黄金の美少女
関羽は青龍刀を構えると、左右から一斉に、逃げ出した虎を捕まえるが如く、走って来た顔良と文酷を交互に見つめながら、臨戦態勢を取った。
「はあああああ」
関羽はカッと叫ぶと、青龍刀を思い切り横向きに凪ぎ払った。青い閃光のような斬撃が、顔良と文酷の二人を弾き飛ばした。
バリバリッと二人の衣服が破け、下着姿のまま地面に倒れた。
「ああ」
二人はピシャピシャと股間を小便で濡らして、そのまま気を失っていた。これを楽しみに見に来ていた、男達が一斉にカメラのシャッターを切った。
「ふう、少し本気になってしまった」
関羽は観客席にいる袁紹を見て、両手を合わせてお辞儀した。彼女は礼儀正しいのである。
「そんな、あの二人が負けるなんて」
袁紹は震えていた。自分の提案によって、相手にチャンスを与えたことを激しく悔いていたのだ。
「かくなる上は」
袁紹は自分が出ることを決意した。今の敗北で、相手方には二点入っており、次に負ければ、袁紹達は出鼻を挫かれてしまう。ここで、生徒らの士気を高めておく必要がある。
「おいっす」
劉備が空気を読まずに帰って来た。関羽は彼の背後から、青龍刀の柄の部分で、何発か殴った。
「ちょ、痛いっすよ」
「心配したんだぞ」
「え?」
劉備の脳内に甘美な妄想が渦巻いた。
「もお、心配したんだから」
裸にエプロンだけを見に纏った、我らが部長の姿がそこにはあった。
「部長、そんなにまでして俺のことを?」
「違う馬鹿、危うく貴様のせいで反則負けになりそうだったんだ。罰として次の試合はお前が出なさい」
「は、はあ」
劉備は関羽に押され、第二試合に出場する運びとなった。これに勝利すれば、地区大会第一試合は突破となる。
「おーほっほっほ。私の相手は庶民のあなたですの?」
「け、悪いかい?」
「いいえ、蓆でも造ってそうなお顔で、精々頑張って下さいまし」
袁紹は自慢の金髪を手で掻き上げると、一足先にグラウンドに出ていた。後から劉備も、剣を一本腰に履いて現れた。
「勝負開始」
闘いの銅鑼が高らかに鳴り響いた。袁紹は腰に履いている金色に光る宝剣を取り出すと、その刃先を劉備に向けた。
「上等だ」
劉備は自身も剣を引き抜くと、袁紹に向かって走り出した。彼の得意とする突撃戦法である。
「甘いですわ」
袁紹はニヤリと笑った。同時に遠くで試合を見守っていた関羽が舌打ちをした。
「袁紹め、アレをやるつもりか」
劉備はまだ知らなかった。袁紹の恐るべき技を。




