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高順VS劉備

 いよいよ第三回戦。劉備と高順との試合が始まった。両者ともに向き合うと、試合開始の銅鑼が力強く叩かれた。


「くっくっく、この無敗の俺に勝てるかな?」

 劉備は腰から剣を引き抜くと、それを高順の前に向けた。高順は洛陽学園のナンバー2と呼ばれるだけあって、ある種のカリスマ性のようなものを感じさせる雰囲気があった。

「さあ、始めるわよ」

 高順は鞘の前に手を添えた。そして瞳をクワッと開くと、突然、剣を一気に引き抜いた。


「一つ」

 瞬間、劉備の肩から反対側の腰に掛けて衣服が破けた。高順は剣を引き抜くと同時に劉備を斬ったのだ。所謂居合と呼ばれる技術である。


「おお・・・・」

 遠くで観戦していた関羽も思わず息を漏らした。これほどの選手が洛陽学園に埋もれていたとは思わなかったからである。事実、高順には派手さが無い。それは、彼女自身が呂布や他の生徒を立てているからであり、本当はイメージを遥かに凌ぐ部の持ち主である。


「くそ、高い服が台無しだぜ」

「ふん、それは学校指定のユニフォームよね」

 高順は剣を構え、深く腰を落とすと、再び劉備に向かって斬り掛かった。

「二つ」

「ち・・・・」

 劉備の服の袖が破け、彼の手首から僅かに出血した。


「うおおおお、何故貴様如きに俺が」

 劉備は悔しそうに地団太踏んでいた。それを観戦している関羽と趙雲は、互いに顔を見合わせて溜息を吐いた。

「部長、あの劉備のセリフ。完全に悪役か、強そうに見えて、あっさりと負けるやられ役の文句ですよね?」

「ああ、今私も感じた」


 自ら敗北フラグを立てる男、その名も劉備は、このままではいけないと、剣を強く握り直した。


「本気で行くぜ」

「今までも本気よね?」

 高順は再び腰を深く落とした。このまま三撃目も喰らうわけにはいかない。劉備は瞳を瞬かせて、彼女の挙動を監察した。

「あれは・・・・」

 劉備はある変化に気付いた。高順は腰を落として、劉備に攻撃を加えようとするその瞬間に、全身を何か膜のようなもので覆っている。


「なーるほど。こいつも気の使い手か。確か部長は陽と呼んでいたな。全身を気でコーティングして防御力を高めたりする。こいつはそれで瞬発力とか速さまで変えているのか」

「三つ」


 高順の剣が再び劉備を捉えた。今度は彼の脇腹部分を横から薙ぎ払った。

「くう・・・・。寸前でこっちも陽で防御だ」

 劉備は両手をクロスさせると、全身を気で覆った。そして来たるべく高順の一撃を防ごうとした。しかし、剣と体がぶつかる直前で、高順の口元が僅かに歪んだ。

「な、何?」

「遅い」

 高順の剣が劉備の体を薙ぎ払い、彼をフェンスに激突させた。


「げほ」

 劉備は口から砂を吐いて立ち上がると、高順の方を信じられないと言いたげな表情で見つめた。彼女は涼やかな顔で、再び腰を深く落としていた。

「なんじゃそりゃ・・・・」

 劉備の感じた違和感。それは高順の攻撃が一回ごとに少しずつパワーアップしているのだ。明らかに威力が増している。最初の一撃は鈍い痛みだったが。今度はハンマーで殴られたような強烈な痛みとともに、体がフェンスにまで弾き飛ばされた。


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