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取引き

 成都高校内ではレギュラー争奪戦が行われていた。劉備は欠伸をしながら興味無さそうにそれを見ていたが、ふと、遠くの方で、自分に手招きをする美少女を発見し、鼻息を荒くした。


「諸葛ちゃん。俺ちょっと外すわ」

「え、大事な試合ですよ。見た方が・・・・」

「良いよ、ブス同士のキャットファイトに興味無いし」

 劉備はそのまま体育館裏に行くと、先程手招きした美少女の元に走った。

「やあ、もしかして俺のファン?」

「いいえ、ファンですけど、次の試合の対戦校のマネージャー、賈詡と申します」


 劉備は途端に興味無さそうな顔をすると、賈詡から視線を外した。


「どうしました?」

「いいや、ただの敵情視察かと思ってさ」

「敵情視察だなんて。そんなことしたって無駄ですよ。正攻法でやったらうちの負けですから」

「へえ、じゃあどうする?」

「そうですね・・・・」


 賈詡はニコッと微笑むと、突然、着ていたセーターを脱いで、白のYシャツ姿になった。そしてシャツのボタンに手を掛けて外すと、幼い見た目には不釣り合いな黒のブラを晒した。


「おいおい、色仕掛けかよ」

「お嫌いですか。でも、もし次の試合であなたが負けて下さったら、ブラの下もご覧に入れますけど。どうかしらん?」

「けっ、セコい手だな。俺以外に小細工してたら、きっとそいつに殺されてたぜ。皆、マジで真剣なんだ」

「水を差しちゃいましたか。ごめんなさい。もう帰ります」

「ちょいと待て」


 劉備は賈詡の前に立ち塞がった。そしてニヤリと嫌らしい笑みを浮かべると、誰も来ないか、辺りを監察しながら言った。

「俺一人負けてもおたくの勝ちにはならないぞ」

「いえ、あなたが負けてくれるなら、うちの学校の勝敗に関わらず、この下着の下をお見せしますけど」

「分かった。負けてやるよ。俺の相手は?」


 劉備の意外な返答に、賈詡の方が却って引いてしまった。


「え、でも他の人は真剣だって」

「ああ、だけど俺以外の話だな。だって、考えてみろよ。たかが一試合負けるだけでポロリだぜ。そりゃ、負けるだろ」

「大事な一勝では?」

「他の奴らが挽回するさ。俺一人負けたぐらいで敗退するようなら、それまでだ・・・・」

「随分と上からですね」


 劉備がとことん下衆で良かった。賈詡は劉備にペコリと頭を下げると、そのまま成都高校を後にした。劉備の籠絡作戦はとりあえずは成功したと言えるだろう。後日、劉備からメールが届いた。実はあれからメルアドを交換していたのだ。その内容は以下の通りだった。


「他の生徒の弱点も教えるから、付き合って」

 賈詡は劉備を電話帳から削除した。

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