がかった目を空野がいるであろう方向に向けた。
「もしかして…………咲花」
「ハイ?」
「俺何色だ?」
「赤とお腹辺りの白のツートンカラーですね。それがどうかしたんですか?」
「ゲームの中だと目が見えるのか!?」
「ええ、私の視覚野はちゃんと動いてますから、夢は見れますよ?」
首を傾げ、困った様に、何処か嬉しい様に咲花は笑った。
「変な事聞いて悪かったな。スマン」
「あ、謝らないで下さいよ。や、やだなぁ東君たら。さ、さぁ行きましょう!」
そう言って歩き出す。
急に喜一が動いたのでまた俺はずり落ちた。
今度は支えて貰えず落下したが。
俺を片手で拾い上げ、喜一は咲花を追いかけた。
………完璧に物扱いだな、俺。
ジンジンする体に顔をしかめて、龍輝は内心で呟いた。
暫く通りを歩くと、道が開けて、広場の様になった。
円状の噴水の前で咲花が立ち止まる。
喜一も立ち止まる。
俺をすぐカバー出来る様に構えながら。
そ、そんな気遣い無用なんだからねっ!!
…………………………………………………何でもない、忘れろ。
俺は噴水の縁の上に降ろしてもらった。
キョロキョロと辺りを見回す咲花。
やがて何かを思い付いたのか、ポンッと手を叩く。
「私です、サッキーです!いたら返事して下さ〜い!」
なるほど、渾名か。
それならプライバシーとかは大丈夫だな。
気が付いた俺は恨みがましく喜一を睨む。
多分睨めてねぇが。
「どうしたの?お腹でも空いた?」
「何でわざわざフルネームで叫びやがった?」
「あ、それ睨んでたんだ。てっきり甘えてるのかと思った」
クソゥ。
普段が普段なだけに、リアクションし辛い。
「良いから質問に答えろよ」
「いやぁ。お恥ずかしながら結構取り乱してて。もしかしたら事件に巻き込まれたりしてるかも!とか考えちゃって………無我夢中で」
おもっくそ目を泳がせながら喜一が言う。
「それにしちゃあ、随分と楽しそうだったなぁ。ええ?」
「咲花さん、どう?空野さん来た?」
「ウウン、ここにいるハズなんだけど………聞こえなかったのかな?」
あ、逃げやがったな。
咲花が叫ぼうと息を吸い込む。
「ヤッホー、サッキー」
野の声がした。
俺以外は現実世界と同じなんだな、声。
つーか、アイツ何処だ?
「空野さん?何処にいるんですか?」
咲花の問掛けに空野が返事を返した。
「下よ下。噴水の池」
覗いて見ても何も無い。
唯俺たちが映ってるだけだ。
突如水が飛び上がった。
「バァ!!!」
反射的に後ろに体を反らす。
バランスを崩して、頭から落ちちまった。
「イヅ!」
頭がグラグラジンジンしてイテェ。
俺がピヨってると、ヒンヤリとした物が頭に当たった。
「ゴメンね、ボク。頭、まだ痛む?」
つられて見上げるとそこには……………。
正真正銘、何処からどう見ても水の精だ。
周りに水球が二・三個フヨフヨと浮いてるんだから間違ない。
浮いている水球と噴水の水が光を反射し、ある種の神々しささえある。
でも着物って何か間違えて無いか?
群青色の着物には大小様々な、水面を思わせる波紋が描かれている。
水色の帯には金糸で線が入っており、帯を川に見立ててある様だ。
裾から覗く足は白い足袋を履いている。
絵に書いたような大和撫子がフンワリと俺に微笑んだ。
もう一度言われる。
「ウチ、ボクがおる事に気ぃつかへんで、ホンマに堪忍ね?」
「ダ、誰が僕だ!俺だ俺!東龍輝だ!ガキみたいにあやすな!!」
ウッカリ見とれてたらこれだ。
「エェ!?ホンマ!?冗談とちゃうの!?」
「紛れもなく、俺は東龍輝だ!つーか、何で関西弁?」
「これは京都弁や!やなかった…………別にぃ、ちょっとした遊び心だしぃ」
それは一体全体どんな遊び心だ。
「頭大丈夫?」
「もう大丈夫だから手ぇ退けろ。つーか、バァッ!!はねぇだろ普通」
「だから遊び心だって言ってるじゃん。腫れてないみたいだし、良かったぁ。いきなりダメージ蓄積とか最悪のスタートだもんね」
「…………エ゛?」
「…………エ?」
龍輝と喜一はは空野の呟きを聞いて固まった。
ついでに咲花は少し青ざめた。
「………スマン。もう一回言ってくれ」
「だから、まだ町から出ても無いのにダメージが有るとか最悪でしょ?って話」
「えっと、つまり、もしかしたらタッチャンのHPが減ってるかもって事?」
「そうよ笑田君!私も池に居た時にちょっと聞いただけだから良く分かって無いんだけどぉ!なんかね、町にいる時もダメージ受けたりするみたいなんだってぇ!」
「東君!首輪に触ってワン…………じゃなかった、ステータスって言って下さい!」
慌てて言ったのは咲花だ。
首輪じゃなくて腕輪なんだが。
それと何がどうなればワンとステータスを間違うんだ?
