久しぶりね関羽
関羽は山奥の滝の下で、自慢の青竜刀で素振りしていた。まだ、肩は完治しておらず、一回振るごとに鈍い痛みが走った。それでも、筋力は鍛えなければ、1日ごとに確実に落ちる。止めるわけには行かない。
しばらく無心になって続けていると、遠くの方から、何やら視線を感じた。見ると、そこには紫色の艶やかな髪を風に靡かせた曹操がいた。
曹操は腕を組んだまま、何故か薄ら笑いを浮かべていた。
関羽は手を止めて、曹操の方を睨み付けた。
「何か?」
「私のことは気にせずに続けて」
「ふん、気味悪くて集中できない。用件は?」
「あら、ただ会いに来たじゃだめ?」
「ダメだ」
曹操は柔らかな笑みを止めると、急に真剣な眼差しに変わった。関羽は思わず唾を呑んだ。からかいに来たわけではないと、分かったからだ。
「一つ聞くけど。五胡連合学園って知ってる?」
「知らないけど。それが何か?」
「二年前の大会で、突然現れて、無敗のまま優勝をかっさらった、超有名校よ。何故か去年は出場しなかったけれど、今年は出てるわ。何と、次の試合で建業高校と当たるの」
曹操の話は興味深いが、関羽はそれどころでは無かったので、対して反応もしなかった。
「精々気を付けなさい。うちの学生達は意気消沈してたわ」
曹操の言葉に、関羽の手が止まった。
「悪いな曹操。そちらの学生達は知らないが、うちの連中は、それを聞いたら寧ろ燃えると思う。忠告ありがとう」
曹操はそれには応えず、そのまま関羽の元から去って行った。もちろん彼女とて諦めてはいない。しかし、関羽の能天気さは羨ましかった。
一方、大会の方もいよいよ大詰めとなった。成都高校が2勝し、次は劉備の試合だった。実力だけ見れば、南陽の実力は洛陽に遠く及ばなかった。しかし、皆が心配していたのは劉備のことである。
南陽との試合が始まってから、どうも劉備の様子がおかしい。しかし、それを咎めようにも、原因が分からない。かくして、暗雲渦巻く中堅戦が始まった。




