マジキレそうだわ
「この女ああああ」
劉備は公孫瓉の元に走った。そして剣を振り上げた。
「こうなりゃ、意地でも俺の奴隷にしてやるぜえええ」
「ふん、雑魚め。私は楽をして貴様を殺したいのだ」
「テメーはどこの究極生命体だコラァ」
劉備の剣が公孫瓉の体を掠った。彼女はクルクルとアクロバティックにバック転を繰り返すと、そのまま距離を取った。
「お前、武器はどうした?」
「ふん、私は武器を使わない。この拳が武器だ」
公孫瓉は地面を足で蹴り上げると、そのまま劉備に向かって飛び蹴りを放った。劉備はそれを後ろに跳んで避けると、さらに公孫瓉は両手で地面を突いて、まるでバネのように使うと、再び劉備の顔面目掛けて蹴りを放った。
「やべ・・・・」
気付いた時にはもう手遅れだった。公孫瓉の蹴りが綺麗に劉備の首に炸裂し、グニャリと曲がった。
「おい、マジかよ」
周りの生徒達がざわめき始めた。劉備はそのまま仰向けに倒れると、太陽を見つめたままピクリとも動かなくなった。よもや首の骨が折れたのではないか。皆の視線が劉備に集中した。
「き・・・・か・・・・ね・・・・えよ」
劉備は何と立ち上がった。しかしどこか不自然な部分があった。それはまるで寝違えたように、首が曲がったまま固定されているからだろう。
「お前、何だそれは」
「何、ドン引きしてんだよ。俺一生このままかも知れないんだぞ」
「知るか」
「テメーらよくも」
「いや、やったのは私一人だが・・・・」
劉備は剣を振り上げると、デタラメに振り回していた。視界が常に傾いているので、相手の位置や方向を上手く調整できないのだ。
「これは、赤子の手を捻るよりも容易いな」
「言ったな」
「ふん、終わりだ」
公孫瓉は止めとばかりに強烈な蹴りを劉備の顔に向かって放った。その時だった。劉備はニヤリと笑うと、まるで待ち侘びたように、反対側を向いて首を自ら差し出した。そして案の定、劉備の首に蹴りが命中した。しかしそれこそが、劉備の策だった。
「ありがとよ。おかげで首が治ったぜ」
劉備はそのまま公孫瓉にぶつかり、押し倒すと、そのまま馬乗りになって、顔を彼女の胸に埋めた。
「ちょ、ああん、止めろ」
「ぬぐぐぐ」
劉備は剣を手放すと、そのまま頭をグリグリと公孫瓉の胸に押し付けて擦った。
「止め、ひゃめろおおお」
「うおおお、降参しろおおおお」
「しゅるからあああ、胸らめええええ」
校庭内にアホ達の声が木霊していた。そしてその瞬間、成都高校の勝利が確定した。