取り敢えず言われたようにしてみる。
「こうか?ステータス」
すると目の前にウインドウが展開される。
四角の枠の中に書かれてるのは……………。
ベビードラゴン
HP13/78
PP30/30
SP15/15
体長40cm
高さ30cm
体重4Kg
竜の子供。幼竜で、産まれたばかり。産まれたばかりでとてもひ弱。守ってあげたくなる様なモンスターだ。
………………親切じゃねぇなぁ。
一と七と見間違う様な文体………………。
「って、ダメージ食らい過ぎだろ!!何で初っ端から五分の一にまで削られてんだよ!!脆弱にも程があるだろ!!どんだけ脆いんだよ!?何だ、俺は始まって間もない頃の小早川セ○か!!?」
「東君、ステータス公開って言って下さい。じゃないと私達は見れないんです」
俺のシャウトを右から左に流しつつ言う。
………………………流して貰えて嬉しいような悲しいような。
「ステータス公開」
暫くの間、全員が沈黙する。
「…………体力と解説が可哀相な事になってるね」
「多分犯人は私だろうけど………悲惨ね」
「も、もしかしたら、私の抱っこも原因じゃ………!」
「…………これ、何でダメージが入った………とか分かるのか咲花?」
「多分…………ダメージ詳細表示って言ったら出て来る…………と思いますよ?そこまで詳しく教えてもらってませんけど…………」
自信なさ気に咲花が言う。
モノは試しだ。
「ダメージ詳細表示」
ウインドウが縦長になった。
ヴァルキリーの万力攻撃
15のダメージ
スカルピエロの叩き付ける攻撃
20のダメージ
セイレーンの精神攻撃
会心の一撃
30のダメージ
…………もう言葉もねぇわ。
「………回復しに行きましょうか。せめてもの罪滅ぼしに奢らせて下さい」
「ボ、僕も奢るよ!」
「ワ、私も!!」
解説はあんまりだし、体は弱いし…………何か泣けてきた。
哀愁を漂わせる龍輝を、細心の注意を払って、喜一がソッと抱き上げた。
「お前等のステータスはどうなってんだよ?見せてもらって無いぜ?」
何処に行くのかよく分からないまま運ばれる。
自分だけ見せるなんて、何か不公平だ。
「ん?そう言えばそうだね。ステータス。ステータス公開」
俺の目の前にウインドウが出る。
スカルピエロ
HP780/780
PP500/500
SP800/800
…………何で名刺サイズ?
俺のは五十インチはあったぞ?
後、解説と身体データは何処に行った?
「桁が一つバグって…………ねぇよな。どうせ俺は虚弱モンスターさ…………」
「スゴォイ、笑田君!目茶苦茶ステータス良いじゃん!!」
空野………さっきから思ってたんだが、俺と喜一の扱いに落差つけ過ぎじゃねぇか?
「アレ?身体データと解説は何処に言っちゃったんですか?」
俺と同じ事を疑問に思ったのか咲花が言った。
「そういや無いねぇ、解説と身体データが。何で無いんだろ?」
首を傾げながら喜一が言った。
即座に名刺が反応して巨大化した。
身長170cm
体重8Kg
骨なので身体が軽い。何故なら中身が空だから。
仮面を着けていないピエロは今の所目撃されていない。
……………駄洒落が挟んであるのが少しイラッとするな。
「スゲェな。めっちゃフレキシブルじゃねぇか。会話でも反応すんのか」
「水晶が持ち主の心を読んでサポートしてくれるみたいですよ?お婆ちゃんが言ってました、分からない事があったら水晶に聞きなさいって」
咲花の言葉に呼応した様に、咲花のカチューシャの水晶がキラリと光った。
まだ何も言ってないのにウインドウが現れる。
ヴァルキリー
HP1050/1050
PP700/700
SP300/300
身長157cm
体重??kg
戦場を駈ける気高き乙女。 その剣は大地を割り、弓は空を裂く。
彼女が微笑めば戦は終わる。
…………物騒だな。
そのスグ横に別のウィンドウも開かれる。
セイレーン
HP900/900
PP600/600
SP600/600
身長160cm
体重??kg
水の精。その歌声は悲劇を、争乱を、死を運ぶ。
大いなる母の結晶とも呼ばれるその涙は森羅万象を鎮め、癒す。
「……………何で二人とも体重が載って無いんだ?」
「す、水晶が気を使ってくれてるんですよ。私達は乙女ですから」
「東君、デリカシーが無いわよ?」
で、デリカシーが無い!?
モンスターだろ!?
心にザックリと言葉が刺さる。
………………アレ?何か意識が遠のいてきたぞ?
どんどん瞼が重くなる。
意識が途切れる、その最後に聞いたのは、[ウワァ!!ライフがライフがぁ!!?]という喜一の焦り声だった。
チビロボ(GC)がヤバいです。
執筆がままならない程楽しいです。(マジで救えないド低能だな)
マリオカート(GC)にもハマってます。(今更かよ)
タイムアタックが激アツです。(寂しい奴。ダチは居ねぇのかよ)
クッパキャッスルが51秒×3でガッツポーズです。(変態だな)
()が罵倒していますが気にしません、仕様ですから。(俺も気にしねぇよ?普通だからな)
ココロが挫けそうです………………。(気持ち悪い〜♪)