序章
評価・感想をどしどし下さ〜い。
作者はドMなので辛口もバッチコイですよ。
部屋全体に響く程の力で机を叩く。
叩かれた机から、バラバラとディスクや紙類、何らかの機械部品が落ちる。
別段気にした様子は無く、無表情にそれらを見つめる。
40を過ぎたとは思えない若々しい顔は、しかし生気がない。
その時零す様な、泣き声の様な、呟きが男から漏れた。
「こんなのでは駄目なんだ。あの子の笑顔は戻せない」
悲愴な呟き。
その声とは裏腹に、顔に生気が宿る。
「あの子の笑顔の為に」
声は小さい。
だが、秘められた力は底が見えない程深かった。
今日のスケジュールが男の目に止まった。
暫く考える様に目を伏し、もう一度呟く。
「…………あの子の笑顔の為に」
その目は決意の炎で燃えていた。
男は滑る様な指使いでパソコンを操った。
ある回線を開く。
「僕だ。今から君達にして貰いたい事がある」
暗い部屋。
無数のディスプレイだげが煌々としている。
その部屋で影はソファにもたれながら溜め息をついた。
溜め息と眼球の煌めきから、影が人だと分かる。
無数のディスプレイに流れる文字群を影は追っている。
その時、無数のディスプレイの内の一つが切り替わった。
どうやらメールが届いた様だ。
途端に影が動いた。
影の全身がディスプレイの光によって照らされる。
女である。
それも妙齢で妖艶な、である。
視線を素早く走らせる。
その先には女が育て上げたAI達がいた。
AI達の様子を見て、女が愕然とする。
「アタイの可愛い子分達が全滅!?そんな…………それも寝かし付けられてるだけ?どうして?」
AIはスリープしているだけで、壊されてはいない。
「メールと犯人は同じと考えて良さそうだけど、何で?あの子達を騒ぐ前に眠らせ、ここのファイアウォールを破れる位なら…………何だって出来たハズじゃない。なのに何でメールなんか…………」
親指の爪を噛み、女が長考する。
「罠…………まどろっこしい……………自爆…………愉快犯…………ああ!!!もう!!!!」
考えるのを放棄して、メールを開く。
すると先程と同じ様な文字群が流れ出す。
いや、先程と違い、一切の文字化けが無い。
女は唖然とした後、壊れた様に笑い出した。
哄笑し、髪を振り乱し、狂喜する。
「アーハッハッハッ!!ファアッハッハッハッ!!!!コリャ神様から私への、良い子にしてたプレゼントね。ウフフフ、ウフ、ウフ、ウァッハッハッハッ!!!」
女の頭の中には、差出人の事など一切なかった。
あるのは、これを使って何をするか、という考えだけだった。
シクッタ。なんか上手い事マッドな感じが出せんかった。