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初の依頼と初授業

先輩と別れた後、少し考え事をしながら教室に戻って行き、教室の近くまで来て直ぐに次の授業が何かということが頭に浮かんできた。

それは、この静かな廊下に自分以外には目の前の人物しかいなかったからだ。


何でまだこの人廊下にいるんだよ。もう始まってから5分以上は経っている筈だぞ。

さて、どう話しかけようか?はたまた、話しかけようか、止めとこうか?

これはしばしば考えなければならないことだよな。

余り合ったことのない人に話しかけるときは少し戸惑うものだ。最も俺はそんなタイプじゃあないけどな。

それなら何故何も言わないのか?


それは、・・・・・・・・・・・・・この人が面白いからだ。


何故面白いか?

それは、止まっているまた、動かない、ジッとしている物を見ていてもあまり面白くもない。ま、この人みたいに奇麗だったり可愛いものだったら良いかもしれないけど。

それは、さておき動いている物はどうでしょう。僕は規則的なものでも不規則的なものでも、なかなか興味をそそられます。止まっている物と違って動いている物は目につきますし。動いている物には次もありますから。

最も僕なら、止まっていたら動かしますが・・・・・・・・・・・・・。


で、この長い前振りで結局何が言いたいのかと言うと目の前にいる鳴海先生が僕がこれだけ長々と考え事をしている間も忙しなく動いているという事に他ならない。


何時までもこうしていても俺は良いんだが、この人はそうはいかないだろうから残念だね。


「鳴海先生、少し落ち着いて下さい。」


いきなり声を掛けられて驚いたのか、少し飛び上ってしまった。

だが、現実世界には戻ってきたらしく、さっきより動きが少なくなってきた。


「落ち着いてきたみたいですね。僕が先に入ってそのあとに鳴海先生を呼びますんで心の準備をして置いて下さい。・・・・・・・・・・・・・・・・・そんなに緊張しなくてもいいと思いますよ。ここは、・・・・・・・・・・・・・・・いや、ここでは前の時みたいなことは起こさせないから。」


はぁっ、悪い癖が出たな。感情が高ぶるとつい敬語を忘れちまう、気をつけなきゃな。


先生が後ろで何か言ってた気がするが、それを無視して中に入って行った。





教室の中は俺が入ってくるまではどの教室よりも騒がしかったが、俺がドアを開けた瞬間に急に静まり一斉に俺の方を見て来た。

朝日は何かリアクションを取ろうと思ったが、何も思いつかなかったので、優しく笑いかけた。

その時周りの人が小さく歓声を上げたのだが、朝日はお構いなしに教卓の後ろまで行くと、皆に呼びかけた。


「皆さんは何故先生がこの教室にまだ来てないか、ご存じかな?」

クラス内で比較的にノリの良い人達が首を振った。


「じゃあ、気になりますか?」

今度はさっきよりも多くの人が、頷いて、同意の意を示す。


「ではお答えしましょう。先生は言ってましたでしょう、まだ新人だ、と。経験が不足しているんです。こんなことはまだ人生で経験した事がなく、緊張しているんでしょう。(あるいは、もう後がなく切羽詰っているか)だから、教室前でずっと不安にさらされていたんです。(でなかったら、電波をどこかに送っていたか)今、僕が合図をすると先生が入って来てくれるんですが、皆はあまり喧しくせずに、温かく見守ってあげて下さい。できない人は手を挙げて下さい。

