きていた。
未来と愛、そこに繋がるための一歩。
(何故、お前達は神に武器を向ける...?)
アイアスはどこか呆れた様子で、どこか哀しげな表情で目の前で見合っている武装兵へそう思った。
「......」
数百はいるであろう武装兵達はなにも発さずにただ手に持った剣や槍の先を神へ向けている。
「馬鹿な真似はよしなさい。あなた方、人間達が龍と神を敵に回してどんな人生を送れるというのだ?我々は人間達からすれば邪魔なのだろうか?......冗談はよしてくれ、そんなはずはないんだ。我々が知っている人間というのは」
目の前の神の話を遮るように一筋の光が武装兵側から放たれ、それは神の顔面を貫くように捉えた。
「父上!!!?」
その光景を見たくなくてもあまりにも突然で眺めることしかできなかったアイアスが静かに崩れ落ちるように倒れる父の様子を真横でその目に焼き付け、それと同時に怒りが彼女の姿を変える。
「アイアス様!!!」
「やるんですね!?」
「...姿が...」
自分達のリーダーの容姿がみるみる変わっていく様子を見た周りの氷竜達が「そういうこと」だと気付き、武装兵達と神を襲った一筋の光を放った「それ」を交互に警戒しながら威嚇をし始める。
「......もう誰一人生かして帰さなくていい、生かしておかなきゃいけない理由など私がこの尾で断ち切ってくれる」
氷の鎧を纏いし氷の長剣の如し尾を持つ姫は武器を構えながら勢いよく駆け出してきた武装兵達へ何の躊躇もなくその尾を振りかざした。
場面が変わる。
「地鳴りが止まない」
アルディアは地を割るようなその音を耳にして、仲間達へ疑問を投げかける。
「どんどんこっちに向かってきてるのは間違いないわ。ただそれが『何か規格外に巨大な生き物』なのか『地殻変動による地割れ』なのかは分からない......どちらにしろ、イアの勘からすればいずれここも安全とは言えなくなるはずよ』
イアは青年の疑問に勘による推測を返答し、何故か北の空を見つめていた。
「思い出した、多分正夢なんだろうな...地鳴りの方角からすればおそらく北から上陸して来たんだもんな」
アルディアは昨日見た夢と事実を思い出し、ひっそりと呟いた。
「もし北から上陸してきたのが規格外の巨大な生き物だとしたら......そういうことよね?なら早急に指示を下しなさい、もたもたしてられないわ」
イアは彼の呟きにふと気付き、周囲の集まっている仲間達も表情を引き締めた。
「......勇気ある者と紅の姫......」
青年の言葉にイアは、
「...は?」
と予想外の理解不能な言葉に疑問を浮かべながら彼を見つめた。




