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劉備と夏候惇

 劉備は刀を鞘から抜くと、それを横向きに構えて、夏候惇の一撃を防いだ。金属同士が擦れ合い、耳障りな音を立てている。バチバチと火花を散らしながら、両者とも一歩も動く様子が無い。まさに力と力が拮抗していたのだ。


 関羽は劉備の姿を見て、何かに気付いたのか、フフッと静かに笑った。

「どうしました部長?」

 隣にいた諸葛亮が首を傾げて聞くと、関羽は諸葛亮の方は見ずに答えた。

「劉備の奴、やはり私の見込んだ通りの男だった。口頭で説明しただけだというのに、無意識に「陽」を使いこなしている。陽とは簡単に言えば、陰の逆、陰が体の気を抑えて気配を殺すのに対して、陽は全身を気で包み込んで、バリアーを作ることだ。陽で体を覆うことによって、夏候惇の攻撃を防いでいる。さらに夏候惇も凄い。彼女は「撃」で武器の威力を底上げしている。恐らく、気を使いこなせない者であれば、一撃で吹き飛んでいただろうな」


 劉備は力では叶わないと判断したのか、右足で夏候惇の腹を軽く蹴ると、その反動で間合いを取った。

「お前も気を使いこなせるのか」

「さあな、よく分からん」

 劉備は恍けると、剣を構えて、今度はこちらからと、夏候惇に向かって走って行った。

(気には四つの使い方があったな。確かこういうのもあったはず・・・・)

 劉備は剣を持つ手に力を込めた。すると、緑色の気が劉備の剣の刃を包み込んで、その鋭さと輝きを増した。


「せああああ」

 劉備は剣を振り下ろすと、それで夏候惇のジャージの胸元を引き裂いた。同時に、彼女の着けていた鉄のブラが露わになった。

「げげ、色気の無い下着」

「貴様・・・・」


 夏候惇は額に汗を浮かび上がらせながら、劉備から一歩後退した。

「今のは「斬」ってやつだろ」

 劉備の言っている斬とは、気を武器に込めて切れ味を上げたり、気、それ自体で物を切り裂いたりできる用法である。


「やるわね、あの劉備とかいう男」

 曹操は劉備の姿を見て、舌なめずりした。

「しかし、夏候惇も負けてはおりません」

 曹操が敵を褒めるのが面白くないのか、隣に座っていた他の生徒が口を挟んできた。

「ええ、勝つのはうちの夏候惇よ。でもまあ、成都高校にしてはやるじゃない」


 劉備と夏候惇が打ち合うこと、数十分、何度か休憩を挟みながらも、無言の勝負はずっと続いていた。

「しゃーねーな、決めるか」

 劉備は剣の持ち方を変えた、短剣を握るように持ち手の部分を逆手にすると、ニヤリと会心の笑みを浮かべた。

「な、何だ・・・・」

 流石の夏候惇もこれには戸惑った。思わず攻撃を止めて後ろに跳びのいた。

「見せてやるよ。渾身の技を」

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