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紡がれし罪の血と偽りの  作者: サン
血筋の復活
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世界を動かすために。






 夕陽が出始めたその真下での両者の出会いは、この先訪れる悲劇の

始まりであった。






 出会った瞬間、両軍は武器を構えて目の前にいる敵を睨む。


「...おやおや、これはこれは闘将ダモスじゃねえかーーーっ!!!

それに横の女の子はイア姫ですかいーーーっ!?

ってことはだ、てめえがアルマ・ライドの子...アルディア・ライドだな?」


クライズは誰よりも先に口を開くとダモス、イアに視線をやった後

アルディアの喉元に素早く引き抜いた剣の先を突き付けた。


(速い...)


アルディアの頬を冷や汗が伝う。


「...ライ・ウィング」


だが斜め後ろにいる少女の声がした瞬間、その剣は地に落ちる。


「痺れるねえええ!やっぱりその雷撃は親譲りだな、イア・ネイラーデ。

だが母ちゃんのほうがおっかねえからな?それぐらいで有頂天に

なってんじゃねえぞ?

今日はてめえとダモスの首を持って帰れとメドリエからの命令でよ、

どうだアルディアちゃん、俺と取引しねえかー?

その2人をこっちに渡してくれたら俺たちはアルディアちゃんと

他のもんには手を出さねえ、だけどもし庇うってんならお前の首と騎士兵の

隊長の首も価値があるから持って帰りてえんだ。

で、どうする?」


クライズの言葉にクルーシア軍以外誰もが怒りを覚えた。


「アルディア様をバカにするような発言したのは許せません...トーダス!」


ヘリサはクライズを睨みながら竜を呼ぶ。

すると、トーダスが後方のほうからやってきて唸りながら尾を地に叩きつけ

威嚇した。


「...おー、こわいこわい!...シャーダクーーーっ!」


クライズはトーダスを見るとバカにしたような視線を送り、自分の龍を呼ぶ。

すると、天を裂くように現れると瘴気が満ちていてどこか不気味だ。


(...あの龍は...!)


トーダスはその龍を見つめると何かに気付いた様子で、


「ヘリサ、まずいよ。あの龍は...申し訳ないが、僕なんかとは力が違いすぎる」


とヘリサへ問いかけると、ヘリサは一瞬だけ驚愕の表情を浮かべた。


「イアさんもダモスさんも仲間です、その取引には応じません。

だけど避けられる戦闘ならなるべく回避したい、クルーシア兵も生身の人間なの

でしょう?無駄に血を流すようなことには」


アルディアは返答するが、話を遮られる。


「...ライド家も言い訳するんだなーーー?本当はシャーダクが怖いんだろ?

応じないならそれだけ言えばいいんだよ、無駄口叩くん...いってえな、なんだ!」


クライズの会話も遮られ、痛みが走った箇所に触れると血が出ていた。

イライラした表情で顔をあげるとアルディアの左後方にいた目つきの悪い男と目が

合った。


「アルマ様やアルディア様の悪口は俺が許さねーかんな?

龍にばっか頼って、お前は子供かっ!」


そう言いグレムは持っていた小石を再び投げると今度はクライズの鼻に当たった。


「こら!馬鹿者!」


グレムはヘリサのげんこつを食らうと横にいたサクリに足を強く踏まれた。


「いでっ!すんまそん、姉貴!...でもあいつが悪いだろ、眉間に皺寄せて

鼻血垂らしてるあいつがよ...」


その言葉を聞くとクライズはふいに俯いた。


(アルディアさん、イアはとてもまずい状況だと思うけれど...あなたはどう

判断するのかしら?)


イアは険しい状況でその様子を見ていた。


「...鼻血は大丈夫ですか?」


アルディアはクライズへ問う。


「...ぶっ殺す」


クライズはそう言うと腕を高く突き上げ、クルーシア軍に前進の合図を送る。

それを見た軍隊はそれぞれ武器を構え、突っ込んでくる。


「シャーダク!」


クライズは龍を呼ぶと、あの不気味な鳴き声で動きを封じようとした。


「...正面からやり合ったら勝てる自信はないが、その口と目を塞ぐぐらいなら

余裕なんだよ」


トーダスはシャーダクの目に木々を突き刺し、口を蔦で縛る。

シャーダクは苦しそうにもがいているが木々も蔦も太く容易には外れない。


「...竜の分際で...てめえ...」


クライズはトーダスに向かいながら騎士兵達を切り伏せていく。


「...ちょっと待ちや、お子ちゃまの子守は俺様得意だぜ?」


グレムもクライズの前方からクルーシア軍を倒してきて正面のクライズと

目が合い、言い放った。






 場面が変わると空の上を飛んでいるアスルぺ達がいた。


「...非常にまずい状況だよ、アイアスの手も借りたいぐらいにねー」


アスルぺとザイスは何か話しているようだ。


「...母上と妹の安否も気になりますがそれよりも王家は怖いです。

妊娠中で不調でもあんな雷撃を放てる人間がいるなんて...」


アスルぺは真剣に悩んだ表情をしている。


「...幹部はまだ目覚めていないようだが、これ以上は阻止していきたいな。

ザイス、私の供としてこれから神達に一緒に会いに行こう、近況報告もだが

他の神龍達の安否が気になるからね。

ライトニング・サンなんて約6000年ほど神龍会議に参加していないらしい」


その言葉にザイスは驚きながら、


「...まだお強い母上なら分かりますが、僕なんかついていっても大丈夫なの

でしょうか...」


ザイスは不安気な表情で言う。


「...気にすることないよ。その前にアルディア達の元にケヴィン達を

届けてからだけどね。

あ、グラウンドアースの末裔のトーダスって竜もいるから仲良くしてあげてよ、

彼は私の毒風さえも防ぐ術を持っていて強いんだじょー」


アスルぺは笑いながら言うとザイスも驚きと笑いが混じっている。

その背にはケヴィン達が寝ていた。






 場面が変わり、ここはどこか暗い場所。


「...さて、報告をしてもらおうか」


その声は暴食が兄と言ったあの岩陰にいた者のようでここは「死の墓場」か。


「はいー、もちーろんでーございまーす。

わたくしーめはクルーシアー軍にー紛れてトロール達ーと戦っていたー

のですーがーアルーマ・ライードやアルーディア・ライードを慕ーう

若くー、目つきの悪-い男ーに膝を刺さーれ、クルーシアーには戻-らず

死んだふりーをしてここまーで帰ってーきまーした。

収穫ーだったのは王家はーいつーでもこちらーに力を貸しーてくれそうな事ー

と生きている正統なーライド家の確認ーですー!!!

絶闇教本ーも王家に渡してーきまーしたー!」


その声は間違いなくグレムに膝を刺され、アスルぺの毒で死んだと思われていた

あの男の声だ。


「...ご苦労、ご苦労、ヨゲス。

いつもいつもライド家に阻まれてきたからな...前回も幻龍とレイコに...

だが今度こそは慎重に全ての兄弟達を目覚めさせ、我らの時代を作ろうぞ。

王家は面白い事をしているじゃないか、歓迎しないといけないね。

だが正統なライド家...その忌まわしい血筋は受け入れられない...復活は

我らを敵に回すということだ...フハハハハハ」


その者は笑いながら、






「...開戦だ、クルーシアへ向かうぞ!」


と言うと多くの紛い者、謎の軍隊、謎の龍達を引き連れ行進を始めた。




 積み重ねてきたコトがどんなに小さくても、それはいずれ世界を大きく変えるため

の価値のある一歩となる。

次話、新章突入。


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