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謀略の大会

 大会当日、関羽は怪我により休養。そのために成都高校は苦境に立たされていた。リーダーであり、最強の実力者を欠いた状態で、果たして勝てるのか。劉備以外の誰もがそれを心配していた。そして第一回戦、現れたのは魏延では無く、張飛だった。


「おい、アイツ、レギュラー復帰したの?」

 劉備は諸葛亮の肩を指で突いた。

「何も知らないんですね。あれから張飛さんは魏延さんを負かしたんですよ」

「へえ、まあ頑張ってくれや」

 劉備は眼を泳がせながら、何故か落ち着かない様子だった。副部長兼部長代理の趙雲が、その変化に気付かないわけが無い。


「彼、何だかおかしいわね」

 黄忠に相談してみると、彼女は全てを理解したかのような含み笑いをしながら言った。

「きっと、彼、敵と内通してるわ」

「どうしてそんなことが言えるの?」

「だって、明らかにおかしいじゃない。さっきから、あっちのマネージャーばっかりチラチラと見てる。きっと寝たのね」

「いやいや、不純性交遊になるからね」


 二人は劉備の背後から近付くと、鋭い目で彼のうなじをずっと見つめていた。


「ねえ、そこの坊や」

「はあ?」

 劉備は不機嫌そうに黄忠と趙雲の方を振り返った。

「何すか?」

「あなた、私達に隠していること無い?」

「無いっすよ。どういう意味ですか。僕が信用できないんですか?」

 劉備は酷く興奮していた。しかしその態度こそが、彼が潔白では無い証拠である。


「そんなに怒ることじゃないでしょ」

「いいえ、僕を信用してくれないなら、もうやってられません。僕はこの大会を降ります」

 劉備は足元の石を思い切り蹴ると、不貞腐れた子供のように、その場から立ち去ろうとした。

「待て」

 劉備の頬に趙雲の剣の刃が添えられた。

「やっぱり怪しいわ。何か隠しているでしょ?」


 劉備は刃を頬に当てられた状態で、何やら呻き声のようなものをあげていた。そして観念したのか、ゆっくりと眼を開いて、趙雲と黄忠を見た。


「分かりましたよ。実はね。敵のマネージャーからわざと負けるように言われてまして。もちろんタダじゃないですよ。約束を果たせば、ここでは言えないようなことをしてもらえるんです」

「そんなことだろうと思ったわよ。皆を裏切るつもりだったのね」

「ええ、このままじゃ、俺は嘘つき星人ですよね?」

「嘘つき星人だなんて可愛いレベルじゃないわ。ただの極悪人よ」

「待って。ほら、試合が始まってる」

 劉備は誤魔化すように張飛の方を指した。彼女は蛇矛を持って奮戦していた。

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