真実を見つけ出すために。 ~外伝~
偽りの記憶の中にいるもう一人の自分。
「アルディアー!起きなさい」
太陽の照らすベッドの上で寝ている少年を起こしに一人の女性が
部屋に入ってきた。
「...もう少し寝かせてよ...」
そう言った少年のベッドに女性は座ると、
「悪い子なアルディアは朝食抜きね」
と言って布団をアルディアから離す。
「今日もお友達が呼んでいるわ、起きてあの木に向かいなさい」
その言葉を聞いたアルディアはとっさに布団から出るとリビングへ
向かう。
この時はまだ9歳ぐらいに見える。
「母さん!ご飯早く、早く!」
リビングの椅子に座りながら足をバタバタし、母を急かす。
その光景に母であるアルマも幸せそうな笑みを浮かべている。
(...もう待てなーい!)
アルディアは母にばれないように目の前に置いてあったパンを口に
咥えると1冊の本と何か飲み物の入っているマグカップを持ち、足早に
森のほうへ入っていく。
それから数分後、アルマは静かすぎると気付くが遅かった。
「...もう、二人分もこんなに食べれないわ...お友達を呼ぼうかしら」
アルマはそう呟くと何かを思いついた表情でどこかへ行った。
「...ねーねー、どうして君達はこんなところに住んでいるのー?」
アルディアは木に向かって話しかけていた。
口の横にはジャムのようなものがついている。
「...あんたねー!誰にでもあたし達の姿が見えてると思ってんじゃないの?
あほ面しちゃって、これだからガキは嫌いよ!
どっか行きなさい!」
木のほうから女の子のような声が聞こえる。
「だっているじゃんー、ねーねー、なんでなのー?
なんで僕とお話するのー?僕のこと好き?」
アルディアは木を抱きしめながら言った。
「...その子にはまだまだ愛情が必要じゃぞい、好きって言ってやらんか」
突然老人のような声が女の子の声のほうから聞こえる。
「は!?...馬鹿なんじゃないの!頭いかれたのね、くそじじい!」
アルディアは木の中に住む妖精でもいるんだと信じた。
「大丈夫じゃぞ、坊や。わしらはいつでも坊やの味方だから何かあったら
おじいちゃんーって叫ぶといい。
坊やも坊やのお母さんもわしらは大好きじゃ、その証拠に生まれてきたこと
をわしは祝福した。
いつでもここに来なさい」
その老人の声はアルディアに温もりを与えるように優しかった。
「...うん!僕もみーんな大好き!」
アルディアは1本の木を抱きしめながら言った。
「特別な血筋じゃ...皆、彼に何かあったらすぐさま助けなさい」
アルディアの幼少期に潜む一つの真実へ。