この授業が終わるまで夢の世界に連れて行ってあげます。」

笑顔で言い切ると、途中手を上げようとしたこのクラスのお調子者の男子数名が、あいつならやりかねん、と思い手を下げた。

クラスの人全員が納得してくれたとわかると朝日は、先生入ってきてください、と言って先生を呼んだ。


先生は明らかに緊張していた。その要因の一つに動き方がある。わざとやってるんじゃないかって思う程ぎくしゃくとした動きで教卓の所まで移動してきた。

これをこのタイミングでわざとやってるんなら本当に大したもんだけどな。

そして、他にもあるのだが、もう1つに顔を上げられない。

確かに大勢の人の前に行くと緊張して上げられなくなるのは俺にはそんなことはないが他の人の話しを聞く限りそうなんだろうが、それなら何故教師になったんだよ。

それに何か喋らないとそんな下向いててもな。仕方ないな、


「先生、今日までの授業は32ページだったので、次は33ページをやるのだと思いますが?」


先生はそれを聞いてなんとか授業をしようという気にはなったらしくまだかなり緊張している様だが、し始めた。










クラス皆が1つの感想のもと団結することとなった・・・・・・・・・・・・・・疲れた。


先生は教科書1行読むごとに1回は噛んでいるんじゃないかというペースで噛んでしまい。そのたびにみんなに謝り、だんだんと先生の緊張度も上がっていき生徒たちにもそれに合わせて緊張してしまい、最中的には教室内に何だか分からない、重量発生器でもあるんじゃないかという位の空気が成形されていた、・・・・・・・・・・・ある一人の少年以外に。


その少年はクラスの皆が固唾をのんで見守っている中、鼻歌でも歌い出すんじゃないかという位に機嫌がよさそうに見えた。最も朝日の席は一番後ろの端なので、このことに気ずいた人物も極僅かだったのだが。


そんな事もあったが、なんとか先生のメーターが限界値を超える前にチャイムの音が鳴り事なきを得た。


クラスメイトの大半が放心状態で机に突っ伏している中1人が言った。


「シシシッ、あの人面白いなー。・・・・・・・・・俺の所に・・・・・・・・・・」

もちろんこの言葉が聞こえたのも周りの数人だけだった。







この日も放課後になった後、皆で部室に集まって朝日と上村は読書、岡崎はソファーの上で眠っていた時だった。


「岡崎起きろ、客だ。」


と言って、朝日が姿勢を正した時だった。


部室のドアが開いて誰かが周りをキョロキョロと見ながら入って来た。


「ようこそ、何用ですか?取り敢えず腰かけて下さい。早く起きろ。」

手に持っていた本を岡崎に向かって投げながら言った。

見事に顔面に命中し、岡崎は顔面を抑えながら呻きだし、朝日が、廉頼む、と一声掛けると後ろに岡崎を引きずって行った。


「さぁ、どうぞ。あの子なら心配いりません。いつものことです。」

そんなに知り合って日にち経ってないけどな。


入って来たのは女の子で渋々ながらソファーに座った。


「それで、何用ですか?」

話すまで少しの間はあったが少しずつ話し始めた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・あ、あの。じ。実はね、今・・・・クラスで、いじめ、が起きてて、・・・・・・・・それで、皆・・・何でって、思って、るんだけど、分からなくて。」


「フフッ、要件はその人を探し出して裁け、とそういうことですか。」


「・・・・・・・・・・・・・はい。」


「一つ、いいですか?」

何も言わなかったがそれを肯定だと受け取る。


「あんたも被害にあってるだろ。」

今までと違って少し強い口調で


「・・・・・・ッ!!・・・・・・・・・そ、それ・・・・・・は・・・。」

そうか、やっぱりな。全く、面白味に掛けるね。もっと首尾良くやれよな。これはちょっと違うか、根本的に駄目なんだから本末転倒か。


「もう構いませんよ、大丈夫です。任せておいて下さい。・・・・・・・・・・その代り、全てがうまくいったら対価が必要なので悪しからず。」

とても柔らかく微笑みながら言ってあげた。


女性は一言、済みません、とだけ言って頭を下げると足早に出て行った。


「何だったの、今の。」


「旅行前の軽い余興だよ。」




この時の目はかなり印象的だった。

力強く、それでいて、何とも儚げな目だった。







Introduction No,八


鳴海なるみ 真奈まな


職業 臨時教師 


担当 現代国語 古文


身長 150cm 容姿 上の中 かわいい系


性格 内気、ドジっ子、人見知り、・・・・・etc



前の職場で何かが・・・・・・・・・・・・?


朝日は何を考えている・・・・?


電話の内容とは・・・・・・?


―――――――――――


作「それではよろしくお願いします」


鳴「あ・・・・・あの・・「こちらこそよろしくお願いします」」


作「・・・?これまた早速なんですが、何故教師に?」


鳴「そ・・・・それは、「子供が好きなんですよ。」」


作「・・・??じゃ、じゃあ教師になって何か困ったこととかは?」


鳴「え・・・えっと、「あまり差し当たって言うことは無いですね」」


作「おい、お前なぁ。」


?「今回はこれで終わりです。」


作「おい!!」



次回はあっさりと依頼を解決してしまう解決編です。




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