つるぺた少女を裸にひん剥いてやるぜ
かくして、劉備と張飛の武芸による野試合が幕を開けた。場所は成都高校校庭。全武芸部員を眼の前に、先輩と後輩のプライドを掛けた一戦が始まろうとしていた。
「悪いっすけど、俺勝ちますよ」
「それはあたしのセリフだ」
劉備の眼は先程の子犬のような弱々しいものでは無い。今の彼は例えるならば虎だ。いや臥龍とも言えるかも知れない。
「あんたの武器、痛そうだね。そいつには気を付けないとな」
劉備は張飛の手に持っている武器を見た。槍と形状が似ているが槍ではない。彼は知らないが蛇矛という、槍の先端が蛇のように曲がりくねっている武器である。
「ああ、すっごく痛いよ」
「それに対し、俺の武器はボロい剣か。リーチの面では圧倒的に不利。しかし、俺はこれでも剣道部だ。前の高校ではそれなりに強かったぜ。あんたにゃ悪いが。俺が勝つ」
二人は正面同士に対峙した。風雲急を告げる風。両者は同時に砂を蹴って走り出した。
「うりゃああ」
先に仕掛けたのは張飛だった。蛇矛を薙ぎ払うと、その先端が劉備の頬を掠めた。
「あぶね」
劉備はそのまま後ろに跳んで距離を離すと、自分の手元を見た。
「くそ、便利な槍だぜ。しかし、お前、胸が無いな。本当に高校生か?」
「うるさい。もうすぐで関羽よりも大きくなるんだ。牛乳だって毎日飲んでるんだからな」
「じゃあ、そんな努力家の君に助言してやろう。胸ってのはな。男の人に揉んでもらうとデカくなるんだ」
「え、それは本当か?」
張飛の手元が一瞬緩んだ。劉備の瞳がキラリと光る。彼はこれまでのヘたれ設定を覆すようなアクロバティックな動きで、張飛の目の前に向かって跳んだ。つまり、空中で回転しながら、錐揉み状に、彼女に突っ込むと、目の前で上手に着地、そのまま剣を振り上げた。
「うわあああ」
「必殺仏陀斬り」
劉備は縦一直線に剣を振り下ろした。瞬間、ビリビリッと何かが破ける音が聞こえて来た。張飛の来ていたレギュラージャージをブラごと引き裂いた音だった。
「きゃああああ」
張飛は先程までの強気な様子とは打って変わって、甲高い少女特有の高音ボイスで悲鳴を上げると、削蛇矛を手放して。その場に蹲った。見ると、両手で無い胸を必死に隠していたのだ。
「ククク、やったぜ」
劉備は剣を鞘に納めると、そのまま張飛の元に近寄った。
「ほらよ。掴まりな」
「劉備・・・・」
張飛は劉備の手に捕まると、そのまま立ち上がった。周りの生徒が駆け寄って来て、張飛の肩にバスタオルを掛けた。
「待ちな」
劉備の眼が鋭いものに変わった。そして張飛の肩にあるバスタオルを取り上げると、周りの生徒達を追い返した。
「武芸で負けた者は、勝った者に従わなくてはならない。そうですよね関羽殿?」
「ああ・・・・」
関羽は空返事をした。
「ならば、俺からの命令だ。その胸を隠している手を退けて、俺の前で立ったまま大の字になれ」
「はあ?」
周りの生徒達は唖然としていた。張飛は歯を食いしばると、羞恥に頬を真っ赤に染めていた。人一倍勝負を重んずるゆえに、彼女は逃げるということが出来ないのだ。
「どうした、つるぺたちゃん。これは真剣勝負だよな。練習だから無しだとか、そんな御託は通用しないぜ」
「わ、分かっている」
「じゃあ、早く」
「うう・・・・」
劉備の体に空き缶が投げつけられた。すると、彼の顔が見る見るうちに不機嫌なものに変わって行った。
「おい、誰だ今のは。出て来いや」
劉備は剣を振り回して、生徒達の輪の中に突っ込んで行こうとした。
「待て、劉備」
張飛は顔を真っ赤にしたまま、劉備を制した。
「何だ?」
「やるから、他の生徒には手出しするな」
「良いけど、まるで俺が悪者みたいな言い草だな」
張飛は眼に涙を浮かべて、その場で両手を広げて大の字になった。彼女の恥部が全て空気に晒される。小さな桃色の乳首に僅かな膨らみ。そして毛一本も生えていない、綺麗な割れ目が白日の下に晒されている。
「うう・・・・」
「おお」
劉備は瞳を輝かせた。関羽の裸じゃないのが残念でならないが、汚れ無き少女の裸体を堂々と拝めるとは、この世界での暮らしも悪くないのではないか。などと思い始めていた。
「うう、うわあああん」
張飛は突然大声で鳴き始めた。
「おいおい、泣くなよ。ほら」
劉備は赤ん坊をあやすように言うと、慌てて近くに生えている草を何本か毟り取った。
「何で泣いてるんだ?」
「うう、だって、だってえええ、こんなガキみたいな体恥ずかしいもん。毛だって生えてないし」
「安心しろよ。ほら、プレゼントだ」
劉備は張飛のアソコに草をそっと当てた。
「ほら、陰毛~」
「くっ」
張飛の顔が羞恥から憤怒へ変化した。彼女は蛇矛を素早く拾い上げると、それで劉備の顔を横一線に殴り付けた。
「ごほおおおお」
劉備はそのまま後ろ向きに吹っ飛ぶと、他の生徒達からも足で踏み付けられ、最早、勝者が誰なのか分からなくなっていた。