地区大会閉幕
馬超はその場で回転すると、于禁の回転とぶつかり合い、駒のように打ち合った。馬超の逆回転と于禁の回転はまさに、正と負の激突である。その結果、何が起こるのか。それは0になることだった。二人の回転が止まると、馬超は一足先に槍を振り回して、于禁の体を弾き飛ばした。
「あれは・・・・」
そこにいた人間で関羽だけが気付いた。馬超の全身を金色の気が覆っている。彼女はこの試合で気の力に目覚めつつあった。もしそれが真実であれば、全国大会制覇も夢では無くなってくる。関羽は嘆息した。
「はあああああ」
馬超は叫びながら、金色の気に包まれた槍を地面に突き刺した。于禁はフェンスに激突したまま、動かなくなっていた。あまりの衝撃に気絶しているようで、同時に試合終了を意味する銅鑼が鳴った。成都高校は地区大会を優勝したのだ。関羽は戻って来た馬超を暖かく迎えると、曹操が関羽の元を訪れて来た。
「見事ね。あたしが出るまでも無く完敗だわ」
「いやいや、そちらの選手だって・・・・」
「お世辞は要らないわ。全国大会で会いましょう。今度はあたしが直々に潰してあげるから」
曹操はウインクすると、そのまま部員達を連れてグラウンドの中心に集まって行った。関羽も同じように部員達を連れて、グラウンドに集まって行く。
「何進理事長による大会結果の発表」
大会の最高責任者である何進が朝礼台の上から生徒達を見下ろした。地区大会に参戦した全部の学校が、今集結している。何進はそれらを見ながら、渡された書状を読み始めた。
「ええ~、地区大会の上位5位までが全国大会に出場する権利を得る。では発表します。まずは第1位・・・・」
最早分かり切っていることだが、聞く方としては緊張するものだ。
「成都高校」
その瞬間、成都高校の部員達の歓声が響き渡った。いつものお約束ではあるが、次の発表もあるため、教師達から即座に注意される。
「第2位は許昌高校」
同じように許昌高校の辺りから歓声が鳴り響いた。
「そして第3位が江東高校、第4位が冀州大付属。そして第5位が洛陽学園・・・・」
発表が終わると、何進はイソイソと何処かに行ってしまった。頭を垂れて悲しむ者、活躍した選手を胴上げする者、実に様々であるが、とりわけ、成都高校の関羽の喜び様は、普段の彼女のイメージを大いに覆すものであった。
「皆、よく頑張った。今日は打ち上げだ。私の部屋に来い。朝まで寝かさないぞ~」
なまじ、冗談を言わない関羽のことなので、そこにいた部員の誰もが寒気を覚えた。ただ、一人、その中で劉備だけは違っていた。
(関羽部長はかなりご機嫌だ。恐らく酒も入るだろう。そしたら、そしたら・・・・)
劉備の脳内には、ピンク色の透き通るようなランジェリー姿の麗人が、上目使いで劉備を見ている。
「くくく、部活では部長の関羽先輩も、布団の上ではただの女」
劉備は何故か関羽の耳元でそんなことを呟いた。
「貴様、今日は見逃すが、人の耳元で普通言うか?」
「はひ?」
関羽は偃月刀の柄で、劉備の頭を殴った。




