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紡がれし罪の血と偽りの  作者: サン
災厄のパズル
77/123

掲げた日。






 老人が残してくれた一筋の道へ、この掲げた正義で。






 「...あんた、かっこよく言ったつもりなら恥じるべきだわ!

せめて契約がどれほどのものか理解してから言いなさい...。

...それに契約したところであたいからあんたに授けられる力は

ほとんどないんだから!」


龍やトーダス達が前方にいる青年の返答を待っている中、

イリミールは小声でアルディアへ言うと、


「力よりも今はイリミールが必要なんだ」


アルディアの迷いのない瞳を見たイリミールは、


「...あんたね...。

契約したところでどうする気?目の前にはヴァリー、後ろにはトーダスが

いて逃げ切れる可能性はほぼないわ」


と言った。


「僕はただここを去りたい。

だけど言葉で言っても逃がしてくれる様子はないなら抗うしかない、

イリミールが救おうとしてくれたこの命を生きているのなら恥のない

ように生きたいから...」


アルディアの笑顔は清々しく、何かが吹っ切れているように感じた。


「...あんたと一緒にいるとあたいまでおかしくなっちゃいそう...

おいで、アルディア・ライド」


そう言うとイリミールはトーダス達に背を向け、龍の方向を向くと

アルディアを前方へ呼び寄せる。

ヘリサはいつのまにかトーダスの背に乗っていた。


「その呼び方意外と...て、照れる...」


アルディアはイリミールから顔を背けようとするが、


「...静かにしなさい。あの女達には絶対今から行う事を見せてはだめ、

あの女達は契約しているからアースドラゴン特有の契約の仕方を理解

しているんだから悟られないようにするのよ」


イリミールは目の前のアルディアにもぎりぎり聞こえるぐらいの声で

話す。


「...我グラウンド・アースの末裔、イリミール・アースはアルディア・

ライドを主とするというこの契約に伴い、彼へ神から継ぎしこの血を託す」


イリミールが言い終えると彼女とアルディアを緑色のオーラのような

ものが包む。

それを見た龍が爪でそのオーラのようなものに触れると一瞬で溶け、

トーダスとヘリサは焦り、大軍の仲間を呼ぼうとしたのか駆けていく。

アルディアは違和感に気付くと彼の腕や左目、額に緑色の模様が

浮かび上がっていた。


「...じっとしてなさい!その模様はあんたがあたいの主になったって

証拠よ!そしてこのオーラに他の龍が触れたら一瞬で肉体は消え去るから

今は安心して契約が終わるまで待っていなさい、まだあたいの血を

あんたに送っている最中よ!

...あー、寿命が500年ぐらい縮まった気がする...さすがに王家と

戦いになったらあたいは死にたくないから契約破棄させてもらうわ、

てかここを抜け出して大陸超えた時点で契約は終わり!!!」


イリミールはアルディアを睨みながら言うも、アルディアは少々痛みに

襲われている。


(...体内に何かが入ってくる...!気持ち悪い...)


アルディアは膝を地へ降ろす。


「...堂々としてなさい、少なくとも今はあたいの主なんだから...。

それにしてもあたいもまだ龍にはなれないみたいね...もしかしたら

1000年生きないとだめなのかしら」


イリミールの言葉にアルディアはなんとか立ち上がるとオーラのような

ものは徐々に消える。


「面白いね!気に入った!とどめは刺さないで連れて帰るよ!」


そう言って、突然龍は溶けていないほうの爪を振りかざしてきた。

アルディアとイリミールは行動が一歩出遅れる。


...


だがアルディアは避けずにそれを片手で受け止めていた。


(......!?)


その様子に龍とイリミールは驚く。


「...力が...!」


アルディア自身も驚いた様子でイリミールのほうを見ながら呟くも、

龍が力を込めて押しつぶそうとしてくる。


「...ガキんちょ!」


その様子にイリミールは少し先に見える林の木を1本操り、

龍の力を込めていないほうの腕に勢いよく突き刺す。

すると木は腕を刺したまま地さえも貫いていて、龍は引き抜くのに

戸惑っていた。


「...今なら!」


イリミールは契約をした後から体の重さが抜け、翼も開くのを確認すると

アルディアへ叫ぶ。


「...っ!」


なんとか龍の爪から逃れるとアルディアは急いでイリミールの背に跨る。


「...行くわよ、あたいも力が漲ってるから振り落とされないように

掴んでなさい!」


アルディアへ言うと彼女は今までにないほど勢いよく飛び立ち、

大軍や龍はこちらを見ているが追ってくる様子はない。


「...イリミール、大きくなったね」


アルディアの呟きにイリミールは一瞬疑うも確かに多少大きくなっている

のを感じた。


「...これも契約のおかげ。

契約ってのは竜から人に血を託して簡単にいえば人に力を与え、

人から竜に血を託すと簡単にいえば竜は知恵を得る。

お互いのいいところを交換するってことだけどその竜によって得られる

強さは変わるし、竜の場合はあたいのように大きくなったりその場で

龍へと変化するのもいる。

...あたいはまだ若すぎたようだけど...!

とりあえずもうどこにも寄り道しないで海まで向かえば夜にはこの大陸から

離れられそうだからさっさとあんたとおさらばしたいわ」


イリミールは疲れた様子で話すとアルディアは笑う。






(今まで僕のそばにいてくれていた人が僕を必要としなくなっても

僕は僕を必要としてくれる人との未来のために生きていけばいい、

ただそれだけだった。

そのうえで僕の信じる正義で最初はイリミールから守っていきたい)




 次話、新章突入。

青年の意志と正義をより強く。


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