目覚め地獄
揺りかごにたゆたい
楽園の温みにまどろむ
光溢れる七色の世界を
風に乗り
雲を撫で
どこまでも
(ジリリリリッ)
空気を切り裂く鐘の音
審判のラッパのごとく
凄惨な絶望を沸き立たせながら
迫り来る地獄の目覚めに抗えない
ああ、なんてだるいんだ!
全身に岩を負わされているのか
いいや岩などない
この身自身が岩のように重いのだ!
私が何をしたというのか
目覚めの度このような責めを受けねばならぬとはいったい何の罪なのか!
(グルルルルッ)
岩の責めの終わらぬうちに
身の内に膨れ上がる「虚」
「虚」は激しい欲という責めを生んで
欲は身の内から響き出す地鳴りとなる
ああ、腹が減っている!
全身に虚無を負わされているのか
いいや虚無などない
この胃自身が虚無のごとく空なのだ!
私は何もしたくないのだ
昨日も食べたしその前も食べたというのにまだ食べねばならぬというのか!
いいや
いいやもう十分だ、抗うまい!
私は私の全てを受け入れる
胃の虚無も、岩のように重い身体も
ありのままを受け入れる
そして、飛び立とう
何者にも縛られない
自由の世界へ
光溢れる七色の世界へ
さぁ今こそ、飛び立とう
揺りかごにたゆたい
楽園の温みにまどろむ
光溢れる七色の世界を
風に乗り
雲を撫で
どこまでも
(ピロロロロッ)
空気を切り裂く鐘の音
審判のラッパのごとく
凄惨な絶望を沸き立たせながら
迫り来る地獄の目覚めに抗えない
通話ボタン、それは終焉の合図
だが抗えない、審判は下った!
愚かな私は押さねばならない!
(ピッ)
「もしもし…」
「出勤時間過ぎてますけど」
いざ参らん
真の地獄へ




